インタビュー
2017年5月29日

反省は調子が良いときにするべき!?【里崎智也のビジネス現場で役立つ思考術 #1】 (2/3)

一流ほど柔軟性が高く、ダメなやつほど頑固

——「小さいこだわりが無限の可能性を永遠に殺す」という章では、一流の人ほど柔軟性があるので、こだわりは捨てろと語っています。

ダメなやつほどこだわりが強いんですよね。「自分のやり方があるから」と固執してしまう。そして、だいたい人の話を聞かない。ビジネスの世界でも、結果が出てないのに自分のやり方に固執する人がきっといるはず。たまには人の意見に耳を傾けて、とりあえず試してみるのも良いんじゃないかって思いますけどね。一流の人ほど情報のアンテナを張り巡らせて、スポンジのように吸収しますよ。あのイチローさんだって、人の話はめっちゃ聞きますから。

——一流選手はそうやって得た情報をどのように役立てているんですか?

例えばトレーニングなんかも初動負荷、加圧トレーニング、フリーウェイト、体幹って、そのときどきによってトレンドがあるんですね。一流の人たちは、それらを全部試してみるんです。でも、効果が出るものもあれば、出ないものもある。10人中9人に成果が出ていたとしても、自分に合わないこともあるわけです。だから、いろんなものから成果が出ることだけ取り入れて、オリジナルに変えていくんですよあ。

——著書では、一流の人たちと触れ合うために図々しく登っていかないといけないとも語っていますね。

一流の人たちって、その人たちしか知らない情報を持っているんですよね。それはどの業界でもあると思うんです。お金持ちだけ知ってるとか、政治家しか知らないとか。プロ野球選手でも、活躍している選手ほど独自のネットワークがあるんです。それはやっぱり一流の人と接することでしか得られないんです。

——なるほど。

あと、一流の人たちと仲良くなると、自分では気付いていない悪いところを指摘してくれるようになるんです。これが大きな財産になります。普通の人ではわからない、もう絶対に教科書に載ってない視点から、いろいろアドバイスをもらえるので。

——著書ではイチローさんや小宮山悟さんとのエピソードがありました。一流の人に近づくためには、どのようなことをすれば良いでしょうか?

僕がまずしたのは趣味を共有することです。自分の興味があることを褒めてもらえたら誰でもうれしいですよね? ゴルフ、麻雀、飲みに行く……なんでも良いんですよ。ゲームだったら、一緒にやりながら、次に会ったときに「どこまでクリアしました?」って聞いてみたり。

——自分に自信がない、または人見知りだということで、憧れの人に声をかけづらいこともあると思うのですが……。

正直言って、「人見知り」は甘えだと思うんです。視力が低い人に「僕、目が悪いんです」って言われても、「じゃあ、メガネをかければ?」って思うのと同じで。人見知りなのは全然良いですけど、それをなにかができない言い訳にしたらダメ。ちなみに、僕が初めて小宮山さんに話しかけたときって、まだ一軍メンバーにもなっていなかったですけど、気さくに接してもらえましたよ。僕もそうなんですけど、やっぱり頼られたらうれしいんです。だから、ちょっとくらい図々しくお願いしても、断られることはあんまりないと思いますよ。仲良くすることでいろいろ教えてもらえるなら、絶対仲良くしておくべきです。

——里崎さんから後輩にアドバイスすることもあったのでしょうか?

慕ってくれる後輩なんかにはいろいろ言いますね。調子が悪そうな選手がいたら、「最近はこうだけど、調子良いときはこうやってたはずなので、それを試してみたら」とか。でも、仲良くない選手にはわざわざ言わないですよ。だって、面倒じゃないですか(笑)。

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