かまぼこ、人気急上昇の理由とは【フィッシュプロテイン最新レポ】
コロナ禍で売上を伸ばしている業界のひとつに、「練り物」業界があります。魚介類から作られる「フィッシュプロテイン」が人気だそうですが、一体どのような特徴があるのでしょうか。
今回は、いま注目の「練り物」にどんな種類があるのか、フィッシュプロテインの特徴などについても解説していきます。
コロナ禍で売上を伸ばす練り物業界
実は、これまで練り物業界は斜陽産業のひとつで、最盛期には115.5万トンあった生産量を、2020年には47.3万トンにまで落としてきました。
しかしコロナ禍で状況が好転。「ちくわ・あげかま」をはじめ、スギヨ(かにかま)、かね貞(揚げかま、ちくわ)など、それぞれの分野で2021年は前年を上回る売上を記録しています。
フィッシュプロテインの強み
かまぼこや練り製品の好調を支える要素のひとつがプロテイン、とくに「フィッシュプロテイン」と呼ばれるものです。
コロナ禍で、新型コロナウイルスにかからない・重症化しないことを目標に、免疫を高めることが叫ばれるようになりましたが、これに起因して、免疫抗体の材料にもなるたんぱく質への注目も高まっています。
フィッシュプロテインの強みは、牛肉や豚肉などと比べるとたんぱく質の割合が多く、脂質が少ない(高たんぱく&ヘルシー)こと。さらに、必須アミノ酸がすべてそろっていることや、消化性に優れる点が挙げられます。
大豆に足りないメチオニンや、白米に足りないリジンも豊富なので、これまでの食事にプラスすることで、より高い効果を発揮できそうですね。
フィッシュプロテインの強み
高たんぱく&ヘルシー
かまぼこを含む練り製品は魚肉の良質なたんぱく質を摂取できます。牛肉や豚肉などの畜肉と比べると
たんぱく質の割合が多く、脂質が少ないのが特徴。
必須アミノ酸がすべてそろっている
人間が体内で合成できず、食事からとる必要のある必須アミノ酸9種をすべて含みます。大豆に足りないメチオニンや白米に足りないリジンも豊富です。
消化性に優れる
かまぼこは筋肉繊維がすりつぶされており消化がよい食品。とくに保存料や増粘剤などを使っていない練り製品は消化性が良いこともわかっています。
かまぼこ業界のフィッシュプロテイン商品
注目度が高いフィッシュプロテイン。最近では、水産業界からも関連商品が多数登場しています。
たとえば、日本水産からは「速筋タンパク」が発売中。同商品は1食分で速筋タンパクが4.5グラム以上摂取できます。一正蒲鉾から登場したのは「スポーツかにかま」。必須アミノ酸「BCAA」が1本に1300mgも配合されている魅力的な商品です。
他にも、矢野商店の「筋肉ちくわ」、カネテツデリカフーズの「マリンプロテイン&コラーゲン」などは、カラダづくり中の方や美容目的の方にも良さそうです。
鈴廣かまぼこのフィッシュプロテインの取り組み
そんなフィッシュプロテイン業界を牽引しているのが、鈴廣かまぼこです。同社は、2007年に魚肉たんぱく研究所を設立。肉や大豆とは異なる魚肉のたんぱく質の優位性を研究しています。
また、サッカー日本代表・長友佑都選手と魚肉たんぱく同盟も設立・運営。多くのアスリートや栄養士と共に、魚肉たんぱくの特徴や食べ方を提案しています。
ほか、今年9月には「フィッシュプロテインバー」を発売。同商品は、白身魚のすり身をベースにした商品で、たんぱく質は100kcalあたり11g以上の高水準。味わいにもこだわって作っており、人気を博しています。
<Text:辻村>