NGT48・長谷川玲奈「今でも『練習で泣いて、試合で笑おう』という言葉が胸に刻まれています」（後編）│アイドルと、スポーツと、青春と。#15 (3/3)

忙しいけど、たまには野球の試合をしたい

——それにしても、数万人の前でマウンドからボールをしっかり投げられるメンタルはすごいです。

マウンドに立つ前はすごく緊張するんですけど、立った後はまったく気にならなかったですね。アイドルとしてステージに立つときと同じかもしれません。野球の試合でも、セカンドのポジションにつくと「ボール、早く飛んでこい」って思ってましたから。

——そういえば、NGT48の冠番組『にいがったフレンド！』でお笑い芸人のロッチ・中岡（創一）さんのノックを受ける場面がありました。衣装がスカートだったのに、ボールに素早く追いつくシーンが印象的でした。

私の悪いクセで、女の子なのにスカートに慣れてなくて、気にせず動いちゃうんですよ。もちろん下にショートパンツを履いてはいるんですけど、それも本来は見えちゃいけないじゃないですか。それなのに気にせず動いちゃうので、衣装さんに怒られることもあります（笑）。

——他のバラエティ番組でバッティングマシーンの130キロの球を打っていたのも印象的だったのですが、今でも野球の練習をしているんですか？

ほとんどしていないですね。でも、NGT48のスタッフさんがたまに集まって草野球をやってるので、その練習に1度だけ参加したことがあります。ノックやバッティングをしたのが久しぶりだったので、すごく楽しかったです。

——練習をしたら試合もしたくなりませんか？

そうですね。新潟県には中学生から社会人までが参加できる女子野球チームがあって、そこに入りたいって今村支配人に相談したこともあったんです。でも、ありがたいことにお仕事が忙しくなったので断念しました。いつか参加したいです。

——プロ野球で応援しているチームもあるのでしょうか？

チームというか、同郷の先輩に福岡ソフトバンクホークスの椎野新（しいの・あらた）さんがいて、いつも応援しています。新さんは実家が近所なんですけど、お兄ちゃんと一緒にかわいがってもらってたんです。中学の野球部でもひとりだけ頭ひとつぶん大きくて、野球もとにかくうまかったので、地元ではすごく有名でしたね。新さんが高校生のとき、在校していた村上桜ヶ丘高校が夏の甲子園の県大会で決勝まで行ったんですよ。結局その試合で敗れてしまって甲子園には届かなかったんですけど、それをきっかけに私たちの中学校の野球部にもたくさんの人が見学や視察に来てくれるようになって。新さんが載ってる新聞を見せてくれながら「君たちの先輩だぞ、頑張れよ」って声をかけてもらったこともありました。

——そんなすごい先輩がいるんですね。

私もドラフト会議をテレビで観ていたんですけれど、新さんの名前が呼ばれたときは涙が出ちゃって。お兄ちゃんに「おめでとうって伝えて！」とすぐに連絡しました。

——今でも交流があるのでしょうか？

はい。今年の総選挙（AKB48 53rdシングル世界選抜総選挙）で、私が77位にランクインしたときもリアルタイムで観てくれていたみたいで、お兄ちゃんを通じて「おめでとう」とメッセージをもらって。一緒に地元の胎内市を盛り上げようって話しました。

何事にも全力で取り組む、その姿勢はずっと忘れない

——では、最後に今後やってみたいことについて教えてください。

ふたつあります。ひとつは野球チームのマネージャーをやりたいなって。

——自分がプレーするのではなく？

はい。マネージャー役として、選手をサポートしたくて。私、野球をやっていたからか、人の癖を見破るのが得意なんです。セカンドで守ってるときに「あ、そろそろ盗塁してきそう」とかいつも考えてたので。選手を観察・分析して、育てるのは楽しそうだなと思ってます。

——その発想はアイドルの後輩育成にも通じる気がします。

確かにそうかもしれないですね。実は今でもそういう一面はあります。私、視野が広いので、真正面を向いてても周りがけっこう見えるんですよ。それでダンスの動きが違う後輩がいたら、終わった後に「ここがちょっと違ったから一緒にやってみよう」って声をかけるようにしてるんです。自分自身のパフォーマンスを高めるのはもちろんですけど、やっぱりチームとしての完成度も向上させないといけないと思うので。

——プロフィールの「好きな言葉」の欄に「何事にも全力で取り組む」とありますが、普段からその言葉通りなんですね。これは野球に励んでいた頃からなのでしょうか？

そうですね。やっぱりどんなときでも全力でやらないと、大事な場面でそれ以上の力は出せないと思うんです。野球部のキャプテンが「練習で泣いて、試合で笑おう」って反省会でよく言っていたんですけれど、その通りだなって。どうして試合で負けて泣いてるんだろう、悔しいんだったら練習でたくさん泣けばいいんだと思って。だから、今でも人前で泣かないようにしてます。

——長谷川さんの強さは野球部で培われたんですね。では、今後やってみたいことのもうひとつを教えてください。

声に関する仕事に挑戦したいなと思っています。そもそも、私がアイドルに興味を持ったのは『AKB0048』というアニメがきっかけなんですね。だから、いつか声優としても活躍できたらいいなって。

［プロフィール］
長谷川玲奈（はせがわ・れな）／NGT48 チームG
2001年3月15日生まれ、新潟県胎内市出身。2015年7月にNGT48第1期生オーディション最終審査に合格。グループのシングルでは常に選抜入りする中心メンバーのひとりで、「AKB48 53rdシングル世界選抜総選挙」では77位にランクインした。プロ野球の始球式など特技の野球を活かした仕事や、映画『ミッドナイト・バス』出演など多岐にわたる活動をしている。野球観戦も好きだがプレーするのはもっと好き。好きな数字はセカンドの背番号「4」で、好きな野球選手は同郷で小学校時代から親交のある、福岡ソフトバンクホークスの椎野新選手。NGT48最新シングル「世界の人へ」、 10月3日リリース。
【NGT48公式サイト】 https://ngt48.jp/
【長谷川玲奈Twitter】@bbg_hasegawa315
【長谷川玲奈instagram】bbg_rena0315