インタビュー
2017年11月27日

全人類に跳ばせたい。“縄跳び愛”がハンパない男の未知なる野望(後編) (2/3)

 全部挑戦したくなっちゃいますね。でも、それより、日本のナワトビストみんなで世界中のギネス世界記録を制覇したいです。

失敗は成功の母。失敗と付き合い上手になろう!

--縄跳びの指導者としても活躍するSADAさん。技術指導はもちろんですが、それ以外に縄跳びを通じて伝えていきたいことは何でしょうか?

 縄跳びは、失敗がつきものなんですよ。失敗がスゴく目に見えるし、あたって痛いですし、団体の長縄跳びなんかでは引っかかるとみんなから言われたりとか。やっぱり一番は、引っかかる、失敗することとの付き合い方っていうのを縄跳びを通して知ってほしいかなと思います。

 たとえば失敗したときに、ちょっと普通と形が違って新しい跳び方になってたり、新しいフィニッシュポーズになってたりすることがあるんですよ。だから小学校で「君たちも失敗したときに、新しいワザが生まれるかもよ!」っていう話をして「失敗ってそんなに怖いことではないよ、逆にチャンスなんだよ」っていうのを伝えてます。

 縄跳び好きな人や競技者って、縄跳びの嫌いな人よりたくさん失敗してると思います。たくさんロープに引っかかって、どうすれば引っかからなくなるか試しまくって。そうやっているうちに、引っかからない回し方や跳び方を見つけていくんです。

 世界大会のときに、当時めずらしい背面交差入れ替え跳びの後ろ回しを練習してたんですけど、間違いなくそのワザで世界で一番多くロープに引っかかっていると思いますよ。それこそギネス世界記録級(笑)。

 本当にあらゆる方法で失敗してみたので、今では絶対的な自信を持ってそのワザを跳ぶことができます。それからリカバリーも上手くなります。パフォーマンス中にロープが引っかかったときのリカバリーというか、ごまかし方には自信があります(笑)。

 身のまわりには失敗だらけなんです。とくに最近。2歳になる息子がいるのですが、彼はハンパない失敗の達人です。トライ&エラーを繰り返し、いつの間にかできるようになってる。そもそも「失敗」という概念もないんでしょうけどね(笑)。大人から見たら「いやいや、それはムリだよ。やめておきな」ということも無謀に挑戦するんです。できないことが多すぎて、伸びしろだらけですよね。

 伸びしろって、年齢の若い人の特権だなって思っていたんですけど、最近40間近ですが、新しい動きやワザがたくさんできるようになってるんです。なのでできないことや失敗したことがあると「うわぁオレ、伸びしろいっぱいあるなぁ!」って思えるようになってきました。最近の口癖が「伸びしろあるネ」なんです(笑)。

--失敗して克服したときの喜びの方が失敗のダメージより大きいよというのを伝えたい?

 そうですね、だから失敗したからイヤだとか、自分はできないからイヤだじゃなくて、ちょっとそこともう少し付き合ってみるっていうか。

 学校の先生から聞いた体験談なんですけど、みんなで二重跳びをやろうっていうクラスがあって、跳べない子がいるんですよね。その跳べない子に対してなんとか跳べるようにってみんながいろんな知恵を絞りあって、ついに跳べたと。そのときのクラス中のみんなの喜びはスゴかったらしいんですよ。普通だったら「なんだ、あいつできねえな」ってそれだけで終わっちゃうし。でも学校の先生が上手く工夫してくれるとみんなで何かを解決するというところに結びつけられる。とくに団体で行なう大縄跳びや8の字跳びなどで取り入れていただきたいです。

縄跳びネットワークで世界を繋ぐ。世界中に縄跳び友だちをつくりたい

--これからのSADAさんのビジョンというか夢は?

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