「母親からの愛情不足で育った大人」に見られる特徴とは。男女別に解説
「どうして自分は人間関係がうまくいかないのだろう?」
「理由もなく不安になったり、自己肯定感が低くなったりするのはなぜ?」
大人になってから感じるこうした“生きづらさ”の背景には、幼少期の親との関係、特に母親からの愛情不足が影響しているケースがあります。
愛情不足と聞くと、極端な育児放棄を想像しがちですが、実は日常的な「関心のなさ」や「言葉かけの不足」など、目に見えにくい形でも心に影響を残すことがあるのです。
母親からの愛情不足で育った人に見られやすい特徴や傾向について、神谷町カリスメンタルクリニック院長・松澤 美愛先生監修のもと、男女別にまとめています。
まずは母親の愛情が不足したまま育った「男性」から。
子どもにとっての母親の心理的役割とは
父親は社会性や外の世界とのつながりを学ばせる存在である一方、母親は「無条件の愛情」を注ぎ、子どもに安心感を与える役割が大きいとされています。
子どもは母親にしがみついたり甘えたりすることで不安や恐怖に対処するようになります。その中で自分が守られ支えられることを実感し、心を成長させていくのです。
このような母親との関係性が作られないと、子供は不安なときに自分を安心させる術をもたないままに成長するので不安に耐える力が育ちません。

