インタビュー
2018年7月13日

課題は「全部」。“守・破・離”の精神で2020年までギアを上げる。パラ卓球・岩渕幸洋×パーソナルトレーナー・土田憲次郎(後編)│わたしと相棒~パラアスリートのTOKYO2020~ (2/3)

フィーリングよりはロジカルに

――トレーニングメニューに関しては、傍から見ていると飽きのこない内容に感じます。

土田:そうですね。岩渕さんはけっこう、自分自身を追い込むのが好きだったりするので、一つのことを集中してやる時期があっても良いのかな、と思ってもいたのですが、それは個人のトレーニングでできるだろうから、僕はあえて異なる要素を加えることにしています。実際「よく分からないな」と思われているトレーニングもあると思うんですけど……。

岩渕:まあ、よく分からない物もあるんですけど(笑)、やっていくうちにコツをつかめる時もあるので、その方が逆に新鮮ですね。やはり背骨の動かし方一つで、片足のバランスなども安定感が増しましたし、ここであのトレーニングが生きてくるのか、という気付きがあります。

――トレーニングのアイデアとは別に、アドバイスをする時の言葉の掛け方も工夫するんですか?

土田:ありますね。ただ岩渕さんは、すごくクレバーなんですよ。つまり感覚だけプレーする選手ではないと思っているので、感覚的なコーチングではなくて、都度納得してもらいながら進めていますね。そういう意味では、「ギュン!」とか「パッ」といったオノマトペはあまり使わないですね(笑)。

――長嶋茂雄タイプではないと(笑)。岩渕選手としても理論的に説明された方が良いということですか?

岩渕:そうですね。フィーリングに頼り過ぎない方が、議論の機会も増えますし。

怪我をしない身体づくりが大前提

――今後の目標について伺わせて下さい。2020年が一つ区切りになると思います。それまで、どのようなロードマップを考えていますか?

岩渕:今年に関しては、10月にあるアジアパラ競技大会(インドネシア・ジャカルタ)の優勝と、世界選手権で(スロベニア)のメダル獲得が目標です。世界選手権は4年に1度の大会で、東京パラリンピック前にトッププレイヤーが一堂に会する最後の舞台でもあります。また、来年(2019年)にはアジア選手権があり、優勝すれば無条件で東京パラリンピックの出場権を得ることができます。

アジアパラ競技大会はアジア選手権と出場メンバーも変わらないので、そこでしっかり優勝したいと思っています。平行して、世界ランキングを上げたいですね。最新のランキングでは9位。東京までには2位以内が目標で、今年は5、6位ぐらいには浮上しておきたい。そのためには、試合に多く出場し、勝たないといけない。勝つという経験を東京までにより多く積み重ねていきたいです。

――目下、具体的にチャレンジしてみたいことをはありますか

岩渕:そうですね。ちょうどバックのラバーを変更したんです。2年間、異質のラバーを使っていて、大体、どの選手とも2回程度対戦した中で、少しずつ、通用しなくなってきているようにも思います。ラバーを変更することで、プレースタイルにも変化が生まれてきます。2020年の2年前にあたるこのタイミングで変化を付けて、東京の前にもう一段階変化させるかは、また考えていきたいと思っています。

――土田さんはいかがですか?

土田:やはりラバーを変えれば身体の使い方も多少変わってくると思うので、どこかのタイミングでヒアリングをしたいですよね。使用する道具によっても身体は適応して変化していきますから。

もっとも、一番は怪我をしないで2020年の舞台に立つことが、僕が一番サポートできる部分だと思っています。怪我なく、パフォーマンスを発揮してもらうということを念頭に置いて、提供するメニューにも工夫をこらしていくつもりです。

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