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なぜ有酸素運動はダイエットに効果的なのか。脂肪燃焼のメカニズムとは

 体脂肪を減らして痩せるためには「有酸素運動」が効果的。もはや常識でもあり、皆さんもご存知でしょう。「有酸素運動って、どんな運動のこと?」と聞かれれば、ウォーキングやランニングなどは思い浮かぶものの、そのほかは詳しく答えられない方が多いかもしれません。

 こでは、そんな有酸素運動の基礎知識を解説します。有酸素運動とは何なのか、無酸素運動との違い、運動効果をきちんと出すためのポイントを学んでみましょう。

「有酸素運動」と「無酸素運動」の違いとは

 運動は、大きく分けると「有酸素運動」と「無酸素運動」の2つがあります。有酸素運動にはウォーキングやジョギング、水泳、エアロビクスなど、無酸素運動には重量挙げや短距離走、ウエイトトレーニングなどが挙げられます。

 では、有酸素運動と無酸素運動は何を基準に分かれるのでしょうか。呼吸しながら行う運動が有酸素運動、呼吸せずに行う運動が無酸素運動とイメージするかもしれませんが、そうではありません。

エネルギー代謝において酸素を利用しないのが無酸素運動

 カラダを動かすためにはエネルギーが必要です。エネルギー物質であるATP(アデノシン三リン酸)は体内に貯めておくことができないうえ、数秒間で枯渇します。そのため、その他のエネルギー源を使いながらATPを再合成し、生成し続ける必要があるのです。

 有酸素運動と無酸素運動の違いは、運動中にカラダを動かすエネルギー物質であるATPを作り出す過程において、酸素を使うか使わないかということで分けられます。

無酸素運動は短時間しかエネルギーが持たない

 筋肉内にあるATPを消費して行う運動や、体内のグリコーゲンを使い消費されたATPを新たに作り出してカラダを動かすものが無酸素運動です。しかし筋肉内にあるATPは7秒ほどで消費され、グリコーゲンを使ってATPを生成しても30秒程度で使いきってしまうなど、短時間しかエネルギーが持ちません。

 これら2つのエネルギー代謝は、ATPを作り出す過程において酸素が不要です。

有酸素運動は長時間エネルギーを生み出しながら行う

 一方で有酸素運動は、エネルギーを作り出す際に酸素を利用します。エネルギーを生み出す材料は脂肪です。正確にいうと、運動開始直後は血中にある脂肪酸がエネルギーとして使われます。

 血中の脂肪酸が少なくなってくると、カラダに蓄積されている体脂肪が分解され、脂肪酸に変化。そして血中に流れ込むというサイクルでATPを生成し続けます。

 有酸素運動が体脂肪の減少に効果的であるといわれるのは、このエネルギー代謝によって脂肪が燃焼されるためなのです。

なぜ有酸素運動が脂肪燃焼に効果的なのか

 有酸素運動は脂肪をエネルギーとして消費するほか、運動を長時間続けることができるという点も、ダイエットに適している理由でしょう。

 有酸素運動で使われるエネルギーは、体内に多く蓄積されている脂肪です。そのため、無酸素運動に比べより多くのATPを作り出すことができ、エネルギー切れを起こすことなく長時間動き続けることができます。

 どんなにハードな運動でも、短時間しか行わなければエネルギーはほとんど消費されません。長時間行うことによって消費エネルギーが増え、脂肪燃焼につながるのです。

有酸素運動の効果を高めるなら「目標心拍数」をチェック

 有酸素運動で効率よく脂肪を燃焼させたいのであれば、運動中の心拍数を活用するとよいでしょう。脂肪燃焼に効果的な心拍数の目安の設定は、最大心拍数から計算する方法と、カルボーネン法から計算する方法があります。

最大心拍数から簡単に計算する場合

 一般的に最大心拍数は【220-年齢】と言われています。ですが、実はその計算方法に科学的根拠は示されてはいません。そこで、数多くのデータから検証された方法である【208-0.7×年齢】という方法で計算することをオススメします。

例)30歳の場合:208-(0.7×30)=187

 これが最大心拍数です。有酸素運動で脂肪燃焼の効果を出しやすいのは、最大心拍数の60%程度と言われています。そのため、この最大心拍数の60%が目標心拍数となるわけです。

187×0.6=112

 最大心拍数から設定する方法の場合は、112前後の心拍数が効果的ということになります。

カルボーネン法を使用した目標心拍数

 カルボーネン法という方法で目標心拍数を調べる場合、以下の式で計算する必要があります。

(最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数

 安静時心拍数は、平常時に手首の脈を10秒間測定し、その数を6倍すると簡単です。運動強度には体力がある人なら 0.5 〜 0.7 、体力のない人は 0.4 〜 0.5 を入れて計算してみましょう。たとえば30歳で安静時心拍数が60なら、以下の通りです。

(187-60)×0.5+60=123

 カルボーネン法の場合、123前後の心拍数が脂肪燃焼に効果的ということになります。

 上記2つの方法で計算した目標心拍数を踏まえると、30歳の場合であれば、大体110~125くらいの心拍数が脂肪燃焼に効果的ということ。体力・体格・性別・運動内容など他の要素も関わってきますので、必ずその数値でなくては効果が少ないということではありません。あくまでも、参考として活用してください。

関連記事:マラソン練習に役立つ「心拍トレーニング」とは。心拍数・LT・VO2MAXの計算方法とおすすめトレーニング

 運動中の心拍数は、スマートウォッチなどのハートレートモニター付きの機器を活用した方が楽です。機器がない場合は安静時心拍数を図るときのように、10秒間の心拍数を図り6倍する方法で確かめましょう。

 ここで紹介した内容は、あくまでも簡単な説明です。しかしこれを知っているだけでも、どんな運動が有酸素運動になるのか分かり、脂肪燃焼の効果を高めることにもつながるはずです。

[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
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<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>

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