フィットネス
2024年10月11日

腹筋の正しい鍛え方。頻度と回数、部位別のトレーニングメニュー

「ぽっこりおなかや、プヨプヨの贅肉をどうにかしたい」と思ったことはありませんか。

バキバキに割れた腹筋とまではいかなくても、キュッと引き締まったお腹には憧れますよね。

おなかの引き締めといえば、腹筋のトレーニングというイメージですが、せっかくやるなら正しいフォームで効率的に鍛えたいところ。

今回は、腹筋を部位ごとに分けて、部位別の筋トレメニューと、効率的なトレーニングの方法を紹介します。

解説は、ヨガインストラクターの高橋かなこさんです。

腹筋のおもな部位は3つ

腹筋はおもに3つの部位に分かれており、別々の役割を果たしています。まずは腹筋の種類についてみていきましょう。

お腹の中心にある“腹直筋”

腹直筋は腹部の中心に縦に走る長い筋肉で、いわゆる「シックスパック」として知られている筋肉です。

からだを前に曲げたり背中を丸めるとき使われ、体幹を安定させる役割を担っています。

重いものを持ち上げるときや、姿勢を維持するときにも使われるため、日常生活の動作に欠かせない筋肉のひとつといえます。

腹直筋を鍛えることで、腰痛の予防や改善、スポーツや日常の活動でのパフォーマンス向上に加え、姿勢の維持もしやすくなる効果が期待できます。(※1)

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お腹の側面にある“内腹斜筋と外腹斜筋”

内腹斜筋と外腹斜筋は、腹部の側面に位置する筋肉です。外腹斜筋は、表層にある筋肉で、肋骨から骨盤に向かって斜めに走っています。

この筋肉は、からだを前方に曲げたり回旋させたりするときに使われます。また、呼吸のときに胸郭を引き下げて息を吐き出す手助けもしてくれます。

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一方、内腹斜筋は外腹斜筋の下層にある筋肉です。この筋肉も体幹の回旋のときに使用されますが、とくにからだを回旋させる動作に使われます。

これらの腹斜筋には、腹直筋とともに体幹を固定する働きがあります。姿勢を保つうえで重要な筋肉のひとつです。(※4)

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インナーマッスルの“腹横筋”

腹横筋は腹部の最も深層に位置する筋肉で、内腹斜筋に覆われており、いわゆるインナーマッスルと呼ばれる部分のひとつです。

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呼吸と大きな関わりがあり、腹式呼吸において息を吐いたり、腹腔内部を圧迫しておなかを凹ませるときに使われます。

天然のコルセットと呼ばれ、鍛えることでウエストの引き締め効果が期待できます。

また、内臓を覆っている筋肉であるため、腰痛の予防や便秘解消のために鍛えるのもおすすめです。(※3)

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腹筋のトレーニング、最適な頻度と回数は?

週3〜4回の頻度がおすすめ

腹筋のトレーニングの適切な頻度は、個人の目標や体力にもよりますが、一般的には週3〜4回とされています。ただし、部位を変えて行う分には毎日でもOKです。

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ポイントは、適切な休息をとること。休息日を設けることで、超回復を効果的に利用して、効率よく筋力アップができるでしょう。

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1回のトレーニングでは、適正回数を3セット

また、高い効果を得るためには、反復できなくなる限界まで行うこともポイントです。この回数がいわゆる「適正回数」です。

トレーニングを行う際は、1〜3分のインターバルを設定して「適正回数」を3セットほど行いましょう。

全てのセットで限界まで追い込むのがツラい場合は、3セット目ではじめて限界がくるように調整してもOKです。

腹筋の部位別トレーニング、3メニュー

腹筋の種類、トレーニング頻度と回数の目安がわかったところで、ここからは具体的なトレーニング方法をご紹介します。

腹筋の部位ごとに解説しますので、全部試してみるのもよし、気になる部位だけ始めてみるのもよし。続けられる範囲で実践してくださいね。

腹直筋を鍛える“シットアップ”

シットアップのやり方

1.仰向けになりひざは90度に曲げ、両腕は胸の前でクロスするか、後頭部に添える

2.反動をつけずに上体を起こす

みぞおちを中心に、背中を丸めながら起き上がります。背中を伸ばしながら起き上がると、腰を痛める可能性があるので注意が必要です。

また、上半身を完全に起こすのが難しい場合は、肩甲骨が床から浮く程度でもOK。ほかの人に補助で足を抑えてもらうのもおすすめです。

適正回数で3セット行いましょう。

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内腹斜筋・外腹斜筋を鍛える“ツイストレッグレイズ”

