なぜ「夜中に目が覚める」と良くないのか?“睡眠不足になるから”…ではない!
夜中に目が覚めて、眠れない悩みはありませんか? 夜中に目が覚めても、すぐにまた寝付けたり、生活に支障を生じたりしていなければあまり気にすることはありません。しかし、夜中に何度も目が覚める、再入眠がむずかしい「中途覚醒」は注意が必要です。
なぜ「夜中に目が覚める」と良くないのでしょうか。
以前出した、睡眠専門家・梶本修身先生による「睡眠チェックリスト」(リンナイ調べ:熱と暮らし通信 疲労と睡眠に関する意識調査より)を元に解説します。
[プロフィール]
梶本修身先生
東京疲労・睡眠クリニック院長・医師・医学博士大阪外国語大学(大阪大学)保健管理センター准教授、大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授等を歴任。産官学連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」では統括責任者を務める。著書「すべての疲労は脳が原因I・II・III」は累計20万部を突破するベストセラー。現在、「ホンマでっか!?TV」他、数多くのメディアで活躍中。
「夜中に目が覚める」がよくない理由
睡眠の質は、眠り始めの90分で決まると言われています。
眠りには「レム睡眠」(身体は眠っているが脳は働いている状態)と「ノンレム睡眠」(身体も脳も眠っている状態)があります。
寝付いた後、まず訪れるのがノンレム睡眠で、最初の90分は睡眠全体の中でもっとも眠りが深い「ゴールデンタイム」と呼ばれているからです。
眠り始めの90分で脳の老廃物を流している
ゴールデンタイムの間に一日の記憶を整理したり、ノンレム睡眠時には脳に溜まった老廃物を洗い流しているとされています。
これが不足していると認知症になりやすいという研究結果も、ここ5~6年で明らかになっています。
一晩でレム睡眠とノンレム睡眠を4~5サイクルほど繰り返し、明け方に近づくにつれて眠りは浅くなっていきます。
そのため、最初の90分または3時間でしっかり深く眠ることが、睡眠の質を上げる最大の鍵なのです。
<Edit:編集部>