インタビュー
2017年7月11日

野球の技術よりも、おもしろさを伝えるスクールにしたい。King Effect増渕竜義氏(後編)【元プロアスリートに学ぶ、ビジネスの決断力 #2】 (2/2)

 やはり集中力はすごいですよ。やりたい練習や、なりたいプレイスタイルに向かって、一生懸命自分で考えたメニューをこなしています。それに、好きなことだけあって上達も早いです。とはいえ私がまったく動かないわけではなく、もちろん上手くできなかったり、どうしていいかわからないと悩んでいるときは、しっかりとアドバイスして、正しい方に導きますし、動きを見ていてちょっとおかしいなと思ったら修正します。

―― 現在何名くらいの生徒さんが通っていますか。

 今でちょうど30名といったところです。スクールを始めてまだ2ヶ月なので、割と早いペースで集まってきているなという実感があります。今は小学生と中学生をメインに教えているのですが、実は社会人も入会できます。草野球チームでプレイしている方にはレベルアップの秘策として使って頂きたいですね。

―― スクール運営を含めて、これからKing Effectは今後、どういったことをやっていこうとお考えですか。

 現在は上尾を拠点としていますが、要望があれば全国への展開も考えています。生徒さんの数が増えてきた場合は、プロのセカンドキャリアとして支店をお任せするのもアリだなと思っていますね。今は私ひとりなので、できる範囲で精一杯やっていきたいです。

―― 年々野球のレベルは上がっていますから、本格的な指導を求める高校球児からの依頼なども期待できそうですね。

 昔は時速150㎞台の速球を投げると騒がれたものでしたが、プロの世界において今では普通というか、出せて当たり前の速さになっていますからね。大谷投手のように時速160㎞台というこれまで見たことのない球を投げる選手も現れていますし、何よりメジャーで活躍できる日本人選手も続々出てきているので、本格的なトレーニングの需要は見込めるでしょうね。

―― 今教えている生徒さんの中にスター選手の片鱗が見える子はいますか。

 確かに突出している子は目立ちますけどね。まだわからないかな。中には高校生になってから覚醒する子もいますから、今は何とも言えませんね。ちなみに、私が今こうしてスクール運営をしている中で大きな夢があって、それは教え子が甲子園に出たり、プロになって活躍する姿を見たいということです。まさに親の感覚で見てしまうのでしょうね。本当にその日が楽しみです。

▼前編はこちら

20代で現役を引退し、野球スクールを運営。King Effect増渕竜義氏(前編)【元プロアスリートに学ぶ、ビジネスの決断力 #2】 | ビジネス×スポーツ『MELOS』

増渕竜義(ますぶち・たつよし)
1988年5月3日生まれ。埼玉県草加市出身。元プロ野球選手。2006年、東京ヤクルトスワーローズにドラフト1位で入団。サイドスロー気味のスリークォーターから繰り出される時速150Km台のストレートを武器に活躍。2014年に日本ハムファイターズに移籍し、翌年引退。現在は野球スクール運営などを手がけるKing Effectの代表を務める

<Text:上野慎治郎(アート・サプライ)/Photo:小島マサヒロ>

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