炭水化物とは。糖質との違い、一日の摂取量を解説│管理栄養士の食トレ学
トレーニングやダイエットに欠かせない「食事」。多くのトレーニーが抱えている栄養・食生活のギモンについて、ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士・調理師に質問する本企画。
今回は“炭水化物”をテーマに、炭水化物とは何か、糖質とはどう違うのか、1日にどれくらい摂っていいのか尋ねてみました。
基本のキなのですが、炭水化物について改めて知りたいです。炭水化物とはどんなもので、カラダの中でどんな働きをするのでしょうか。
炭水化物は主食や甘いものに多く含まれており、エネルギー源になる栄養素です。
炭水化物とは、カラダの重要なエネルギー源です。ごはん、麺、芋などの主食や、砂糖といった甘いものに多く含まれています。簡単に消化吸収されるものが多く、脂質、タンパク質よりも優先的にカラダや脳のエネルギー源として利用されます。
また、水分を多く保持してくれる力があるため、カラダや便の水分コントロールにも関与します。しかし必要以上にとりすぎてしまうと炭水化物を材料に脂肪が合成され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されてしまうので要注意です。
糖質とごっちゃになっているのですが、どう違うのでしょうか。
炭水化物=糖質+食物繊維。糖質は炭水化物の一部です。
炭水化物とは、糖質と食物繊維の総称のことで、糖質は炭水化物の一部です。おもにエネルギー源として利用されるのが糖質で、人の消化酵素で消化されにくい成分を食物繊維と言います。
糖質には脳やカラダのエネルギー源となるブドウ糖、砂糖の主成分であるショ糖、虫歯を予防するガムで有名なキシリトール、加熱して料理にとろみをつけるでんぷんなど、さまざまな種類があります。炭水化物は1gあたり4kcalありますが、そのほとんどは糖質のカロリー。食物繊維にはほとんどカロリーがありません。
食物繊維は消化されにくい特性のため、体内では血中の糖質や脂質の吸収を緩やかにする、腸内の不要なものを絡めとり便として外に排出する、腸内細菌のエサとなり腸の働きを活発にする手助けをしてくれます。
糖質オフ(糖質制限)が流行っていますが、炭水化物は1日にどれくらい摂っていいのですか?
条件によって変わりますが、健康的な成人で1食あたりごはん茶碗1杯ほどが無難です。
性別や年齢、活動量、体格などで大きく変わるので、一概にこれくらい食べれば大丈夫! というのは難しいです。タンパク質などと違って、炭水化物の明確な必要量は政府も設定していません。そのため、糖質はとりすぎず、食物繊維は意識して摂るといった具合がいいと思います。
目安としては、激しく体力を消耗するわけではない健康的な成人で、1食あたりごはん茶碗1杯ほどが無難ではないでしょうか。ボディメイク中の方は、こども茶碗に控えめ程度で大丈夫です。
お米や麺類に限らず、おかずの食材や調味料、揚げ物の衣など、あらゆるところに糖質は含まれています。カラダの変化に気をつけながら調整してみましょう。
また、食物繊維は不足することが多い栄養素です。葉もの野菜だけでなく、海藻やきのこ、こんにゃくなどの食材も積極的に摂取しましょう。
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[プロフィール]
瀧川みなみ(たきかわ・みなみ)
株式会社Muscle Deli管理栄養士、調理師。青山学院大学文学部卒業後、専門学校で調理師、食生活アドバイザー、栄養教諭を取得。専門学校卒業後は大手外食企業で働きながら管理栄養士を取得。接客、店舗管理、副料理長を務めたのち本社の商品企画・開発部門でデザートメニューの商品開発をおこなう。その後、クラウドレストランを運営するベンチャー企業に転職し、8ブランドの立ち上げを実現。より多くの人に向けて体・健康づくりの手伝いがしたいと思い、Muscle Deliに入社。商品開発、栄養指導、レシピやコラム作成等を担当。プライベートでは料理教室や食事に関するセミナーなどのイベントを主催。
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