両親それぞれの影響がありますが、母親からの愛情が不足すると「自分は受け入れられていないのでは」という不安が心に残り、成長後の人間関係にも影響することがあります。
もちろん、母親だけが子どもを支えるわけではなく、父親や祖父母、社会全体が子どもの成長を支えていきます。ただし母親との関わりは、もっとも身近で長い時間をともにするケースが多く、その影響力が特に大きいといわれています。
なお、ここでいう母親は「主たる養育者」という意味であり、必ずしも実母でなければならないということではありません。
「母親からの愛情を感じずに育った男性」は、こんな特徴が出やすい
個人差はありますが、母親から十分な愛情を得られなかった男性には、いくつか傾向が見られます。
自己肯定感が低い
まず、自己肯定感が低く「自分には価値がないのでは」と感じやすい点です。褒められても素直に受け入れられず、失敗を過度に恐れる姿勢につながります。
人間関係の距離感が難しい
また、人との関係では安心感を得にくいため、恋人や友人に対して過剰に依存したり、逆に距離を置いて心を閉ざしてしまったりと極端な関わり方をすることがあります。
感情を表現するのが苦手
感情を素直に表現するのも苦手で、寂しさや不安を隠すために怒りや無関心を装うケースも少なくありません。
その一方で、強い承認欲求を抱え、仕事やSNSなどで「認められたい」という気持ちに突き動かされることもあります。
こうした背景から、常に孤独感を抱えやすく、周囲に人がいても「自分は理解されていない」と感じることが多いのが特徴です。
母親からの愛情を感じずに育つと、大人になってこんな問題行動が起きやすい
大人になってからは、愛情不足で育ったことによる具体的な問題行動として表れることがあります。
なお、ここでいう「問題行動」は“性格の欠陥”ではなく、安心感を得られなかった心が、自分を守るためにとった行動が形を変えて現れていると考えます。
恋愛での依存や、深い関係から逃げる
安心感の基盤が弱いと、恋人に強く依存したり、相手を束縛してしまう傾向が見られます。
逆に「傷つくくらいなら距離を取ろう」として、深い関わりを避ける人もいます。どちらも「見捨てられたくない」という不安が根底にあります。
承認欲求が非常に強くなる
「自分は認められたい」という気持ちが強くなり、仕事やSNSで成果や評価を過度に追い求めてしまうことがあります。
一時的に安心できても、すぐにまた次の評価を求めるため、心が落ち着きにくくなるのが特徴です。
感情を適切に表現できず人間関係を構築しにくい
寂しさや不安を言葉で伝えるのが苦手で、代わりに怒りや無関心といった形で表れてしまうことがあります。
本当は「分かってほしい」という気持ちがあるのに、それを伝えられず人間関係がぎくしゃくしてしまうケースです。
お酒やギャンブルなどに頼りやすい
心の空虚感や不安を埋めるために、お酒やギャンブル、ゲームなどにのめり込みやすい人もいます。短い間は気がまぎれますが、繰り返すことで自己嫌悪や生活の乱れにつながることもあります。
度を越えて頑張りすぎてしまう
「失敗したら見放されるのでは」という不安から、完璧を目指しすぎてしまうこともあります。その結果、頑張りすぎて疲れ果ててしまう、いわゆる燃え尽きの状態に陥りやすいのです。
体の不調が多い
ストレスや不安をうまく表現できない場合、体に不調として現れることもあります。たとえば、寝つきが悪くなる、胃腸の調子を崩す、頭痛が増えるなど、心の問題が体のサインとして出るケースです。
母親の愛情不足で育った女性に見られやすい11の特徴
ここでは、母親からの愛情を十分に感じられずに育った女性に、比較的よく見られる心理的・行動的特徴をご紹介します。
当てはまるものがあっても、決して自身を責める必要はありません。これらは、環境に適応しようとした結果であり、あなたが悪いわけではないのです。
親密な関係を避ける、または過度に依存する
母親との関係で傷ついた経験から、「親密になると傷つけられる」と学習した場合、人との距離を保ち続けようとします。友人や恋人に対しても本音を見せず、表面的な関係にとどめます。
逆に、「人に頼らないと生きていけない」という強い依存傾向が現れることもあります。恋人や友人に過度に依存し、少しでも離れることに強い不安を感じます。
これは「見捨てられ不安」と呼ばれ、常に相手の気持ちを確認したり、試すような行動をとったりします。
人の顔色を常に伺う
母親の機嫌に左右される環境で育った場合、相手の表情や声のトーンに過敏になります。
「今、怒ってるかな」「嫌われたかな」と常に相手の反応を気にし、自分の気持ちよりも相手に合わせることを優先します。
信頼関係を築くのが難しい
「どうせ裏切られる」「本当の自分を見せたら嫌われる」という思い込みから、人を信じることができません。
相手が優しくしてくれても、「何か裏があるのでは」と疑ってしまいます。
強い自己否定感
「自分には価値がない」「自分はダメな人間だ」という思い込みが根深くあります。些細な失敗でも自分を強く責め、成功しても「たまたま」「まだ足りない」と思ってしまいます。
過剰な頑張り・完璧主義
「愛されるためには完璧でなければならない」と感じ、常に高い基準を自分に課します。仕事でも人間関係でも、「もっと頑張らなければ」と自分を追い込みます。
休むことに罪悪感を覚え、燃え尽きてしまうことも。
慢性的な罪悪感
何をしていても「自分が悪い」と感じてしまいます。他人の機嫌が悪いのも、関係がうまくいかないのも、すべて自分のせいだと思い込みます。
謝ることが癖になり、「ごめんなさい」が口癖になっている人も多いです。
感情を抑圧する
「感情を出してはいけない」「弱音を吐いてはいけない」と学習し、自分の気持ちを押し殺します。怒りや悲しみを感じても、それを表に出さず、ひたすら我慢します。
その結果、突然感情が爆発したり、身体症状(頭痛、胃痛など)として表れたりします。
強い承認欲求
母親から認められなかった経験から、「誰かに認めてほしい」という欲求が人一倍強くなります。SNSでの「いいね」の数を気にしたり、常に褒められることを求めたりします。
しかし、どれだけ認められても満たされず、「まだ足りない」と感じ続けます。
批判に極端に弱い
建設的なフィードバックでも、人格否定と受け取ってしまいます。「あなたはダメ」と言われたように感じ、深く落ち込んだり、防衛的になって反発したりします。
自分と他人の境界線が曖昧
「自分がどう感じているか」よりも「相手がどう思うか」を優先します。自分の意見や感情が分からなくなり、「私は何がしたいんだろう」と混乱することも。
また、友人や恋人の悩みを、まるで自分のことのように深刻に受け止め、「何とかしなければ」と必死になります。共感力が高いがゆえに、相手の感情に飲み込まれ、自分自身が疲弊してしまいます。
NOと言えない
断ることで嫌われるのが怖く、無理な頼みでも引き受けてしまいます。自分のキャパシティを超えていても、「大丈夫」と言ってしまい、後で苦しくなります。
女性ならではの問題も出やすい?「母親の愛情不足で育った男性」との違い
母親の愛情不足は、男性にも女性にも影響を与えますが、その表れ方には性差があると言われています。これは脳の発達や社会的な期待の違いが関係しています。
女性は感情表現・共感力の強さゆえの苦しみが出やすい
一般的に、女性は男性よりも感情を言語化する能力や共感力が高い傾向があります。これは、脳の構造や社会化の過程で培われる特性です。
ただし、共感力の性差は生物学的要因だけでなく、社会化(育てられ方)による影響も大きいとされています。
この特性ゆえに、女性は自分の感情を細かく認識できてしまい「なぜ自分はこんなに不安なのか」「なぜ母親は私を愛してくれなかったのか」と深く悩みます。

