
ランニングの効果は脳にこそ大きい!集中力・記憶力・ストレス改善に効くと脳神経外科医が解説 (3/3)
脳への効果を高めるランニング方法
ただ走るだけでも効果はありますが、やり方を工夫するとさらに脳への良い影響を引き出せます。強度や時間帯、環境を意識して取り入れてみましょう。
適度な強度で走る
脳の活性化には中強度のランニングが適しています。目安は「会話ができる程度の余裕があるペース」です。心拍数なら最大心拍数の60〜70%(おおよそ120〜140程度)が望ましいとされています。
また、たとえ短時間(10分程度)の中強度のランニングでも、認知機能が向上するという研究結果があります。30分続ければさらに脳の活性化が促されるとされています。
朝のランニングで集中力を高める
朝に走ると体内時計が整い、日中の脳の働きが活発になります。気分がすっきりし、仕事や勉強の集中力を高めたいときに効果的です。10〜20分程度のランニングでも脳の活性化は起こります。大切なのは時間よりも継続することです。
夜のランニングでストレスを和らげる
一日の終わりに軽めのランニングを行うと、ストレス解消につながります。神経伝達物質の分泌で気分が落ち着き、リラックス効果が得られます。ただし就寝直前は交感神経が刺激されやすいため、寝る2〜3時間前に行うのが望ましいです。
自然の中で走ることで脳疲労を軽減
公園や緑道など自然のある場所で走ると、脳の疲労回復効果が高まります。景色や空気の変化がリラックスを促し、気分転換にもつながります。ジムやトレッドミルとは違った刺激を脳に与えることができます。
安全に続けるための注意点
ランニングは脳にも体にも良い効果がありますが、無理をするとケガや疲労の原因になります。安全に続けるために、いくつかのポイントを意識しましょう。
膝や腰への負担を避ける工夫
アスファルトなど硬い路面ばかりを走ると、膝や腰に負担がかかります。土の道やゴム製トラックを選ぶと衝撃をやわらげられます。また、クッション性のあるシューズを履くことも大切です。
休養日を取り入れて回復させる
毎日走らなくても効果は得られます。週2〜3回でも脳や体の活性化は期待できるため、休養日をしっかり取りましょう。休むことで筋肉や関節が回復し、長く続けやすくなります。
ランニングと脳に関するQ&A
ランニングと脳の関係について、多くの人が疑問を抱きます。ここでは特によく聞かれる質問に答え、日常に取り入れるヒントを紹介します。
Q:勉強や仕事の前に走ると効果はありますか?
A:はい、効果があります。短時間のランニングでも前頭前野が活性化し、集中力や判断力が高まります。会議や試験の前に10〜20分走ると頭がすっきりしやすくなります。
Q:40代や50代から始めても脳に効果はありますか?
A:年齢に関係なく効果は期待できます。特に中高年では海馬の萎縮を防ぐことにつながり、認知症予防に役立つと考えられています。無理のない範囲で続けることが大切です。
Q:毎日走らないと効果は出ませんか?
A:毎日走る必要はありません。週2〜3回でも脳への効果は十分に得られます。休養日を取り入れることで疲労やケガを防ぎ、継続しやすくなります。
Q:ランニングは脳にダメージを与えることはありますか?
A:基本的にランニングは脳に良い効果をもたらします。ただし過度な強度で毎日走り続けると、疲労やストレスホルモンの分泌が増えて、脳そのものに直接ダメージを与えるわけではありませんが、逆効果になることもあります。自分にとって「少しきつい」と感じる程度を守り、休養日を設けることで安心して続けられます。
監修者プロフィール
美容外科 SO グレイスクリニック院長
近藤惣一郎
医学博士(京都大学)
ロンリー侍ドクター
日本脳神経外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医
1988年 京大医学部卒
若返り専門の美容外科医。美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識が豊富で、自らもダンサーとして、プロフィッシングアングラー(DAIWA)として、若さとナイスボディを保ち続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/kondo.soichiro/