インタビュー
2018年1月29日

良いと思うものは吸収して自分の一部分に。京都ハンナリーズ岡田優介『SLAM DUNK』【私のバイブル #3(後編)】 (1/3)

 前編では岡田優介選手(京都ハンナリーズ/B.LEAGUE)が『SLAM DUNK』(スラムダンク)の中でも特に影響を受けたキャラクターや、学生時代のお話を中心に伺いました。後編では岡田選手が『SLAM DUNK』から吸収したことをはじめ、作者の井上雄彦先生との対談から得た情報などについて語っていただきます。

▼前編はこちら

常に誰かと競い、マンガの登場人物よりも練習する。京都ハンナリーズ岡田優介『SLAM DUNK』【私のバイブル #3(前編)】 | 趣味×スポーツ『MELOS』

マルチな活躍の理想像は優秀なポイントガード

― 岡田選手は、プレーヤーのほかに公認会計士や3人制プロバスケットボールチーム「TOKYO DIME」のオーナー(兼選手)、一般社団法人日本バスケットボール選手会の設立など、多方面でご活躍されています。前回のお話で、『やりたいからやる』というお言葉がありましたが、こうした活動の根本も同じなのでしょうか。

そうですね。やりたいことが先にくるっていう感じですね。そのためにはどうしたらいいかを考えてやっていました。ぼくは会計士試験に合格したり選手会の会長をやったり、バスケ界ではいろいろやっている人というブランディングができつつあったので、そういった繋がりで舞い込んだのが、3人制バスケのオーナーの依頼。

これに関しては、バスケットボールを普及させたいという狙いがあって、3人制バスケを盛り上げて、相乗効果でバスケット界全体が盛り上がればいいなと思って引き受けました。

― 選手としての立場と、会計士やオーナーの立場では、求められる能力は違ってくると思います。それを両立させる上で目指した人物像や理想像はありますか?

いろんな視点を持つということですかね。立場が変わると視点も変わるので。会計士の目線とクライアント企業さんの目線は違いますし、それはプレーヤーとコーチと社長の場合でもそれぞれ違いますよね。だからそれぞれの立場を知っておくと、同じものでも見え方が違う。1のものを見ても、そこから10アウトプットできるというように。

なので理想像と言うと、いろんなものが見えているポイントガード。いろんなものが見えてるから、いろんな発想が出ると思う。選手たちのポジションとかチーム状態とか、そういったものをわかっているからコントロールできるわけですよ。司令塔ってそういうポジションなので。

― それこそ翔陽の藤真(藤真健司)は良い例ですよね。監督兼選手でリーダーシップがあって、選手としてコートに出れば点を取れるし、パスも上手い。

はい。良い設定の選手がいっぱいいますね(笑)。

『この人を目指したい』だと、その人以上にはなれない

― 岡田選手も複数の顔をお持ちですが、そういった意味で影響を受けた『SLAM DUNK』の選手はいますか? 前編でプレースタイルは三井と神、性格は流川といったお話がありましたが。

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