また、共感力が高いため、他者の感情を敏感に察知し、「相手を傷つけてはいけない」「嫌われてはいけない」というプレッシャーを強く感じます。
その結果、自分の気持ちを抑え、相手に合わせすぎて疲弊します。
男性の場合、感情を抑圧しやすいため、自分の感情に気づかないまま、行動面(仕事中毒・物質依存など)で問題が表れることが多いと言われています。
「見捨てられたくない」という依存が出やすい
「見捨てられたくない」という不安が強く、相手にしがみつくような行動をとりやすくなります。
これは「不安型」という愛着スタイルで、一部の研究では、女性は不安型、男性は回避型がやや多いという傾向が報告されています。
「●●しないと愛されない」という不安が出やすい
女性には「優しく、思いやりがあり、人の世話をする」という社会的期待が強くあります。母親の愛情不足で育った女性は、この期待に応えようと過剰に努力することがあります。
「良い娘」「良い妻」「良い母親」であろうとして、自分のニーズを後回しにし、他者のために尽くし続けます。しかし、その根底には「こうしないと愛されない」という不安があります。

また、「女性は感情的」というステレオタイプから、感情的に反応する自分を責めてしまうことも。「こんなことで動揺する自分はダメだ」と、さらに自己否定が強まります。
注意したいこと。「母親を責めても解決しにくい」
母親の愛情不足について考えるとき、いくつか注意したいポイントがあります。
「愛情不足=悪い親」とは直結できない
母親が愛情を与えられなかった背景には、さまざまな事情があります。
- 母親自身も愛情不足で育った
- 産後うつや精神疾患を抱えていた
- 経済的困窮や家庭内の問題があった
- 孤立した育児で余裕がなかった
- 複数の子どもを育てる中で手が回らなかった
また、“母親の愛情不足”という表現は、その人の人格や資質を非難するものではなく、環境・支援・心理的状況など複合要因の結果として理解することが大切です。
母親を責めることは、結局自分自身を苦しめます。「母親も大変だったんだ」と理解することで、許しや解放につながることがあります。
ただし、これは虐待や深刻なネグレクトを正当化するものではありません。自分が受けた傷を認めることと、相手の事情を理解することは、両立できるのです。
監修者プロフィール
神谷町カリスメンタルクリニック院長
松澤 美愛先生
東京都出身。慶應義塾大学病院初期研修後、同病院精神・神経科に入局。精神科専門病院での外来・入院や救急、総合病院での外来やリエゾンなどを担当。国立病院、クリニック、障害者施設、企業なども含め形態も地域も様々なところで幅広く研修を積む。2024年東京都港区虎ノ門に「神谷町カリスメンタルクリニック」を開業、院長。精神保健指定医/日本精神神経学会/日本ポジティブサイコロジー医学会
URL https://charis-mental.com/
InstagramURL https://www.instagram.com/charismentalclinic
<Edit:編集部>

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「親からの愛情不足で育った大人」の特徴とは。こんな問題行動や思考の偏り、ありませんか?










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