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【スポーツ雑学百科 #1】なぜショートは「遊撃手」なのか?/幻のホームラン

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 知って得するスポーツトリビアを厳選してお届けする「スポーツ雑学百科」。今回は野球をテーマに、目からウロコの2ネタを紹介していきます。

【第1話】「万能」であるからこそ、遊撃手なのである

 野球において“守備の華”として形容される「ショート」。一塁・二塁間を守るセカンドとは対称となる二塁・三塁間を定位置とし、センター方向と三遊間の打球への対応、さらには状況に応じて二・三塁間のカバーも行う。守備範囲が広く一塁までの距離が長いため、足の早さや肩の強さ、さらには高い判断能力を要するため、そこを定位置とする選手は皆、攻・走・守のバランスが取れた名手であるケースが多いのです。

 現役の選手でいえば、坂本勇人(巨人)や鳥谷敬(阪神)、OBだと川相昌弘(元巨人)や池山隆寛(元ヤクルト)など、そうそうたるメンバーが揃っていることからも、ショートがいかに花形ポジションなのかがうかがえるでしょう。そして今回は、そんな「ショート」に関する雑学をひとつ紹介します。

 ショートは、アメリカではS.S(ショートストップ)、日本では「遊撃手」と称されますが、なぜ日本で「遊撃手」と呼ばれるのか、その語源について知っている方は多くないでしょう。一節によると、「ベースボール」を「野球」と訳した人物として知られる『中馬庚』氏が、「ショートストップは戦列で時期を見て待機し、動き回ってあちこちを固める遊軍のようだ」と説いた事から「遊撃手」といわれるようになったそうです。

 つまり、誰の目から見てもショートというポジションは、守備の要ともういうべき重要な役割を担っているのがわかるということでしょう。ちなみに、中馬庚氏がベースボールを「野球」と訳した4年程前、かの有名な俳人・歌人である正岡子規が自身の雅号※として「野球(のぼーる)」と名付けました。読み方こそ違いますが、「野球」という表記を最初に発案したのはこの時だと言われています(※雅号とは、画家や書家が本名以外に付ける名前のこと)。

【第2話】4点プレーが1点に!? 前代未聞のサヨナラ満塁ホームラン

 日本、外国ともに、野球の試合において最もエキサイトするプレーといえばホームランでしょう。一度打てば、ランナーの数プラス1点が加算されるビッグプレー。場合によってはホームラン1本で試合がひっくり返ることも珍しくありません。

 しかし悲しいことに、諸事情によって、せっかくのホームランが無効になってしまったケースがあることをご存知でしょうか? よく知られたエピソードだと、1958年に後楽園球場で行われた巨人対広島において、当時のスタープレーヤーである長嶋茂雄選手がホームランを放った後に一塁ベースを踏み忘れたことによって無効になってしまったことでしょう。

 それ以外にも、日本のプロ野球においては30本程度無効になった幻のホームランがあるといわれています。その中で最も印象的なのは、2004年9月20日に札幌ドームで行われた日本ハム対ダイエー戦で起きた珍事。

 9回裏二死満塁同点というタイミングで打席に立ったのは、当時のスター、新庄剛志選手。彼が打った大飛球は、外野のはるか頭上を越えてスタンドイン。文句のつけようのない完璧なサヨナラ満塁ホームランだったのですが、ものの数秒後に、それが取り消されてしまったのです。

 ホームランの喜びをともに分かち合おうと新庄選手がダイヤモンドを回るのを一・二塁間で待っていた一塁走者が、新庄選手と抱き合って一回転するやいなや、審判はそれを「走者追い越し」とジャッジし、新庄選手はアウトとされ、ホームランも取り消されてしまったという訳です。しかし、先に本塁へ達していた三塁走者の得点は認められたので、一応日本ハムはサヨナラ勝ちをおさめたわけですが、何とも後味の悪い結末でした。

<Text:上野慎治郎(アート・サプライ)/Photo:Getty Images>

《参考文献》
大和球士 著「真説・日本野球史 明治篇」ベースボール・マガジン社
城井睦夫 著「“野球”の名付け親 中馬庚」ベースボール・マガジン社

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