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2023年3月2日

なぜ野球のショートは「遊撃手」と呼ばれるのか?【スポーツ雑学百科】 (2/2)

4点プレーが1点に!? 前代未聞のサヨナラ満塁ホームラン

日本・外国ともに、野球の試合においてもっともエキサイトするプレーといえばホームランでしょう。

一度打てば、ランナーの数プラス1点が加算されるビッグプレー。場合によってはホームラン1本で試合がひっくり返ることも珍しくありません。

しかし悲しいことに、諸事情によって、せっかくのホームランが無効になってしまったケースがあることをご存知でしょうか。

よく知られたエピソードだと、1958年に後楽園球場で行われた巨人対広島において、当時のスタープレーヤーである長嶋茂雄選手がホームランを放った後、一塁ベースを踏み忘れたことによって無効になってしまったことでしょう。

それ以外にも、日本のプロ野球においては30本程度無効になった幻のホームランがあるといわれています。もっとも印象的なのは、2004年9月20日に札幌ドームで行われた日本ハム対ダイエー戦で起きた珍事。

9回裏二死満塁同点というタイミングで打席に立ったのは、当時のスター、新庄剛志選手。彼が打った大飛球は、外野のはるか頭上を越えてスタンドイン。文句のつけようのない完璧なサヨナラ満塁ホームランだったのですが、ものの数秒後に、それが取り消されてしまったのです。

ホームランの喜びをともに分かち合おうと新庄選手がダイヤモンドを回るのを一・二塁間で待っていた一塁走者が、新庄選手と抱き合って一回転するやいなや、審判はそれを「走者追い越し」とジャッジし、新庄選手はアウトとされ、ホームランも取り消されてしまったという訳です。

しかし、先に本塁へ達していた三塁走者の得点は認められたので、一応日本ハムはサヨナラ勝ちをおさめたわけですが、何とも後味の悪い結末でした。

《参考文献》
大和球士 著「真説・日本野球史 明治篇」ベースボール・マガジン社
城井睦夫 著「“野球”の名付け親 中馬庚」ベースボール・マガジン社

<Text:アート・サプライ>

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