フィットネス
2021年10月15日

あなたもブルース・リーや岡田准一に!?フィリピン武術「カリ」を体験してきた (2/3)

 最初に行われたのはスティックを2本両手に持ったままの腕立て伏せ。イメージしてもらえればわかると思いますが、必然的に手はグーの形になります。この状態で40回、7秒レスト(休憩)、30回、7秒レスト、20回、7秒レスト、10回、と行いました。筆者は30回のところまで付いていったものの、次の20回で力尽き、腰が折れた状態で肘を満足に曲げることができません……。終わった頃には腕や胸がプルプルと震える始末でした(笑)。通常はこれを2セット、3セットと行なうそうで、さすが格闘家だなと感心してしまいました。

▲スティックを持ったままの腕立て伏せ。これを7秒ずつのレストを挟みながら計100回行う

 その後もカリ独特のスクワット系運動や各種フットワークなどの"準備運動"が続き、十分に身体を痛めつけたところで本題のカリの稽古に入ります。まず行ったのは、2本のスティックを使用する「ダブル・スティック」の稽古。「1、2、3、4、5、6」とカウントごとに決まった動きがあり(シックスカウント)、その形を覚えていきます。

▲筆者(白シャツ)はゆっくり①、②、③と確認しながら行いますが……

▲長年稽古を積んだ練習生同士だと、これを目で追えないほどの高速で行っていきます

 そして今度は先ほどのシックスカウントの動きを素手で行ない、相手の攻撃に対応していきます。

 次は1本のスティックを使った「シングル・スティック」です。相手の攻撃を棒は棒で、手は手で止めた後、カウンターで相手のボディや足、顔面に攻撃を入れます。

 受け止める動きの後は、相手からスティックを取り除く「ディスアーム」を習得します。見本を見せてくれた中村師父(写真右)はいとも簡単にスティックを奪ってみせますが、筆者はなかなか奪うことができません。一見簡単そうに見えて、やってみると難しさがよくわかります。

▲相手の持っているスティックをつかみ、自身のスティックとクロスさせ、テコの原理で「ディスアーム」させる

 そしてその次は、1番難しかった「ナイフ術」を学びます。これは例えば路上でナイフを持った変質者に遭遇した際など、実戦で役立つ技術です。稽古で使用したのは切れないナイフですが、本番では本物のナイフで対応しなくてはいけません。

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