2018年11月16日

【ラート】ドイツ発祥の不思議なスポーツ。非日常的な“3次元の回転”を体験できる|一度やってみたい!珍しい海外スポーツ #10 (1/2)

 国内ではあまり競技人口の多くない海外スポーツを取り上げ、その特徴やおもしろさをご紹介する本連載。今回は2本の鉄の輪を平行につないだ器具を用いる、ドイツ発祥のスポーツ「ラート」です。スイスで世界選手権も開催されたこの競技。いったい、どのようなルールで行われるのでしょうか。

3次元の回転を体験できる、ドイツ発祥のニュースポーツ

 ラートは、1925年にドイツ人のオットー・ファイクが「子どもの遊び道具」として考案した運動と言われています。正式には「ルーンラート(Rhon Rad)」という表記ですが、一般的に「ラート」と呼ばれています。

 日本では当初、第二次世界大戦時に航空操縦士養成の訓練に用いられました。本格的に広まりを見せたのは、30年ほど前の話。1989年に、当時の大学講師が留学先のドイツから持ち帰り、“ニュースポーツ”として再び普及活動を始めたのがキッカケです。現在は技の完成度を競う“競技スポーツ”として、また誰もが気軽に楽しむことのできる“生涯スポーツ”としても、国内外で幅広く発展を遂げています。

 競技に使う用具は、鉄製の大きな輪を2つ平行につけた「ラート本体」と、両足を固定するのに使う「ベルト(ビンディング)」です。ラートの大きさは使用者の身長によって変わり、一般的に身長プラス35〜45cmが目安とされています。手はラートに取りつけられた「バークリップ」に掴まり、足をしっかり固定することによって、非日常的な3次元の回転を体験できる仕組みです。

ラ―トの競技概要

 競技は「直転・斜転・跳躍」の3種目があり、すべての種目は男女別、個人別に実施されます。国内では「全日本選手権大会」と「全日本学生選手権大会」、「つくばカップ大会」がおもな大会。また、国外では2年に1度の世界選手権が開催されています。

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