インタビュー
2018年9月3日

コーチが感じた“相棒”の成長。「僕らは水泳で自分を表現している」。競泳・小山恭輔×コーチ・八尋大(後編)│わたしと相棒~パラアスリートのTOKYO2020~ (3/3)

12年来の相棒は、遠くて、近い

――最後の質問です。お互いにとって、相手をひと言で表すとすれば? 小山さんにとっての八尋さん、八尋さんにとっての小山さんとは。

小山:“遠い存在でもありながら身近な存在”ですかね。尊敬という言葉が正しいとは思うのですが、尊敬だけで表してしまうと、何となく距離があるようにも思えるし、かといって、身近過ぎるわけでもない。でも、すごく見られている、という気もする。それが「遠くもあり身近でもある」の意味ですね。

八尋:立場的に高くて選手を下に見るというスタンスが僕は大嫌いで。僕も選手を尊敬しているし、対等な立場でありたいんです。だから、僕にとっての小山の存在は“相棒”みたいな感じですかね。どちらが欠けても良いものはできない、と僕は思っています。

――ありがとうございました。

八尋:すいません。八尋が9割喋りましたね。

小山:笑

[プロフィール]
小山恭輔(おやま・きょうすけ)
1987年生まれ、東京都東久留米市出身。日鉄住金P&E所属。パラ競泳S7クラス。中学2年の時に脳梗塞を発症し、右半身麻痺となる。大学1年の時から本格的にパラ競泳を始め、北京パラリンピックでは50mバタフライで銀メダル、ロンドンパラリンピックでは銅メダルを獲得。リオパラリンピックでは同種目5位入賞。

[プロフィール]
八尋大(やひろ・だい)
クラブチームBLASTWAVE aquatics代表。1974年生まれ、東京都八王子市出身。国士舘大学体育学部卒業後、筑波大学の研究生を経て、オーストラリア体育大学に留学。帰国後、水泳のコーチを始める。2012年ロンドンパラリンピック水泳日本代表コーチ。自身もスイマーとして現在もさまざまな大会に出場している。現在は、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科社会人修士課程にてトップスポーツマネジメントを勉強中。

<Text:吉田直人/Edit:丸山美紀(アート・サプライ)/Photo:玉井幹郎>

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