フィットネス
2025年3月24日

「割れた腹筋」を作る最短ルートは?トレーナーが語る、最速で腹筋を割る方法 (1/2)

「割れた腹筋」は、誰もが理想の体として挙げるポイントのひとつです。しかし、割れた腹筋を手に入れるのは想像以上に困難です。なぜなら、ただやみくもに運動していても、割れた腹筋は作ることはできないからです。最速で腹筋を割りたいなら、腹筋を割る方法を優先的に実践していく必要があります。

今回は割れた腹筋を作るための戦略を、プロのスポーツトレーナーが解説します。

腹筋運動「だけ」ではお腹は割れない

腹筋を割るために腹筋運動を頑張っている人も多いはず。しかし、腹筋運動をやればお腹が割れるというのは間違いです。

なぜなら、腹筋の構造自体は、生まれたときから6つに分かれたシックスパック(人によっては8つのエイトパック)になっているからです。

もし今、皆さんの腹筋が割れていないのであれば、その原因は腹筋の上に蓄積している皮下脂肪。割れた腹筋が皮下脂肪に埋もれて、見えていないだけなのです。

割れた腹筋を手に入れるポイントは「体脂肪率」と「腹筋の厚み」

割れた腹筋を最速で手に入れるためには、いくつかのポイントがあります。

まず体脂肪率を下げる

腹筋を割るための第一歩は、体脂肪を減らすことです。

先ほど説明した通り、どんなに筋肉が肥大しても、筋肉の上にある皮下脂肪が厚ければ、割れた腹筋はいつまでたっても現れてきません。逆に筋トレをしなくても、皮下脂肪が少なければ割れた腹筋が見えるようになります。

痩せている人は皮下脂肪が薄いため、運動をしていなくてもシックスパックになっているはずです。

次に腹筋の厚みをつける

体脂肪率を下げるのと並行して、腹筋の厚みをつけることも大事です。

腹筋も他の筋肉同様、鍛えれば太くなっていくため、筋肉を肥大させることでこのシックスパックの凹凸がくっきりして、割れた腹筋が強調されます。

体脂肪が少なくてうっすら割れて見えるようになったら、積極的に筋トレを行い、筋肉を肥大させることで、よりはっきりとしたシックスパックを作ることができます。

MELOS公認トレーナー・冨田さんの腹筋

体脂肪率を下げるための方法はやはり「有酸素運動」

では、腹部の体脂肪を下げるための、おすすめの方法を紹介していきましょう。

部分痩せはできないので、全身痩せを目指す

誰もが気になる腹部だけの脂肪を減らしたいと思うことでしょう。

しかし、体脂肪は部分的に減らすということができません。そのため腹部の体脂肪を減らそうと腹筋運動をしても消費カロリーは少なく、体脂肪減少効果は低いのです。

全身を動かす運動で、体全体から体脂肪を減らす必要があります。

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有酸素運動は脂肪を減らすためにはマスト

体脂肪を減らすには、有酸素運動が欠かせません。

有酸素運動で使われるエネルギーは脂肪。脂肪は体内に多く蓄積されているため、エネルギー切れを起こす心配がなく、強度が低い有酸素運動であれば長時間運動を続けられるため、脂肪燃焼に適しています。

有酸素運動を効果的に行うには、過去記事「なぜ有酸素運動はダイエットに効果的なのか。脂肪燃焼のメカニズムとは」を参考にしてみてください。

筋トレ×有酸素運動で脂肪燃焼の効率アップ

筋トレの目的は、筋肉量を増やすこと。筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がり、エネルギーを消費しやすい体になります。

