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種目に関わらず整えたい!“身体バランス”と“四肢連動”の重要性

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 世の中には数多くのスポーツがあり、それぞれ異なる技術の習得が求められるでしょう。いずれのスポーツも、「自分の身体で行うもの」であるということは共通しています。例えば、野球やサッカー、あるいは水泳まで。全く異なるスポーツに見えますが、“自分の身体を動かして行う”という点はどれも同じなのです。そのため、実は取り組むスポーツに関わらず、パフォーマンスを向上させるポイントというものがあります。

 ここではスポーツの種類に関わらず意識したいポイントとして、「身体バランス」と「四肢連動」を取り上げます。いったい何を意味しており、なぜ重要なのか。具体的なトレーニング方法もご紹介します。

身体バランスを整えよう

 何気なく立ったり歩いたりしていると、自分の「身体バランス」について考える機会は少ないでしょう。スポーツに取り組んでいる方でも、技術や体力の向上などにばかり目が向きがちです。しかし、バランスの崩れた身体でトレーニングすると、むしろ逆効果になることが……。特に「よく怪我をしてしまう」「いつも同じ筋肉ばかり疲労する」などの悩みがある方は、身体バランスを見直すことで解決できるかもしれません。

 身体は左右対称のように見えますが、実はいろんな面で異なっています。骨格が歪んでいたり、筋肉量が違っていたり。特に「蹴る」「投げる」など身体の一方ばかり大きく動かしがちなスポーツを行っていると、その傾向は顕著。あるいは「いつも箸は右手で持つ」といった小さな動作でも、長年続ければ影響が出ることでしょう。こうした左右差は、関節の可動域や柔らかさなどにも現れます。

 私は陸上競技部に所属していた頃、跳ぶ・投げる種目ではいつも左足が軸足となっていました。この癖やそれに伴うバランス差は、引退した後も自然には解消されず。数年を経てランニングを初めた際、自然と左足に頼るような走りになっていました。今でこそバランスが整いつつあるものの、以前はこれが原因で、ランニング時に左足を怪我することが多かったのです。

 あるいはボールを蹴る場合。いつも右足で蹴っていると、軸足である左側は股関節などが固くなりがちです。すると、たまたま左側に位置したボールを蹴ろうとした際、右足と同じ感覚で動作すると、思いのほか動かずに上手くボールが蹴られない。または、無理な動作となって関節部を痛めてしまう可能性があるでしょう。

 このように身体バランスが崩れた状態では、スポーツ時のパフォーマンスが低下するほか、怪我のリスクが高まります。対策として、以下のようなことに取り組むと、少しずつバランスが整っていくはずです。

・筋肉量の少ない側について、筋力トレーニングを増やす
・堅い関節部を集中して解す
・いつもと反対に動いてみる など

 まずは自分の姿を客観的に見る、あるいは体組成を計るなどして、身体バランスを可視化しましょう。直立して姿見を見てみるだけでも、意外な身体の歪みに気付けるかもしれません。たとえトップアスリートでも、「普通に動けている」状態ではバランスの崩れに気付かず、そのままトレーニングを重ねてしまう方は多いものです。

四肢連動とは?自分の動きを確認しよう

 「四肢」とは左右の手足(右手・左手・右足・左足)を意味するもの。そして「四肢連動」とは、これら4つが連動して動くことを示します。本来はことに四肢の間に位置する“体幹部”も加わるのですが、今回は分かりやすく四肢のみの連動についてご紹介しましょう。

 例えば立位の状態で、短距離の腕振りのように右腕を引いてみてください。すると、意識せずとも右側の腰、そして足が動くはず。これは、逆側でも同じです。つまり四肢は筋肉によって繋がっており、動作において連動していることが分かるでしょう。

 しかし残念ながら、これが上手く行えないケースがあります。歩いているときに左右同じ側の手足が出てしまったり、走っていて腕振りと足の動きがバラバラだったり。もちろん、ウォーキングやランニングだけに限った話ではありません。

 野球のピッチングで、踏み込みから投げるまでの動作がぎこちない選手を目にする。あるいはサッカーでも、上半身が“気をつけ”の状態で強くボールを蹴ることはできません。まず身体が安定して腕と共に胸部・股関節が旋回し、それに伴ってボールを蹴るでしょう。

 どのような競技にしろ、トップ選手の動きは非常にキレイなもの。「無駄がない」「力強い」「動きがスムーズ」など表現はさまざまですが、いずれもこの四肢連動がしっかり行えています。つまり、高いパフォーマンスを発揮するうえで、四肢連動はとても重要なポイントと言えるでしょう。

 普段から何か動作する際、身体がどのように動いているか意識してみてください。私はよくトレーニング前にドリル(=基礎運動)を行い、動作チェックと身体への“覚え込み”を行うようにしています。ビデオ録画などで、自分の動きを客観的にチェックしてみるのもオススメです。

子どもの頃からの取り組みが重要!

 身体バランスと四肢連動は、成長およびその過程で取り組むさまざまな動作から影響を受けます。そのため、できるだけ子どもの頃から意識し、正しく動ける身体造りに取り組むと良いでしょう。そうすれば、スポーツ時に起きる怪我のリスクが軽減でき、より高い競技力向上も目指せるはずです。もちろん歩き方や姿勢など、運動に関わらずメリットをもたらします。

 しかし、世の中にある多くのスポーツスクールなどでは、体力づくりや技術力養成などにばかり取り組みがちです。そのため水泳のような全身運動を除き、知らない間に身体バランスが歪んでしまうかもしれません。また、四肢連動を確かめるような基本動作も、多くのスクールでは取り入れられていないようです。

 私は中学校の陸上競技部でコーチを務めていますが、実際、ある程度の記録を持つ生徒ですら「手足がバラバラ」「左右の動きが違う」などの課題が山積み。練習前にランニングドリルを取り入れたり、動画撮影によって動きを可視化・指導したりすることで、少しずつ改善させています。

 将来性のある子どもたちにとって、これは非常にもったいない事と言えるでしょう。半年も指導すると、真面目に取り組めた生徒は目に見えて動きが変わってきます。あるいは小学生向けに運動教室を開催すると、子どもながら既に怪我に悩まされているというケースもたくさんあるのです。

 まして大人向けのパーソナルトレーニングとなれば、「これでは怪我しても仕方ない」というレベルにまで及んでいることが少なくありません。そして話を聞いてみると、やはり学生時代に取り組んでいた競技が影響していたり、怪我が影響していたり(怪我によって関節が緩んでしまったなど)することがほとんど。こうした背景からも、子どもの頃の取り組みがどれだけ重要であるかが分かります。

 身体バランスと四肢連動。まず大切なことは、自身(あるいはお子さん)の状態を知ることです。特に「なんとなく動きがぎこちない」「なかなかフォームが改善できない」「怪我を頻発している」といった方は、すぐにでもセルフチェックしてみましょう。それが長く運動を続ける、あるいはトレーニング効果を最大化することに繋がります。

 改善方法が分からなければ、プロトレーナーの指導を受けるのも1つの方法。最近はオンラインでそうした指導を受けられるサービスも増えつつあり、私もよく問い合わせを受けています。小さなお子さんで習い事に迷っている場合には、まず特定種目ではなく、全身運動を中心に取り組める体操・水泳などを選ぶのもオススメです。

[筆者プロフィール]
三河 賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心に取材・執筆・編集。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】http://www.run-writer.com

<Text:三河賢文/Photo:Getty Images>

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