ツイストレッグレイズのやり方

1.仰向けになり、両手を横に伸ばす

2.両脚を揃えて、ひざを伸ばしたまま床と垂直になるように持ち上げる

3.両脚を側方へ倒して背中をひねり、脚が床にギリギリつかないところまで倒す

4.反対側にも同じようにひねる

両脚の重さで背中を強くひねり、腹斜筋を強化する筋トレです。両脚を上げたまま、振り子のように左右に振ります。

脚を倒すときに、両方の肩が床から浮かないように注意しましょう。適正回数で3セット行ってください。

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腹横筋を鍛える“ドローイン”

ドローインのやり方

1.姿勢を正してイスに座る

2.ゆっくり息を吐きながら下腹をへこませる

3.下腹をへこませたまま30秒程度キープ、呼吸が止まらないよう自然な呼吸を繰り返す

4.おなかの力を抜いて緩める

2〜4を繰り返しましょう。

効果を引き出すポイント

イスに座るときは以下の3点を意識しましょう。重心が偏らず、姿勢をまっすぐ保つことができます。

  • 足の裏全体をしっかり床につける
  • ひざと腰の角度は90度
  • あごを引いて肩の力を抜く

このトレーニングは立ったままでもできるので、通勤電車の中やちょっとしたスキマ時間に実践してみてください。また、寝転がった状態でも行えます。

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腹筋トレーニングの効果を上げる、3つのポイント

せっかくトレーニングするのであれば、効果を最大限高めたいもの。 3つのポイントを紹介しますので、ぜひ意識しながらやってみてください。

鍛える部位の支点を意識する

筋トレやエクササイズを行う際に、からだのどの部分が動作の支点(動きの中心点)になっているかを意識しましょう。

シットアップではお尻、ツイストレッグレイズでは腰、ドローインでは腰と足が支点になります。

この意識を持つことで、鍛えたい筋肉に正確に負荷をかけることができ、また正しいフォームの維持もできて、ケガの予防になります。

負荷は少しずつ上げる

筋肉は長期間同じ負荷をかけていると慣れてしまい、成長が停滞してしまいます。これを防ぐために、トレーニングの負荷は徐々に上げていきましょう。

たとえば、自重での筋トレに慣れてきたら、トレーニング機器を使ったり、難易度の高いエクササイズを取り入れたりすることで、筋肉に新たな刺激が入ります。

筋繊維が再び損傷し、修復される過程で筋肉が強くなり、トレーニング効果が向上するのです。

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また、負荷を徐々に上げることでケガのリスクも減少します。

早く成果を出したいからといって、初めからエンジン全開で行うのはおすすめできません。

とくに、普段運動をしない人が急にからだに負荷をかけてしてしまうと、ケガやからだを痛めてしまう可能性があります。

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段階的に負荷を増やすことで、からだがその負荷に適応しやすくなります。焦らずゆっくり進めていきましょう。

たんぱく質とアミノ酸を摂る

筋トレの効果を高めるためには、たんぱく質とアミノ酸を適度に摂取してください。

トレーニングで損傷した筋繊維を修復し、強い筋肉にするには、十分なたんぱく質が必要です。また、必須アミノ酸は筋たんぱく質の合成を促すめ、筋肉の増強に役立ちます。

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トレーニング後にたんぱく質やアミノ酸を摂取することで、筋肉の回復を早め、次のトレーニングに備えられます。なお、運動したすぐあとの摂取が理想です。

肉や魚などの食材から摂ることも可能ではありますが、効率的に摂取したい場合は、プロテイン飲料やサプリメントを活用してみましょう。(※2)

腹筋トレーニングで効果を出すためには、継続が大切

筋トレは継続して行うことで、徐々にからだが変わってきます。効果的な方法で一定期間トレーニングを続けていきましょう。

無理せずにできる範囲で続ける

腹筋のトレーニングを始める際は、今回ご紹介した方法をぜひ試してみてください。無理のない範囲で、できそうなトレーニングからやってみてくださいね。

監修者プロフィール

ヨガインストラクター
高橋かなこ(たかはしかなこ)


2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとして幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。

自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

参考
(※1~3)株式会社ナツメ社 石井直方監修 荒川裕志著「筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト辞典」
(※4)名古屋大学大学院生命農学研究科 下村吉治著「運動後の筋タンパク質合成のためのタンパク質・アミノ酸栄養」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/62/1/62_16/_pdf