ライフスタイル
2017年12月28日

箱根駅伝を3割増しで楽しめるガイドブック。『あまりに細かすぎるガイド!2018』│スポーツがしたくなる今月の1冊

 まもなく迎える2018年。おそらく多くの方々が、1月2・3日に開催される『第94回箱根駅伝』を心待ちにされていることでしょう。テレビ観戦はもちろん、中には現地に出向いて応援しようという方もいるはず。

 そこで今回は、そんな箱根駅伝を3割増で楽しめる一冊『あまりに細かすぎる 箱根駅伝ガイド!2018』をご紹介します。観戦前の予習はもちろん、観戦中のバイブルとして片手に持っておくのもオススメの1冊です。

区間ごとの見どころ・ポイントが事細かに解説されている

 本書は約80ページのムック本。全10区間を1つ1つ項目分けし、区間ごとの見どころや観戦のポイント等について解説されています。例えば過去の区間記録や距離、コース図などの基本情報はもちろん、区間の特徴など。過去の大会を踏まえながら、その区間がレース全体においてどのような位置づけとなるのか、その見解に至るまで書かれています。

 特に注目したいのがコース図。1kmごとの距離地点から付近の主要駅、さらには現地観戦者に向けた見どころスポットまで添えられています。中には「歩行者はこの歩道橋を渡れ」など、その場に行かなければ分からない案内まで。そしてレース上で重要となる地点については、「どんなシーンが観られるのか」「駅の何番出口を出れば良いのか」など、予備知識として貴重な情報が満載です。なお、主要スポットについては所々に写真も添えられています。

 おもしろいのは、例えば主要ビルや鶴見中継所のたすきリレーの銅像のようなシンボルだけでなく、例えば釣具店のように一般には目印として触れられないような場所も取り上げている点。まさに著者が実際に現地へ足を運び、見て回った情報だからこその細かな配慮と言えるのではないでしょうか。

箱根駅伝前に押さえておきたい情報・知識

 コース図をメインにした解説だけでもお腹いっぱいですが、本書はまだまだ箱根駅伝観戦者を楽しませてくれます。例えばテレビ観戦していると、ときどき聞き慣れない用語が耳に飛び込んでくることでしょう。しかし何のことを言っているのか分からないと、テレビ解説が理解できずおもしろさは半減してしまいます。

 例えば「中継所」「繰り上げ」「ごぼう抜き」のような用語はもちろん、本書の用語解説は非常にディープ。むしろテレビ解説ですら出てこないような用語まで、事細かに解説されています。町田寮……どの大学の寮なのかご存知でしょうか?そこには、監督夫妻もお住まいのようです。

 そのほか、箱根駅伝の大会後に行われる大学の報告会や、先立って開催された予選会に関する情報まで。この1冊を読み込んでおくだけで、2018年は箱根駅伝の楽しみ方が広がってくれそうです。2018年版ながら以後も使えるネタが詰まっていますので、箱根駅伝好きなら持っておいて損はない! と言える1冊ではないでしょうか。

 気になる方は、ぜひお早目にご購入を。2018年の幕開け、箱根駅伝を思いっきり楽しみましょう。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text:三河賢文/Photo:Getty Images>