2020年1月24日

手掛けるのはスーツのAOKI。東京オリパラ、日本代表選手団の公式服装が発表

 東京2020大会において、日本代表選手団が身にまとう公式服装(開会式用・式典用)、および審判団などの技術役員が着用するテクニカルオフィシャルユニフォームが発表されました。手掛けるのは紳士服大手のAOKI(アオキ)。開会式用の公式服装は、白のジャケットに赤のパンツがスッキリとした印象を与えるデザインです。都内では1月23日、代表候補選手たちが大会への抱負を語りました。

▲日本代表選手団が身にまとう公式服装が発表されました

「AOKI製は縁起が良いんです」

 東京2020オリンピック 日本代表選手団団長の福井烈氏は「コンセプトは『ニッポンを纏う』です。この公式服装で開会式を行進する選手団を想像するだけで、背筋が伸びて心が熱くなります」とコメント。なお、シューズに関しては「アスリートのコンディションに大きな影響をおよぼすもの。過去実績がある、オフィシャルスポーツウェアを手掛けているアシックス様に依頼をしております」(福井氏)とのことでした。

 また、日本パラリンピック委員会会長の鳥原光憲氏は「オリ・パラ初の同一公式服装となりました。これは画期的なことです。デザインの選考過程で、義足や車イスを利用するパラアスリート特有の事情に配慮していただいた。AOKI様には今後、採寸の過程でもお骨折りをいただきます」と説明。

▲日本オリンピック委員会(JOC) 専務理事・東京2020オリンピック 日本代表選手団 団長の福井烈氏(左)と、日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会 会長の鳥原光憲氏(右)

 ちなみに鳥原氏によれば、組織委員会が発足した2014年当初から『オリ・パラ一体』という理念を掲げていた人物こそ、大会組織委員会 会長の森喜朗氏だったそう。その森氏は、2013年9月7日にブエノスアイレス(アルゼンチン)で開かれたIOC総会において東京招致が決まった際に、招致委員会のメンバーが着ていたユニフォームがAOKI製だったことから「縁起の良いスーツなんです」と説明していました。

 AOKIホールディングスの青木擴憲氏は「東京大会の選手団は1600名となりました。過去大会の約2倍、壮大な規模です。AOKIの経営理念である、世の中の役に立つという思いをもとに万全の準備体制で、企画、採寸、生産、納品を行っていきます」と意気込みました。

▲東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 会長の森喜朗氏(左)と、AOKIホールディングス代表取締役会長の青木擴憲氏(右)

アスリートの評判は?

 このあと壇上には、瀬戸大也選手(競泳)、三宅宏実選手(ウエイトリフティング)、黒木茜選手(馬場馬術)、上山友裕選手(パラ・アーチェリー)、前川楓選手(パラ・陸上競技)、土田和歌子選手(パラ・トライアスロン)が登壇しました。瀬戸選手は「ストレッチが効いていて、着ていても疲れない。着心地が良いです。気持ちにスイッチが入りました」と笑顔を見せました。

▲着心地が良いスーツ、と瀬戸大也選手。AOKI製は、胸板の厚い競泳選手にも好評の様子でした

 三宅選手は「可愛らしいデザインですね。赤も、優しい柔らかい色味。これまで出場した過去大会で着たスーツと比較しても、この東京大会のスーツは可愛いと思いました」。

▲優しく柔らかい赤の色味が可愛い、と三宅選手

 女子選手はパンツとキュロットが選択できる仕様。前川選手は「私はキュロットを選びました。義足が見えるところが気に入っています」、上山選手は「車イスに座って開会式に出る選手の場合、普通のスーツだと、袖がタイヤについて汚れてしまいます。でも今回は、タイヤにつかないような工夫をして頂けました。日の丸を背負っている、という感覚になれるスーツ。気分が上がります」と話していました。

▲こちらは公式服装(式典用)。「力強く爽やかなフォーマリティ」をテーマに作製されています

▲技術役員が着用するテクニカルオフィシャルユニフォーム。フォーマルウェア(上段)はAOKI製、カジュアルウェア(下段)はアシックス製です(Tokyo 2020提供)

<Text & Photo:近藤謙太郎>