
下っ腹が落ちないのは理由がある! トレーナーが教える“お腹痩せのメカニズム” (1/2)
「お腹の脂肪を落としたい!」と思う人は多いですが、具体的にどんな方法が最短で効果的なのでしょうか。
お腹は、全身の脂肪の中でも落としにくい部位のひとつ。しかし、正しいアプローチを知れば、意外と効率的に引き締めることが可能です。
本記事では、プロのトレーナーが推奨するお腹の肉を落とすための最短ルートを解説します。食事、運動、生活習慣をどう組み合わせれば理想的な結果に近づけるのでしょうか。
パーソナルトレーニングジムSTUDIO KOMPAS(スタジオコンパス)のトレーナー・山岸慎さんが解説します。
なぜお腹の脂肪は落としにくいのか?
お腹まわりの脂肪は、多くの人が「減らしたい」と感じる代表的な部位ですが、実際には他部位と比較して減少しづらい傾向があります。
これは、体脂肪減少は基本的に全身で行われる点、そして腹部が脂肪蓄積の“貯蔵庫”として機能しやすい点が関係しています。
さらに、遺伝的背景、ホルモンバランス、血流量、脂肪細胞の代謝特性など、さまざまな要因が複合的に影響を及ぼしています。
体脂肪は「全身」で落ちるメカニズムとなっている
体内で余剰となったエネルギーは、「中性脂肪」として脂肪細胞内に蓄えられます。
エネルギー摂取量が消費量を下回る状態が続くと、ホルモン(アドレナリンやノルアドレナリンなど)の刺激によって消化酵素(リパーゼ)が活性化し、脂肪細胞内の脂肪が分解されます。
分解されたそれらは血液中に放出され、全身の組織を循環しながら主に骨格筋などでエネルギー源として利用されます。
このように、脂肪燃焼は特定の部位ではなく全身で行われます。そのため、腹筋運動を集中して行ったとしても、必ずしも腹部の脂肪が優先的に使われるわけではありません。
お腹の脂肪を効果的に減らすためには、全身のエネルギー消費の改善が不可欠です。
お腹の肉を落とすための最短ルートは「有酸素運動+筋トレ」
有酸素運動+筋トレの組み合わせがベスト
ランニングやサイクリングなどの有酸素運動は、心肺機能の強化やミトコンドリア活性化を通じてエネルギー代謝を高め、効率よく脂肪燃焼させます。
くわえて筋トレによる筋肉量増加は基礎代謝を高め、日常的な消費エネルギーを増大させる効果があります。
有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、腹部を含めた体脂肪の減少を促すことが期待できます。
▼有酸素運動と筋トレを組み合わせた運動
有酸素運動では「ランニング」もおすすめ
では、とくにおすすめの有酸素運動はどれでしょうか。私がおすすめするのは「ランニング」です。
ランニングは初心者でも取り組みやすく、続けることで心肺機能が高まり、全身の筋肉がより効率よく酸素を使ってエネルギーを生み出せるようになります。
その結果、体脂肪をエネルギー源として活用しやすい状態が整い、脂肪燃焼がスムーズに進むようになるのです。
先述の通り、筋トレを組み合わせると、さらに効果的です。筋肉量が増えることで基礎代謝が向上し、日常生活で消費するエネルギー量が増加します。
ランニングと筋トレの両立は、全身的な代謝アップを狙ううえで理想的な組み合わせと言えるでしょう。
お腹の肉を落とすための最短ルート2「カロリーコントロール」
食事管理でカロリーコントロールと栄養バランスを整える
極端な食事制限による栄養不足は避けつつ、適切なカロリーコントロールとバランスの良い食事を心がけましょう。
栄養管理アプリを活用して、現在摂取しているエネルギー量や各種栄養素のバランスを把握することから始めると、適切な改善につながります。
短期的な成果を求めて極端な食事制限に走ると、エネルギー不足だけでなくミネラルやビタミン不足、筋肉量低下などが起こりやすく、長期的な脂肪減少を妨げます。
タンパク質、ビタミン、ミネラルなどを十分に確保しつつ、適切なカロリーを維持することが必要です。
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