走り幅跳びで東京都大会に。でも夢はずっとサッカーか野球の選手でした。元プロ野球選手・森本稀哲（後編）│子どもの頃こんな習い事してました #25 (3/3)

――子どもの習い事に対して、親の関わり方で大事なことはなんでしょうか。

環境づくりだと思います。野球をやりたいと言ったらどのチームがいいチームかちゃんと見て、その子に合ったチームに入れてあげることが親の仕事だと思います。僕もサッカーでもっと同学年同士でプレーできるチームだったら、友だちもできて楽しく続けられたかもしれない。僕が野球を選んだのは友だちと楽しく日曜日が過ごせるという、それだけの理由ですから。

――今、自分自身で習いたいことはありますか。

ゴルフです。すでにやってますけど、イチから習いたい。書道も時間があればもう一度習いたいですね。子どもの頃もっとちゃんとやっておけばよかった。当時はやらされているという思いが強く、やる気がなかったせいか身につかなかった。もっと明確な目標があればがんばれたかもしれません。

――子どもに習い事をさせるときはそういった理由づけが必要かもしれません。

そうですね。何をやらせるにしても。続ける理由や習うことでどんないいことがあるのか、きちんと導いてあげたい。

――横浜DeNAベイスターズの山崎康晃選手は子どものころに「稀哲さんのサインをもらったことがきっかけでプロを目指すようになった」と言っています。森本さんは、現在は現役時代とは違った立場から野球人口を増やしていこうと活動されているかと思いますが、今後についての展望を教えてください。

野球人口を増やすということまでは僕にはできないと思う。ただ野球やっている子、野球をやろうとしている子に、野球は楽しいよということを伝えていきたいですね。今の時代、SNSも含めて、12球団がうまくファンサービスをしていると思います。もっと上層部の方たちも積極的に野球人口が増えるような動きをしてもらいたいですね。

今後については、指導者も夢のひとつではありますが、現段階でなにを目指そうという形はあえて決めていません。いろいろなことにチャレンジして可能性を広げるようにしています。答えを出さないことが今の自分の答えのような気がしています。

［プロフィール］
森本稀哲（もりもと・ひちょり）
1981年生まれ、東京都出身。帝京高校在学中、第80回全国高校野球選手権大会に出場。1999年ドラフト4位で日本ハムファイターズに入団。2011年横浜ベイスターズ（現横浜DeNAベイスターズ）へ移籍。2014年埼玉西武ライオンズにテスト入団。ベストナイン1回（2007年）、ゴールデングラブ賞3回（2006・2007・2008年）、日本シリーズ優秀選手賞1回（2006年）受賞。2015年に引退。現在は野球解説者として活動している。