インタビュー
2018年7月13日

課題は「全部」。“守・破・離”の精神で2020年までギアを上げる。パラ卓球・岩渕幸洋×パーソナルトレーナー・土田憲次郎(後編)│わたしと相棒~パラアスリートのTOKYO2020~ (3/3)

若いからこそできることを。夢のためにサポートを

――お二人にとって、互いの存在はどのようなものですか?

岩渕:そうですね。自分の身体に関して自分が気づかないことに気づいてくれる、修正してくれる、身体のメンテナンスについては全てお任せできる存在ですね。自分の思いつかないところまでサポートしてくれるので、東京パラリンピックで活躍するという目標に向けて一緒にがんばっていきたいです。

土田:岩渕さんの活躍を見て勇気をもらったという人もいると思います。どんどん活躍していただいて、もっと、世界中の人に夢や希望を与えてくれたらなという一心ですね。僕は黒子になって、少しでもサポートができたらという思いです。

――2020年の目標はやっぱりメダル?

岩渕:そうではありますが、東京がゴールではないと思っています。日本の多くの人は、2020年がパラリンピックに直接触れる初めての機会になると思いますし。そこを起点にして、より障がい者スポーツが発展していくためのスタートの大会になれば良いかなと思っています。そのためにも、結果を出してアピールをしていきたいですね。

自分の中では2016年にリオに出場して非常に刺激を受けたのですが、まだ日本の多くの人は知らない世界なんだな、と。逆に、知られていないことに価値があると思います。パラリンピック全体でみると若い選手が本当に少なくて、その中でこうして、リオに出場させてもらった自分だからこそできることもあるんじゃないか、と。

――土田さんも、スタンドで岩渕選手のメダルの瞬間を見られたらいいですよね。

土田:いや、本当に。それだけが夢ですよ。まずは、“勝つ”ことにこだわりをもってサポートをして、少しでも良い色のメダルを獲ってくれたらと思いますね。

[プロフィール]
岩渕幸洋(いわぶち・こうよう)
1994年生まれ、東京都出身。パラ卓球クラス9(立位)。中学1年の時に卓球を始め、中学3年でパラ卓球に出会う。早稲田大学在学中の2014年ナショナルチームに選出。同年の世界選手権で個人戦ベスト12、2016年にはリオパラリンピックに出場する。2017年協和発酵キリンに入社。同年アジア選手権個人戦準優勝、世界選手権団体戦準優勝。

[プロフィール]
土田憲次郎(つちだ・けんじろう)
1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後トレーナーの道に進む。多くのスポーツ選手の体のコンディショニングも手がけるフィジカルトレーナー/鍼灸師。

<Text:吉田直人/Edit:丸山美紀(アート・サプライ)/Photo:玉井幹郎>

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