2024年1月2日
箱根駅伝にまつわる「気温」と「出身高校」。直近35年のデータを調べてみた (4/4)
走るのに最適なのは「適度な寒さ」
気温とその区間でトップだった選手の出身を比べてみたところで、寒さや暑さがどのように走りに影響するのかを筆者一人で考えるのは限界になってきました。実際に走りやすい気温というのはどのくらいなのでしょうか?
「ウインドブレーカーを着ていて私たちが「寒い」と感じるほどの寒さが、選手にとって走りやすい適度な寒さです」と教えてくれたのは、アスレティックトレーナーとしてさまざまなランニングの指導をしているJapanマラソンクラブ完走請負人・牧野さん。
「適度な寒さは、ズバリ気温で言えば、10度前後」(牧野さん)
感覚の問題なので微妙な違いはありますが、一般的には9〜11度が走りやすいとされる気温だそうです。選手によって、暑さに強い、寒さに強いというのが環境に関係することもあるとのこと。しかし、選手たちはそれらも見越して日々のトレーニングを積んでいます。
また、「選手の体感温度は風速1メートルにつき1度下がる」と牧野さんは言います。つまり外気温が5度あっても、風速5メートルならば体感温度は氷点下。そうか、気温ばかり気にしていたけれど、「風速」や「風向き」もレースに大きな影響を与えてくるんですね……。
はたして今年の箱根駅伝、レースの行方は!?
天候だけはどうしようもない箱根駅伝という大舞台。さまざまな状況を想定しながらトレーニングに励んできた選手たちが、全力を出しきれますように!
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<Text & Photo:アート・サプライ>