夫婦に聞いてみた! 一緒にランニングすると2人の仲は良くなる?
皇居ランナーが話題になるように、最近ではランニングブームから、公園などを走る人の姿を以前よりも多く見かけるようになりました。中には、夫婦で楽しそうに会話をしながら、併走している人の姿も。ランニングという共通の趣味を通じて、夫婦の仲が深まっているのを感じます。
そこで、今回は一緒にランニングをしている夫婦に声をかけて、どのように走りを楽しんでいるのか話を伺ってみました。
ランニングにハマると、毎日がイベントだらけに
練馬区の光が丘公園をホームコースにしているのが、40代の木戸智行さん・彩子さん夫婦。ランニングが縁となって結婚するに至ったという、まさに今回、話を聞くにふさわしい2人です。やはり、一緒にランニングをしていると、夫婦仲は深まるのでしょうか?
「週末に予定が空いていると、自然と走りに行こうという話になりますね。一緒に走っているときもそうですが、普段から自然とランニングの話をするようになりますし、その話題にも事欠きません。レースが終われば自慢話の一つも口から出てきますし、自然とランニング仲間もできますので。今日は誰に会ったみたいな一言から、話が広がるのもしょっちゅうです」(智行さん)
ちなみに、木戸さんご夫婦はウルトラマラソンにも出場しており、さらには自らも大会を主催しているとのこと。仕切り屋の智行さんは大会が近付くと、家でコース案の策定などに頭を悩ませていますが、そんな姿を彩子さんは頼もしげに見ているといいます。
木戸さんご夫婦には微笑ましいエピソードがあります。それは、彩子さんが初めて72kmという、長距離のウルトラマラソンに挑戦したときのこと。不安を感じていた彩子さんに、智行さんはレース中、ずっと付き添って走りました。2人で「バンザーイ」と大声を上げてゴールしたのは、今でも忘れられない思い出です。
「やっぱり、うれしかったですよ。途中で膝が痛くなっても、最後まで走れたのは、一緒に走ってくれたからからだと思っています。普段の大会で離ればなれに走っているときでも、どこかで(夫の)存在を感じているんですよね。だからこそ、自分も頑張ろうと思えるわけです」(彩子さん)
そんな二人は練習がてらに都内を走りに行くこともありますが、智行さんが大会の練習を兼ねて当日に走るコースを選定するのに対し、彩子さんはまず銭湯がどこにあるのかを探すとか。そうして長い距離を走ったあとに、銭湯に入り、ビールを飲むのがまた格別だそうです。以前は江ノ島までしらす丼を食べに行こうと、都内から60km以上走って向かったこともあったといいます。
エントリーした大会への出場も含めて、木戸さんご夫婦の週末は、イベントにあふれています。休みの日にも、互いに趣味を持って別々に過ごす夫婦もいるこの時代に、その仲の良さはうらやましいですね。
旅はランニング、老後も健康に楽しく走り続ける
一方で、日ごろから旅ランや街ランを楽しんでいるというのが、50代も後半を迎えたという古賀正広さんのご夫婦です。
東京マラソンをきっかけに、ご夫婦で走るようになったという2人。以前はスキーやゴルフを一緒に楽しんでいたそうですが、ランニングはより気軽に楽しめるので、「すっかり生活にランニングが取り込まれてしまった」とか。
今では週末になると街中へと走りに出かけ、車での移動では気づかないようなお店を探すのが夫婦の楽しみになっているそうです。オススメは湘南の海岸線を走ることで、景色を楽しみながらも、隠れ家的なお店を見つけられるといいます。
「家の近所を走っていても気分が変わらないので、週末に走るときは、景色の良い海や山に行くことも多いですね。最近は毎年、ホノルルマラソンを走っていますが、決まってどちらか具合が悪くなってしまって(笑)。お互いにサポートしながら走っています」(正広さん)
年に1回、共通の趣味でイベントがあるというのは、夫婦の時間を作るには、よい機会になっているようです。さらには、走りはじめてからは、健康診断の数値も良くなったとか。それが、夫婦でランニングを続ける、一つの原動力になっているようです。
そんな2人には正広さんの定年後、やってみたいことがあるといいます。それは海のそばに引っ越すこと。というのも最近、走る際に重要になる体幹を鍛えるために始めたSUP(スタンドアップパドルボード)にハマってしまい、より気軽に遊べるように移住したくなったとか。
ランニングを通して、夫婦2人の未来のビジョンまでも想像できるようになったというのは、とても素敵なお話ですね。気軽にできて、一緒の時間が持てるランニングは、夫婦の仲を深めるのに有効そうです。ぜひ、皆さんも妻や夫を誘って、ランニングをはじめてみてはいかがでしょうか?
<Text:丸田鉄平(H14)>