フィットネス
2021年10月15日

あなたもブルース・リーや岡田准一に!?フィリピン武術「カリ」を体験してきた (1/3)

 もしも道端で知らない人にナイフを突きつけられたら、皆さんはどう対処しますか? おそらく多くの方は、あまりの恐怖でたじろいでしまうと思います。

 しかし普段から護身術を学んでいれば、無意識に対応することだって可能です。今回、ご紹介するのは、ブルース・リーのヌンチャクでおなじみのフィリピン武術『カリ』。映画『燃えよドラゴン』『死亡遊戯』などで披露されると瞬く間に世界中で広まり、日本でもドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』でV6の岡田准一さんが演技に取り入れたことで認知度が急上昇しました。

 そこで今回は、東京都荒川区西日暮里にある『BUDO-STATION』で「MELOS」体験取材のために開いていただいた指導員稽古会に参加し、カリがどのようなものか体験してきました。

関連記事:ブルース・リー創始の格闘芸術・ジークンドーを生体験!稽古参加の品川祐さんにも魅力を聞いてみた

カリは『武器術を含む総合格闘術』

 10月22日、筆者が向かったのは東京都荒川区西日暮里にある『BUDO-STATION』。ここは10月1日にオープンしたばかりで、ジークンドー、カリ、カンフーランド、太極拳、中国武術、システマなど、さまざまな格闘技の達人が集い、学ぶことができる総合道場です。毎日、武術の講習会やレッスンを行っており、初心者から上級者まで汗を流しています。

そして今回ご紹介するのは、フィリピン武術の『カリ』。かつてブルース・リーが映画の中で見せたヌンチャクや棒術がこれに当たり、一躍世界で広がりを見せました。近年ではドラマ『SP』で岡田准一さんが披露したことで話題となり、日本でも学ぶ人が増えているそうです。

 当日指導にあたってくれたのが、ジークンドー体験の時にもお世話になった中村頼永師父。ブルース・リーとともにジークンドーの道を追求したダン・イノサント師父の内弟子として修行を積み、東洋人初のジークンドー・シニア・インストラクターとカリ・フル・インストラクターに認定されたパイオニアです。

▲指導にあたってくれた中村頼永師父(左)

「ジークンドーは武器術がなく、ましてや"格闘技"でもないんです。それを補うためにカリなどの武術を並行して身に付け、より実践的な格闘術を身に付ける。これがブルース・リー先生の教えであり、ジークンドーの理念なんです」

 中村師父いわく、カリは『武器術を含む総合格闘術』で、イノサント門下のカリは大きく分けて12のカテゴリーが存在するそうです。

1 Single Stick(短棒、刀剣類など)
2 Double Stick(ダブル・スティック、ダブル使用の刀剣類など)
3 Stick & Dagger(長短武器の組み合わせ)
4 Double Dagger(ダブル・ナイフなど)

5 Single Dagger(シングル・ナイフなど)
6 Palm Stick(手のひらに収まるサイズの小型武器など)
7 Empty Hand(徒手空拳)
8 Long Weapon(長棍、槍など)
9 Flexible Weapon(腰布、ベルト、鞭など)
10 Throwing Weapon(手裏剣など)
11 Projectile Weapon(弓矢、吹き矢など)
12 Spiritual Training(精神修行など)
※今回の稽古で教わったのは1、2、5、7の4つのみ

「カリは一見棒術だけと思われがちなんですけど、ナイフやヌンチャク、または武器術をそのまま徒手空拳にも応用することができます。カリは12カテゴリーもあるわけですから、やることが多い。さらに細かく言えば『エスクリマ』や『アーニス』、『パナントゥカン』、『ドゥモッグ』などさまざまなスタイルや流儀があり、その総称をカリと呼ぶんです。一言で説明することが難しいので、全部話し始めたら止まらなくなりますよ(笑)」(中村師父)

カリの稽古がスタート!

 今回の稽古は約1時間、関東近郊の指導員と内弟子たちという約20名によって行なわれました。まずはカリで用いるスティックを2本持ち、準備運動から始まります。

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