ただ、筋トレは消費カロリーがそれほど多くないので、運動中の脂肪燃焼については、効率が良いとはいえません。

しかし、筋トレと有酸素運動を組み合わせた場合、有酸素運動だけの場合よりも脂肪燃焼効果を高めることができるのです。

■筋トレ後は脂肪が燃焼しやすいタイミング

筋トレが終わったあとの数時間は代謝が高い状態が続くうえ、脂肪の分解を促す「成長ホルモン」の分泌が活発になります。

筋トレを行い、成長ホルモンを多く分泌させることで、蓄積されている体脂肪が分解されて血中に流れ込み、燃焼されやすい「遊離脂肪酸」という形に変化します。

そのタイミングで有酸素運動を行うことで、効率よく脂肪を燃焼させることができるのです。

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タバタトレーニング・HIITで脂肪燃焼を高める

脂肪燃焼に効果的なプログラムとして、タバタトレーニング(TABATA PROTOCOL)やHIIT(High Intensity Interval Training)が挙げられます。

タバタトレーニングは、ハードなエクササイズを20秒→休息10秒を繰り返し6~7セット行う方法です。

タバタトレーニングのようにハードな運動と休憩を短時間に交互に連続して繰り返す方法をHIITと呼びます。この運動&休憩の組み合わせが、効果を出すポイントです。

タバタトレーニングやHIITのエクササイズは、自重でできるものも多いため、自宅でも実践することができます。

 

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食事コントロールで摂取カロリーを抑える

体脂肪を減らすためには、運動と並行して食事のコントロールも行う必要があります。

ただし、体脂肪率を減らそうと、食事を抜くのはNG。食事を摂らずに体重を落とすと、体脂肪だけでなく筋肉も一緒に大きく減少させてしまい、リバウンドが起こる確率が高くなります。

食事コントロールの基本はたんぱく質を中心に、糖質と脂質を控えめにすることです。

また、食事回数を変える方法もあります。

3食で食べる量を4~6回に分けるなど、食事量は変えずに食事回数を増やすことで、血糖値の上昇を抑え、体脂肪の蓄積を防ぐことができます。

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腹筋の厚みをつける方法。カギは「腹直筋」

つぎに、腹筋自体の厚みをつける効果的な方法を紹介します。

腹筋に厚みをつけたい。どこの筋肉を肥大化させればいい?

割れた腹筋を作るには、「腹直筋」を肥大させる必要があります。

腹直筋は、腹部の正面、表面にある筋肉で、筋肉の間に縦に走っている“白線”と呼ばれる線維と、横に走っている“腱画”と呼ばれる腱性線維が走行しています。白線と腱画が交差していることによって、腹直筋は割れて見えるのです。

腹直筋を肥大させると、白線・腱画と筋肉の凹凸がはっきりし、くっきりと割れて見えるようになります。

腹直筋を筋肥大させる方法。「筋トレ種目」と「負荷」が重要である

腹直筋は上部と下部を分けてトレーニングする

腹直筋をトレーニングする際は、「上部」と「下部」に分けてメニューを組むとよいでしょう。

腹直筋は、肋骨から恥骨まで走行している長い筋肉です。上部はみぞおちからおへそあたりを指し、主に体幹部を屈曲させるときに力を発揮します。腹直筋下部は骨盤の前部あたりを指し、腹圧を高める働きを持っています。

そのため、エクササイズによって上部と下部の意識しやすい部分が変わります。どのエクササイズでも腹直筋全部刺激することができますが、どちらに効いているかを意識することで、より効果が高まります。

 回数をこなすより「キツさ(負荷)」が重要

ほかのエクササイズは10回×3セットで行っていても、腹筋は100回続けて行うというように、腹筋運動は、回数を重視して行っている人が多いのではないでしょうか。

しかし、その方法では筋肉は太くなりません。

筋肉を太くするには、他の部位同様に8~12回程度で限界になるような負荷が必要です。何百回もできるような方法は、負荷が軽すぎるため筋肥大には効率的ではありません。

腹筋もほかの筋肉と同じように、高負荷で行うことも必要です。

次:【男性版】腹筋を割る方法。理想の体脂肪率、筋トレ種目はこれだ!

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