
プランクでお腹痩せはできる?できない?“変化がない人”向けの「とっておきメニュー」も
プランクは体幹トレーニングの代表格として知られていますが、「毎日やっているのにお腹がへこまない」と感じる人も少なくありません。
お腹痩せに直結するのか、そうでもないのか。各専門家に伺った意見をまとめ、後半ではお腹の変化を実感しにくい人におすすめの“とっておきメニュー”を、動画つきで紹介します。
プランクで痩せるのか? ダイエット効果は「難しい」
なか整形外科スポーツナース・田中悟志さんの意見は「直接的なダイエット効果はない」でした。
田中さん:プランクは1分程度の短い時間で行うことが多く、その短時間ではダイエットに効果のある程のエネルギーを消費できないと言えます。そのため、プランクだけをやっても痩せないことが多いです。
プランクを行うことで、どこか特定の部分が痩せるということもないでしょう。痩せるということは、つまり蓄積している体脂肪を減らすこと。しかし、一部分の脂肪だけを優先して減らすことはできないです。
プランクのみでは痩せることは難しく、お腹痩せにも効果は限定的。残念です!
とはいえ、プランクで体の使い方が身につくと、他の運動が続けやすくなるという副次的な効果があると言います。
田中さん:プランクで腹筋が鍛えられることで、身体の安定性が向上します。その結果、正しいフォームで筋トレやウォーキングができるようになり、間接的なダイエット効果が期待できます。
ただ、プランクを行うことで腹筋群の筋肉が鍛えられ、腹部が引き締まりすっきりした印象に変わる可能性はあるでしょう。
プランクで腹筋が鍛えられることで基礎代謝が上がり、それによるダイエット効果を期待したいところですが、基礎代謝アップを狙うのであれば、お尻など大きい筋肉(BIG3)を鍛えた方が効率的ということでした。
プランクを続けても期待したほどお腹がへこまない理由
医学博士・美容外科専門医、SOグレイスクリニック院長・近藤 惣一郎先生も、同様に語ります。
近藤先生:プランクでお腹がへこまない理由はシンプルで、腹筋をいくら鍛えてもお腹の脂肪だけが減るということはないからです。脂肪燃焼には全身の運動と食事の工夫が不可欠であり、プランクはその一部として取り入れるのが正しい考え方です。
たしかにプランクで腹筋や体幹は鍛えられますが、その上に脂肪が残っていればお腹はへこみません。さらにフォームの間違いなどがあると肩や脚に負担がかかり、効果を実感しにくくなります。
改めて、プランクでお腹痩せできないくわしい理由を、近藤先生の視点から見ていきましょう。
近藤先生:腹筋を鍛えても、その上に脂肪がある限り引き締まったお腹は見えません。体脂肪を落とすには摂取カロリーの見直しと有酸素運動が欠かせず、筋トレだけでは成果を感じにくいのです。
よく「腹筋トレーニングをすればお腹の脂肪が落ちる」と思われますが、部分痩せは不可能で、脂肪は全身から少しずつ燃えていきます。つまり、お腹をへこませるには全身の消費エネルギーを増やすことが必要になります。
さらに、プランクのフォームにも注意が必要です。
骨盤が前傾したまま呼吸を止めて行うと、腹筋が働かず肩や腰に負担が集中してしまいます。骨盤を後傾させ、肋骨を締めながら呼吸を意識することで、ようやく腹筋に効かせられるのです。
やはり、プランクのみでお腹痩せは現実的ではなく、以下の2点が必要のようです。
- 食事改善と有酸素運動で脂肪を落とすこと
- 大きい筋肉を鍛える筋トレでダイエット効果を促進すること
とはいえ、プランクが優秀な体幹トレーニングであることは疑いようもありません。
近藤先生:直接的なお腹痩せ効果は低くても、体幹を安定させ、姿勢を整える効果に優れています。脂肪を減らすことと並行して行えば、体のラインをきれいに整えるサポートになります。
プランク単独ではなく、有酸素運動と筋トレをとり入れたプログラムであればベスト。
というわけで、ここからはお腹痩せを狙う人向けに、プランクを取り入れた脂肪燃焼メニューをお届け! トレーニング監修は、フィットネスランニングトレーナー・鳥光健仁さんです。
【お腹痩せ】足をパタパタさせるプランク!3分だけでも効く“キツめ”メニュー
プランク
1.両肘を床につけ、うつ伏せになる
2.腰を浮かせ、背筋をまっすぐに伸ばす
3.頭、背中全体、腰、かかとが一直線になるように姿勢をキープする
呼吸は止めないように意識します。動画でも動きをチェックしてみましょう。
実施時間
30秒
トレーニングのポイント
・肘は肩の真下につく
・腰が下がると効きが悪くなるので注意
・お尻とお腹にしっかり力を入れる
鍛えられる部位
・腹直筋
・腹横筋 など
プランクサイドステップ
1. 両肘を床につけて、足は腰幅に開き、つま先立ちになる
2. 片方ずつ左右に脚を出し、左右交互に繰り返す
お尻の筋肉にも効きやすいメニューです。
実施時間
20秒
トレーニングのポイント
・足を動かすときはお尻を意識して、股関節のみ開くイメージ
・無理のない程度に前を向く
・腰が反らないように注意する
鍛えられる部位
・体幹
・大臀筋
・内転筋
・外側広筋 など
プランクレッグオープン&クローズ
1. うつ伏せの状態で、両肘を肩の真下の床につける
2. 腰を浮かせ、頭から踵までが一直線になるようにする
3. 右左交互に足を開き、同じ流れで閉じていく
足を動かすときに腹筋に力を入れると、軸がぶれにくくなります。
実施時間
30秒
トレーニングのポイント
・お尻は上げすぎず、腰は下げない
・お腹に力を入れ、頭からかかとまでまっすぐにする
鍛えられる部位
・体幹部
・脊柱起立筋
・臀筋 など
ハイプランクウォーク
1. 両手を肩幅に開いて床につき、腕立て伏せの姿勢になる
2. 片膝を胸に引きつけて、もとに戻す
胸や背中にお腹、肩関節、股関節まわりの筋肉をまんべんなく鍛えていきます。
実施時間
30秒
トレーニングのポイント
・膝は地面につかないようにして、目線は軽く前に向ける
・一定のリズムをキープできると効果的
・背中が反ると、腰を痛めやすいので注意
鍛えられる部位
・体幹部
監修者プロフィール
なか整形外科
スポーツナース 田中 悟志さん
NSCAーCSCS,認定スポーツナース、認定スポーツ救護ナースを取得。なか整形外科スポーツナースとして勤務中。筋出力を高める運動の指導を、地域の方へ行っている。
美容外科 SO グレイスクリニック院長
近藤惣一郎
医学博士(京都大学)
ロンリー侍ドクター
日本脳神経外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAS)専門医
1988年 京大医学部卒
若返り専門の美容外科医。美は健康の上になり立つという理念のもと、正しい食生活・運動習慣・ダイエットに関する知識が豊富で、自らもダンサーとして、プロフィッシングアングラー(DAIWA)として、若さとナイスボディを保ち続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/kondo.soichiro/
<Edit:編集部>