
腹筋が割れてるのにぽっこりお腹、なぜ?男性・女性別の原因と効く対策 (2/2)
男性に多いぽっこりお腹の原因と対策
男性は内臓脂肪がつきやすく、体幹トレーニングの誤用で腰まわりが太く見えやすい特徴があります。
それぞれの原因を理解し、効果的な対策を取り入れましょう。
ビール腹・内臓脂肪型の肥満
ビールやアルコールの摂取習慣は内臓脂肪を優先的に増やします。内臓脂肪は落ちやすいものの、放置するとお腹全体の厚みが増し、割れたラインを隠してしまいます。
対策として有酸素運動を週3回、30分以上行いましょう。ジョギングやサイクリング、階段昇降など、大筋群を動かす種目が効果的です。
食事では糖質を減らして、たんぱく質と食物繊維を意識的に摂ることが内臓脂肪の減少を助けます。
体幹トレーニングの誤用による「電柱」体型
プランクなど体幹トレーニングだけを続けると、腹部と腰まわりの筋肉が肥大しやすいです。筋肉の厚みが増すと、くびれが細く見える一方でウエストが太く感じられます。
対策としては全身のバランスを考えたトレーニングを取り入れましょう。たとえばスクワットやデッドリフトで下半身を動かし、体幹は呼吸連動のドローイングで深層筋を刺激します。ストレッチやフォームローラーで筋膜をほぐし、腰まわりの張りを和らげることも効果的です。
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女性に多いぽっこりお腹の原因と対策
女性はホルモンバランスの変化や出産などで、体内のバランスが崩れやすく、インナーユニットの機能低下も起こりやすいです。それぞれの原因に合った対策を行うことで、くびれのあるウエストを取り戻しやすくなります。
下腹部集まるむくみ
プロゲステロンが増える生理前や更年期は、体内に水分が溜まりやすくなります。むくみが下腹部に集まると、筋肉のラインが隠れてぽっこりお腹に見えやすくなります。
対策としては、利尿作用のある食材(きゅうりやアスパラガスなど)を摂りましょう。さらに、軽めの有酸素運動(ウォーキングやゆるいジョギング)で血流を促すことも効果的です。
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インナーユニットの弱化
出産後や姿勢の乱れにより、腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群・横隔膜が連動しにくくなると、深層筋が働かず下腹部がたるみます。インナーユニットが弱いままだと、表面の腹直筋が割れていても下腹部はぽっこり残ります。
対策としてピラティスや骨盤底筋トレーニングを週2~3回行いましょう。ドローインで息を吐き切りながらお腹を凹ませる動作を5~10秒キープし、呼吸連動で深層筋をしっかり刺激します。
インナーユニット:体幹を安定させて、姿勢を保つために重要な腹腔を囲む4つの筋肉(腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群・横隔膜)の総称
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共通してやるべき3つのポイント
体型改善には部分痩せの誤解を捨てて、土台を整え、呼吸を味方にすることが大切です。今日から取り入れやすい3つの習慣を紹介します。
部分痩せの誤解を捨てる
動かしている部位だけ脂肪が落ちる仕組みというのはありません。腹筋運動やプランクでは消費エネルギーが小さく、脂肪燃焼には不十分です。有酸素運動で大きな筋肉を動かし、全身の脂肪を分解することを優先しましょう。
骨盤リセットで下腹部の突出を防ぐ
骨盤の後傾は下腹を前方へ張り出させる要因です。ハムストリングスや腸腰筋をゆるめるストレッチを習慣にすると、骨盤が正しく立ちやすくなります。正しい骨盤位置になることで、ウエストラインをすっきり見せる土台ができます。
呼吸×体幹トレーニングで深層筋を活性化
腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋が連動する「インナーユニット」を意識しましょう。ドローインで息を吐き切り、お腹を凹ませた状態でプランクやバリエーションを行うと、深層筋に効率よく刺激が入ります。
呼吸連動の習慣が定着することで、姿勢改善と脂肪燃焼の両面で効果が高まります。
腹筋周りに関するQ&A
お腹周りの疑問を解消して、取り組みのヒントをお届けします。日常のトレーニングや食事管理にすぐ役立つ回答を用意しました。
Q1. 腹筋運動ばかりでお腹がへこまないのはなぜ?
腹筋運動は腹直筋を鍛えるものの、消費エネルギーは少ないです。脂肪燃焼には、大きな筋肉を動かす有酸素運動や食事管理が欠かせません。
たとえばプランクやシットアップは1回あたりの消費カロリーが低く、毎日続けても脂肪はほとんど減りません。全身の脂肪を分解する仕組みを活かすためにも、ジョギングや階段昇降などを組み合わせましょう。
Q2. 内臓脂肪と皮下脂肪はどう見分ける?
内臓脂肪はおへそまわりをつまんだ際に硬さを感じにくく、比較的ふんわりとした厚みがあります。
一方、皮下脂肪はつまむと柔らかく、皮膚のすぐ下で厚みを感じやすいです。また内臓脂肪は性別や年齢でつきやすさに差があり、男性は内臓脂肪がつきやすいため、比較的早く減少を実感しやすい傾向があります。
Q3. 下腹だけが気になる場合の対処法は?
下腹部は皮下脂肪がつきやすく、骨盤後傾でさらに前に張り出しやすい部位です。下腹部の脂肪を落とすには有酸素運動と食事管理が基本となります。
加えて骨盤リセットのストレッチが有効です。ハムストリングスや腸腰筋を伸ばすことで骨盤の後傾を改善し、下腹が出にくい姿勢をつくることができます。
監修者プロフィール
美容外科 SO グレイスクリニック院長
近藤惣一郎
医学博士(京都大学)
ロンリー侍ドクター
日本脳神経外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医
1988年 京大医学部卒
若返り専門の美容外科医。美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識が豊富で、自らもダンサーとして、プロフィッシングアングラー(DAIWA)として、若さとナイスボディを保ち続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/kondo.soichiro/
<Edit:編集部>