脂肪燃焼トレーニング「HIIT(ヒット)」、キツくなくても効果あるってホント? (1/3)
タバタトレーニングに代表される高強度インターバルトレーニング「High Intensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)」 、通称HIIT(ヒット)。
短時間で強度の高い運動を繰り返すことで、効率的な脂肪燃焼が可能となり、心肺能力に関しても、有酸素運動エネルギー(長距離走など)と無酸素運動エネルギー(短・中距離走など)の両方に効果があることもわかっています。
そのため、ダイエットが目的の人にも、スポーツパフォーマンスを向上させたい人にも、HIITは広く受け入れられているトレーニング方法です。
最近になって、HIITには脳の血流を高め、アンチエイジングにも効果があるとする論文が発表されて注目を浴びています(1)。また、HIITは限界まで追い込まなくても効果が期待できるという新情報も。
今回は、気になる新説についての論文と研究内容について紹介しましょう。
研究1 HIITはきつくなくても効果がある
HIITにさまざまな効果があることは分かっていても、きつくて大変そうだなと敬遠してしまう人は多いでしょう。
筆者もかつてタバタトレーニングを紹介した記事で、疲労困憊になるまで追い込まなくては効果がないと書いたことがあります。
ところが最近になって、HIITに敷居の高さを感じていた人に耳寄りな情報がもたらされました。
インターバル形式のトレーニングは運動の強度はそれほど高くなくても、へとへとになるまで取り組んだ場合と効果がさほど変わらないとする論文が、ブラジルの研究グループが行った研究から発表されたのです(3)。
運動内容
クロスフィットでよく行われる強度の高い運動を4分間4ラウンド、ラウンド間に2分間の休息を挟むメニューを、全力で行うグループと6割程度の強度で行うグループに分けて、乳酸および心拍数の反応を比較。
結果
両者の間にトレーニング効果の大きな違いは生じなかったとのことです。
効果が同じ程度なら、怪我のリスクが減る、心理的につらくならないということで、6割ほどでトレーニングする方が全力で取り組むより体にいい。それがこの論文の結論となっています。
筆者はへとへとの極限状態になるまで追い込むトレーニングを信じ、自ら実践してきただけではなく、指導でもそのように伝えてきました。ですからこれらの論文は非常に衝撃的な結論です。
同様の思いで受け止めている方も多いことでしょう。しかしどうやら、HIITはもう少し穏やかに行ってもそれなりの効果があるようです。