
なぜ「有酸素運動」はダイエットに効果的?脂肪燃焼のメカニズム (2/2)
- 健康
- 2020年12月7日
有酸素運動の効果を高めるなら「目標心拍数」をチェック
有酸素運動で効率よく脂肪を燃焼させたいのであれば、運動中の心拍数を活用するとよいでしょう。脂肪燃焼に効果的な心拍数の目安の設定は、最大心拍数から計算する方法と、カルボーネン法から計算する方法があります。
最大心拍数から簡単に計算する場合
一般的に最大心拍数は【220-年齢】と言われています。ですが、実はその計算方法に科学的根拠は示されてはいません。そこで、数多くのデータから検証された方法である【208-0.7×年齢】という方法で計算することをオススメします。
例)30歳の場合:208-(0.7×30)=187
これが最大心拍数です。有酸素運動で脂肪燃焼の効果を出しやすいのは、最大心拍数の60%程度と言われています。そのため、この最大心拍数の60%が目標心拍数となるわけです。
187×0.6=112
最大心拍数から設定する方法の場合は、112前後の心拍数が効果的ということになります。
カルボーネン法を使用した目標心拍数
カルボーネン法という方法で目標心拍数を調べる場合、以下の式で計算する必要があります。
(最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数
安静時心拍数は、平常時に手首の脈を10秒間測定し、その数を6倍すると簡単です。運動強度には体力がある人なら 0.5 〜 0.7 、体力のない人は 0.4 〜 0.5 を入れて計算してみましょう。たとえば30歳で安静時心拍数が60なら、以下の通りです。
(187-60)×0.5+60=123
カルボーネン法の場合、123前後の心拍数が脂肪燃焼に効果的ということになります。
上記2つの方法で計算した目標心拍数を踏まえると、30歳の場合であれば、大体110~125くらいの心拍数が脂肪燃焼に効果的ということ。体力・体格・性別・運動内容など他の要素も関わってきますので、必ずその数値でなくては効果が少ないということではありません。あくまでも、参考として活用してください。
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運動中の心拍数は、スマートウォッチなどのハートレートモニター付きの機器を活用した方が楽です。機器がない場合は安静時心拍数を図るときのように、10秒間の心拍数を図り6倍する方法で確かめましょう。
ここで紹介した内容は、あくまでも簡単な説明です。しかしこれを知っているだけでも、どんな運動が有酸素運動になるのか分かり、脂肪燃焼の効果を高めることにもつながるはずです。
[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
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<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>