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いだてん、第1部を締めくくる「復興運動会」へ。主役のバトンが金栗四三から田畑政治に渡り、激動の昭和を描く (3/3)

ああ、ずっと走っていたな(中村勘九郎)

 会見の後半では、記者たちからの質問にも応じました。

―― 第1部の最後では震災が描かれました。瓦礫の中に身を置いて感じたことは。

中村勘九郎:神宮競技場で震災のシーンの撮影が始まる前に、キャストが集まって、どういうことだったか詳しい話を聞きました。金栗さんにとって、浅草の播磨屋に行ったときのショックは大きかった。まず靴を履いて二階に上がらなきゃいけないんですね。心理的にもそれが嫌でしたね。これまで生活していた場所なのに、瓦礫で足の踏み場がなくなり、靴を履かなければ怪我してしまう状況になっている。浅草は被害が大きかった。東京のメインの街のひとつで、私たち役者にとっても、エンタメの聖地のような場所だった。そこが赤く染まった光景はショックで。

余震が多かったはずなので、その恐怖と戦いながら過ごすわけです。そこはイマジネーションでやるんですが、エキストラの皆さんと一緒に、助監督の方々とも話し合って、みんなで作り上げていった感じです。復興大運動会は、ただ単純に楽しもうと思った。子どもたちが笑顔になるように。自然に、みんな笑顔になっていましたね。

―― 走りまくった前半でした。印象に残っているシーンは。

中村勘九郎:1年間、走ったなぁという感想ですね。どんどん忘れていくけれど、嘉納先生が復興運動会のときに「そう言えば、彼はずっと走っていたな」と話し、私が走ってきたシーンが(ダイジェストで)流れる。それを見て僕も、ああ、ずっと走っていたなと思いました。印象に残っているシーンとなると、やはりストックホルムじゃないですかね。実際に100年前に金栗さんが走ったスタジアムが、そのまま残っているところを走った。

普通の撮影だったらね、直線を走った、はい次のカットは門から出ていくところです、だと思うんです。僕は経験がないから分からないですが、騙されていたのかもしれない。一連の動きですべて走らされました。例えば400mトラックを1周と3/4走り、外のマラソンコースに出ていく。まぁ、きつかったですね(笑)。最初から外国人選手は飛ばしていく。ものすごい勢いなので、それについていかなくちゃいけない。そして彼ら、説明されたことを守らないんです。まぁそれは良いんですが、ちょっとイラっとして、負けてたまるかと。ここで金栗さんの気持ちとつながっていくんですね。

―― 阿部さんから見て、第1部で気になった場面はありますか?

阿部サダヲ:中村さんは大変ですよね、撮影が始まる前からトレーニングされていて。呼吸法から、走り方から金栗さんに寄せていって。最初にお会いしたときの姿、もう色は黒くて痩せていてアスリートみたいなすごい身体になっていた。(物語の役柄は)中学生からでしたか、あんな中学生いないでしょってくらいすごくて、全裸で格好よかった。ランナーを辞めてから、指導者になってからの金栗さんも好き。良いと思います。

―― 先に終えた勘九郎さんから阿部さんにアドバイスはありますか?

中村勘九郎:なんですかね〜。撮影で、巻くこと(※編集部注:予定より早く進むこと)はないです(笑)。

阿部サダヲ:そうなんですね(笑)。巻くことはないんですね。田畑という人は、とてもせっかちなんです。だから、せっかちな役作りをしてくれと言われるんですが、スタッフにはせっかちじゃない人が多いんですよね。巻かないんですか、やっぱり。パパっとやりたいんですが、非常に丁寧に撮っていらっしゃる。役者としてはありがたいですけどね。

―― 今回の大河ドラマ『いだてん』では、途中で主役が代わります。

阿部サダヲ:第1部は、陸上がメインでした。僕(田畑政治)は水泳の方なので競技が替わります。また話も、日本の体育ではなくオリンピックが中心になりますね。世界的な話になっていく。戦争など、避けて通れない話もあります。金栗さんも、今後まったく出てこなくなるのではなく、同時進行で時代を歩みます。あとは現代と時代背景が重なるところもあります。東京にオリンピックが来る。元号も変わる。前半、あまり見てこれなかった人も、ここから改めて見始められると思います。私は朝日新聞で記者の役をやっています。

中村勘九郎:新聞社って、あんな感じだったんですね。みんな伝書鳩を持っていたり。二・二六事件も朝日新聞社からの視点で描かれる。

阿部サダヲ:田畑さんのエピソードは、すべて史実に基づいたものです。タバコを逆から吸っちゃったりね。僕、基本的にアドリブはないです。

[あらすじ]第24回「種まく人」(6月23日放送)
関東大震災により、東京は壊滅状態に。治五郎(役所広司)が作った神宮外苑競技場は避難所として人びとを受け入れ、そこで富江(黒島結菜)ら女学生が傷ついた人びとの救済に尽力する。四三(中村勘九郎)は心配する熊本のスヤ(綾瀬はるか)や幾江(大竹しのぶ)の元にも僅かな時間帰省。援助物資として食料を譲り受けるなか、神宮で復興運動会を開催し、スポーツで人びとを元気づけるアイデアを思いつく。そして「復興節」の歌がはやり、孝蔵の落語が疲れ切った人びとに笑いをもたらす。

<Text:近藤謙太郎/Photo:編集部、NHK提供>

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