マラソン大会前に"疲れる練習”は禁物。コンディションを整える「調整トレーニング」│東京マラソン完走HOW TO #2 (1/2)
ランナーの皆さん、調子はいかがでしょうか? インフルエンザの流行など体調不良も目立つ季節ですので、健康管理にはくれぐれもご注意ください。
大会前は、いつもと違ったトレーニング内容を組んでいる方が多いかもしれません。30km走で調子を確かめたり、少しでも走力を上げようと追い込んだり。逆に本番前は、ほとんど走らず脚を休めるなんていう方もいるのではないでしょうか。
レースで100%の力を発揮したいのであれば、“調整トレーニング”の実施をオススメします。ここではその理由と、具体的なポイントについて解説していきましょう。トレーニング計画を組む際の参考になるはずです。
調整トレーニングの目的とは
調整トレーニングとは本番に100%の状態を持っていくため、コンディションを整えながら行うトレーニングです。
そのため、ただ闇雲に走れば良いというものではありません。疲労を抜き、精神面を安定させ、シューズなどを含めた準備を整える。心身の状態のみならず装備までを含め、万全の状態を作るのが調整トレーニングです。
いつもと同じトレーニングをして本番を迎えると……
いつも通りのトレーニングを重ね、その延長として大会本番を迎えた場合。疲労は抜けておらず、気持ちは練習モードのままかもしれません。
とはいえ、ただトレーニング強度を落として疲労回復を図れば良いというわけではありません。筋力・体力が低下してしまえば、パフォーマンスが下がってしまいます。そして、その実感は「いつもの走りができないかも」という不安に繋がり、走りに自信を持てなくなるでしょう。
基本は「質を落とさず負荷を下げる」
具体的なトレーニング内容は、調整に入る時点での疲労具合など状態によって異なります。基本となるのは「質を落とさず負荷を下げる」こと。
ジョギングなどを中心としながら1000mのダッシュなど刺激となる練習を交えつつ、コンディションを整えます。
私は自分に合った調整トレーニングを持っており、勝負レースではいつもそれに沿って練習を組み立ててきました。「前日は走らない」、「1週間前に1〜2kmのショートでスピードのある練習を入れる」といった具合です。
ただしこれは私が競技経験から見出したオリジナルの方法であり、万人に共通するものではありません。自分に合った調整トレーニングの方法は、何度か試行錯誤する中で見つかってくるはずです。
それでは、具体的にどうやって調整トレーニングを行えば良いのでしょうか。
調整トレーニングの実践ポイント
1.体重のコントロール
人にはそれぞれ、もっとも高いパフォーマンスを発揮できる適正体重があります。
身体が軽く、しかしエネルギー循環の効率の高い状態。分からなければ、過去に自己ベストを更新できた際の体重を目安にするのも良いでしょう。食事などから、本番で適正体重に戻せるようコントロールしましょう。
とくに調整でトレーニング負荷が下がると、消費エネルギーも同様に減ることが多いはず。それにも関わらず食事内容が同じでは、むしろ体重が増えてしまうかもしれません。
ただし、神経質になって急な減量を目指す必要はありません。むしろパフォーマンスが下がりますので、できる範囲でのコントロールを心がけてください。その際、体重だけでなく体脂肪率なども含めた視点で確認することが大切です。