フィットネス
2023年3月3日

経験者が語る!マラソン大会前日&当日朝の過ごし方│東京マラソン完走HOW TO #4 (2/2)

ウォーミングアップは“やり過ぎ”に注意

マラソン大会の会場へ行くと、皆さん思い思いにスタート前の時間を過ごされています。このタイミングで気になるのが、ウォーミングアップの方法ではないでしょうか。

会場周辺をジョギングしたり、仲間と会話しながらストレッチしたり。中にはダッシュしている人など、ウォーミングアップの仕方は実にさまざまです。

ウォーミングアップでは動きすぎに注意

ウォーミングアップの目的は走ることではなく、身体を温めて動ける状態を作ること。ここで走り過ぎ、疲労してしまっては意味がありません。

前列からいきなり全力でスタートするシリアスランナーを除き、スタート直後は思うようなスピードで走れないでしょう。

東京マラソンとなれば、スタートまで10分以上かかる……なんていうことも。これでは事前にジョギング等で身体を温めても、走る頃にはもとに戻ってしまいます。

肩甲骨や股関節などを大きく動かすだけでOK

私の場合、スタート前はほとんど走りません。ウォーミングアップはランニングドリルなど、比較的ゆるやかな運動で少しずつ身体を温めます。

肩甲骨や股関節などを大きく動かしておくだけで十分なウォームアップになるほか、筋肉がほぐれることで動きが良くなるはずです。走る場合でもウィンド・スプリント(流し)を軽く2〜3本、調子を確認するために行います。

あとはスタート直前まで、定期的に筋肉を揉んだり擦ったり。あるいは関節部を動かしながら、温まった身体が冷えないように努めるといった具合です。

スタート直後がウォームアップになる

前述の通り、スタート直後は思うように走れません。集団で混雑し、周囲に合わせざるを得ないでしょう。

実力より速いグループに入ってしまわない(実力以上のタイム申告をしない)限り、2〜3kmはかなりゆったりとしたペースで走ることになります。そのため、わざわざウォーミングアップで走らなくても、この2〜3kmがその代わりを果たしてくれるはずです。

走る前のストレッチはマストではない

もうひとつ、走る前のストレッチは個人的にオススメしません。ストレッチは筋肉を伸ばしますが、伸び切った筋肉は伸縮せず、かえって走りにくくなるためです。

ウォーミングアップはいくつかパターンを考え、事前にトレーニングで試してみると良いでしょう。どんなウォーミングアップを行った後が、もっとも走りやすく感じるか。検証のうえで決めたウォーミングアップなら、気持ちのうえでも自信を持って走り出せるものです。

大会前日や当日朝は緊張するもの。それは仕方のないことですし、無理に緊張を鎮める必要はありません。ただし緊張のあまり、食べ過ぎたり寝不足になったり、直前に動き過ぎたりしないように注意しましょう。

ここでご紹介したポイントを参考にしながら、最高の状態でスタートの瞬間を迎えてください。

《東京マラソン完走HOWTO》をもっと見る

《筆者プロフィール》
三河 賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text:三河賢文>

1 2