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肉をやめて野菜中心の食事にすべきなのか。菜食主義とアスリートの関係を描いたドキュメンタリー映画『The Game Changers』がおもしろい (2/2)

菜食主義のアスリートたち

 なお、映画中に登場するアスリートは、以下の通りです(順不同)。みなそうそうたる実績の持ち主であると同時に、専門とするスポーツは非常に幅広い分野にまたがっています。映画中では彼ら彼女らが、それぞれ菜食主義を取り入れている理由や効果について語ります。

ルイス・ハミルトン(F1ドライバー、ワールドチャンピオン6回)
パトリック・バブーミアン(ストロングマン選手、世界記録保持者)
ドッツィー・バウシュ(自転車トラック競技選手、五輪銀メダリスト)
ニマイ・デルガド(プロ・ボディビルダー)
ケンドリック・ファリス(重量挙げ選手、米国記録保持者)
ブライアント・ジェニングス(プロボクサー、世界ヘビー級王者挑戦者)
スコット・ジュレック(ウルトラランナー、ウェスタンステイツ100マイルレース7連覇)
モルガン・ミッチェル(陸上400メートル走選手、オーストラリア五輪代表)
デリック・モーガン(元アメフト選手、NFLテネシー・タイタンズに9年在籍)

▲ルイス・ハミルトン選手

 元ボディビルディング世界チャンピオンで俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏も登場。シュワルツェネッガー氏は映画の中で「肉を食べるのが男らしいってイメージがCMなどで広がっているけれど、それはマーケティングによるものだ。事実に基づいているわけではない」と語っています。

 出演はしていませんが、製作者にはプロテニスのノバク・ジョコビッチ選手とプロバスケットボールのクリス・ポール選手が名前を連ねています。また、総合格闘技のニック・ディアズ選手も、菜食主義アスリートの1人として映画中で紹介されています。

筋肉を必要とするアスリートの中にも菜食主義がいる

 長距離走やトライアスロンなどの耐久系スポーツは体重が軽い方が有利なので、菜食主義であってもそれほど不思議ではありません。しかし、この映画には巨大な筋肉を必要とするはずのパワー系の競技者も多く登場することに注目したいと思います。中でも極めつけなのが、ストロングマン競技のパトリック・バブーミアン選手でしょう。2005年から菜食主義を取り入れたバブーミアン選手は、2015年に「ヨーク・ウォーク」と呼ばれる競技で560キロの重さを担いで歩き、自身が持つ世界記録を更新しました。映画の中でバブーミアン選手は印象的な言葉を残しています。

「“どうしたら君は肉を食べずにそんな牡牛のように強くなれるの?”って尋ねられたことがあるよ。そのときに、“君は牡牛が肉を食べるところを見たことがあるかい?”って答えたさ」(パトリック・バブーミアン)

 

▲パトリック・バブーミアン選手

革命的な発見かエセ科学かは自分が判断する

 この映画の主張するところは、革命的であり衝撃的でもあります。そのため、必ずしも万人に受け入れられているわけではありません。にわかには信じられない人、あるいは反発する人も数多くいます。製作者の1人である映画監督のジェームズ・キャメロン氏がエンドウ豆食品会社を経営していることを指摘し、この映画はそのビジネスの宣伝ではないかと非難する人もいるようです。

 また、アーノルド・シュワルツェネッガーも現役ボディビルダーの頃は肉食で体を大きくしたのであって、菜食主義者になったのは年をとってからではないかと反論する人もいます。上にも述べたように、ここではPlant-based Diet(植物由来の食生活)の是非は論じません。ぜひ映画を観て考えてみてください。制作・主演のジェームス・ウィルクス氏が調査を進める上で拠り所とした、故ブルース・リーの言葉で、本記事を締めくくります。

「自分で体験したことを調べて、使えるものを吸収して、使えないものを切り捨てて、そして自分だけの知識を身につけなさい」(ブルース・リー)

・ゲームチェンジャー: スポーツ栄養学の真実
https://www.netflix.com/jp/title/81157840

[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani 

<Text:角谷剛/Photo:Getty Images>

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