スロースクワットの驚くべき効果。「ゆっくり動作」がもたらす代謝・血流・若返り…5つの変化 (1/2)
スクワットをゆっくり行う「スロースクワット」は、筋肉への刺激を深め、血流や代謝を高めるトレーニング法です。
理学療法士・パーソナルトレーナーの安藤 瑞樹さんは、「動きをゆっくりにすると筋肉が長く緊張状態になり、成長ホルモンの分泌や体の巡りが活発になる」と言います。
静かな動作の中で、体の内側から変化を感じられる「全身調律エクササイズ」です。スロースクワットの驚くべき効果5つと、効果を最大化させるコツを紹介します。
なぜ「ゆっくり動く」だけで効果が高まるのか
スロースクワットが普通のスクワットよりも高い効果を発揮する理由は、動作のスピードにあります。「ゆっくり動く」という刺激が、体の代謝・血流・ホルモン分泌に深く関わっています。
筋肉をじっくり使うと、乳酸が生まれる
スクワットは太ももやお尻など、体の中でも大きな筋肉を同時に動かす全身運動です。この動きをスローにすると、筋肉が緊張状態を長く保ち、エネルギーを使い続ける時間が増えます。
ゆっくり動き続けると血流が制限され、筋肉の中では一時的に酸素が不足し、代わりに乳酸が生まれます。乳酸は「疲労物質」と思われがちですが、実際には筋肉を成長させる合図のような役割を持っています。
乳酸により「ホルモン分泌」が活性化
筋肉に乳酸がたまると、脳がその刺激をキャッチし「成長ホルモン」を分泌します。成長ホルモンは筋肉の修復や脂肪分解、肌や細胞の再生を促す重要なホルモンです。
ゆっくり動くスロートレーニングでは、このホルモン反応が通常よりも強く起こります。代謝を上げ、体の若返りをサポートする「内側の反応」が引き出されるのです。
血流が促進され、体が温まりやすくなる

スロースクワット中は、筋肉が長く収縮・伸展を繰り返すことで、ポンプのように血液を押し上げます。この動きが下半身から全身への血流を高め、冷えやむくみの改善につながります。
筋肉の奥まで酸素が行き渡り、エネルギーが生まれやすい状態になります。運動後も体がポカポカと温かく感じやすく、冷え対策としても効果的です。
速く動くより、時間をかけるほうが効率的
速いテンポのスクワットは呼吸が上がりやすく、脂肪燃焼を高める有酸素運動としても効果的です。一方で、スローな動作は「筋肉を深く使い切る」ことができるため、少ない時間・回数でも効率的にトレーニング効果を得られます。
重い負荷をかけなくても強い刺激を生み出せるため、初心者や関節に不安がある人にも続けやすいトレーニングです。
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