2023年10月10日

実はNGな睡眠パターン「ふとんに入ったら5分以内に眠れる」「アラーム大音量」… (1/2)

リンナイ株式会社から出された、睡眠専門家・梶本修身先生による「睡眠チェックリスト」と正しい睡眠法をご紹介しました(リンナイ調べ:熱と暮らし通信 疲労と睡眠に関する意識調査より)。

今回は、チェックリスト項目を元に、NG睡眠パターンを見ていきます。解説は睡眠専門家・梶本修身先生です。

[プロフィール]
梶本修身先生
東京疲労・睡眠クリニック院長・医師・医学博士大阪外国語大学(大阪大学)保健管理センター准教授、大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授等を歴任。産官学連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」では統括責任者を務める。著書「すべての疲労は脳が原因I・II・III」は累計20万部を突破するベストセラー。現在、「ホンマでっか!?TV」他、数多くのメディアで活躍中。

NG1「平日の睡眠は6時間未満」

理想とされる睡眠時間は個人差があるので一概に何時間とるべきとは言えませんが、一般的には疲労を回復させたいなら最低6時間は確保したいもの。

もし、睡眠時間が十分だと思っていても、朝から眠いようなら質のいい睡眠がとれていない証拠です。

NG2「目覚ましは大音量」

朝の目覚め方も睡眠の質を左右します。

すぐに目が覚めるよう、大きな音でアラームを鳴らしていませんか? 突然の大きな音で起こされると、一気に交感神経が緊張し心拍数や血圧が上昇します。起床直後は自律神経機能も完全に目覚めていないため、立ち眩みや不整脈、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります。

朝の目覚めは、副交感神経優位から交感神経優位にゆっくりと移行させてあげることが大切。熟睡感を得るうえでも、驚かされて起きるのではなく、自然の音を低音量から少しずつ大きくしていく、また音ではなく光で起きることが最も理想的です。

NG3「午前中に眠くなる」

自分が十分に睡眠をとれているかを確認するために注目すべきなのは「日中の眠気」と「日中の体調やパフォーマンス」です。

わかりやすいのが「起きて4時間後の眠気と体調・パフォーマンスをチェックすること」。この時間が大事な理由は、起きて4時間後くらいは一番覚醒していなければいけない時間帯だからです。

次の3点もチェックポイントとなります。

  • 朝起きたときに眠気、だるさがある
  • 夜、寝落ちしてしまう
  • 電車やバスで次の駅・停留所に着くまでに眠っていることがある。または飛行機の離陸前に寝てしまう

NG4「休日は朝遅くまで眠る」

慢性の睡眠不足で睡眠負債を起こしている場合、その負債を返済するためにいつもより長く眠ることは有効な手段のひとつです。

ただ、休日に寝貯めしても貯金は出来ないので、平日も睡眠時間をしっかり確保する必要があります。

また、休日の起床時刻が遅くなると夜に生理的に眠気を催す時刻も遅くなりがちです。休日、長時間眠りたいときは、体内時計のリズムを狂わせないよう、起床時刻は変えず、前夜の就寝時刻を早めるようアドバイスしています。

NG5「眠る直前までスマホを見ている」

光も睡眠の質を左右します。就寝前の1時間は脳を興奮させてはいけません。布団の中でスマホを見るのも絶対にNG。光や情報の刺激で脳が覚醒してしまうのです。

とくに青色LEDは、睡眠を促すホルモン・メラトニン生成へ悪影響が2倍になります。タブレット端末での読書は紙の読書に比べてメラトニンの分泌を20%抑え、分泌が最大3時間遅くなったという研究結果もあります。

青色LEDは照明、パソコン、スマホ、タブレット、テレビの画面などに使われているので注意しましょう。

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