• Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube

どう進化した?ポラール、新型スポーツウォッチ「Polar Vantage V2」を発表

 ポラール・エレクトロ・ジャパンは10月15日、手首でトレーニング効果や回復レベルを計測できるスポーツウォッチの新世代フラッグシップモデル「Polar Vantage V2」を発表しました。ハイアマチュア~プロユースを意識した製品となっています。発売日は11月5日で、希望小売価格は69,800円から(以下、すべて税別)。

軽量化、100m防水に対応

 「Polar Vantage V2」は、現行モデルPolar Vantage V(2018年11月発売)の後継製品です。1.2インチの常時表示型カラータッチ液晶を搭載し、サイズは直径47mm×厚さ13mm、リストバンドを含む質量は52g。新設計のアルミニウム合金素材ボディの採用により、前モデル比で11gも軽量化がはかられました。

▲フラッグシップモデルに相応しいプレミアムデザイン。カラーはブラック、グリーン、グレー・ライムで展開

 激しい運動にも耐えられるよう、液晶にはGorillaガラスを採用したほか、100m防水にも対応。堅牢性(耐衝撃、防水、防塵など)が向上しており、ミルスペック「MIL-STD-810G」準拠となっています。

▲主な特徴 ハードウェア

 機能面では内蔵GPS精度が向上しました(GLONASS / Galileo / みちびき(QZSS)に対応)。また「改良型Polar Precision Prime」を搭載、3色・10LED(グリーン・レッド・オレンジ)と4フォトダイオードによる心拍計測センサーで、より正確なデータが計測できるように。

▲3色・10LEDと4フォトダイオードによる心拍計測センサーを搭載

 バッテリーのロングライフも特徴のひとつです。346mAhのリチウムポリマーバッテリーを搭載しており、GPS+心拍計測をオンにしたトレーニングモードで最大40時間、GPSは2分ごと+心拍計測をオフにした省電力モードで最大100時間、24時間心拍計測ありの通常使用で最大1週間も連続使用が可能です。

どんな機能が追加された?

 Polar Vantage V2では、主なターゲット層として「週2~3日のペースでトレーニングを重ね」「年に2~3回のレースに出場する」、ランニング、スイミング、サイクリング、ストレングストレーニング、トライアスロンなどに取り組んでいるスポーツ愛好者を想定しています。そこで新たに、心拍数計測+パワー計測+加速度センサーから得られる情報などを基にパフォーマンスを数値化する機能や、脚力の回復状況をテストできる機能を搭載しました。

 新しく追加された主な機能は、以下の通りです。
・ランニングのパフォーマンスを計測できる「ランニングパフォーマンステスト」
・ロードバイクなどの自転車のパワーデータなどを計測できる「サイクルパフォーマンステスト」
・脚の筋力の回復度を計測できる「脚力回復度テスト」
・スマートフォンの音楽再生コントロール機能
・週間トレーニングサマリーの表示
・ウェブサービス「Polar Flow」にVantage V2ユーザ専用のデータ分析サービスを追加

▲新たに搭載された機能の利用イメージ

 「ランニング パフォーマンス テスト」は、徐々にスピードを上げていくビルドアップ走のトレーニング時に、最大有酸素スピード(MAS)、最大有酸素パワー(MAP)、最大酸素摂取量(VO2max)を計測するもの。時計画面に表示されるスピード(時間が経つにつれ少しずつ速くなる)に合わせて走ることで、ビルドアップ走のトレーニングをサポートします。また「サイクル パフォーマンス テスト」では、1時間を全力で走り切ったときに出せる平均パワー(FTP)と、VO2max、パワーウェイトレイシオ(W/kg)を計測。「脚力回復度テスト」ではジャンプを3回行うことで、脚の回復度を数値化します。

▲約130種類のスポーツに対応。ランニングだけに絞っても、たくさんの機能が利用できる

アスリートが使ってみた感想は?

 発表会では、トレイルランナーの宮崎喜美乃さんとポラール・エレクトロ・ジャパンの園部英生社長によるトークセッションの時間がもうけられました。事前にPolar Vantage V2を使い、いくつかのトレーニングを試してみたという宮崎さん。新製品に対して、どんな印象を持ったのでしょうか。

▲ポラール・エレクトロ・ジャパンの園部英生社長(左)とトレイルランナーの宮崎喜美乃さん(右)

 まず行ったのは、ランニング パフォーマンス テストでした。一般ランナーの方は(ビルドアップ走のトレーニング時に)どのくらいのペースで走れば良いか分からない、という人も多いでしょう。宮崎さんは「Polar Vantage V2がガイドとなるので、それにペースを合わせて走るだけで良かった」「数値を可視化できるので安心してトレーニングできた」「後からデータを振り返れる点もメリットに感じた」と総括しました。

▲宮崎さんによる、ランニング パフォーマンス テストの結果。上から「心拍数」「ペース」「パワー」「歩数」のデータが並ぶ

 ちなみに大学の研究機関では、呼気の最大酸素摂取量を計測しながらトレッドミルを速めることで同様のテストを行っているそう。宮崎さんは「今回のコロナ禍でトレーニング環境が厳しくなる中、家の近所でもこうしたトレーニングが積めるのであれば、とても便利に感じます」と話していました。

▲ランニング パフォーマンス テストの結果(上)と、
大学の研究機関で行ったテストの結果(下)。同程度のトレーニング効果が出ている

 また、新機能「Hill Splitter」も試したとのこと。こちらはデバイスが上昇・下降・平地を認識して自動的にセクション分けし、それぞれのセクションにおけるパフォーマンスを表示する機能です。「心拍数を一定に保つという、マフェトン理論に基づくトレーニングを試してみました。トレーニング中の心拍数を『180-年齢』程度に収めるのが目標です。私の場合は150のプラマイ1~3くらいが理想。通常なら平坦な場所で行いますが、これをトレイルランの環境で試してみました」と宮崎さん。

▲Hill Splitterの結果。
上から「心拍数」「ペース」「パワー」「高度」のデータが並んでいる

 「山を降りるときに、できるだけ心拍数を下げないのがコツです。そのうえで、スピードをコントロールする。すると身体にかかる負荷が一定になるので、長時間、走れます。山だと内臓疲労に陥り食べられなくなることもありますが、そうしたトラブルも避けられる。Polar Vantage V2を使えば、心拍数が150前後のときにどのくらいの速度で走れたか計測できるので、上りと下り、今後どちらのトレーニングに重きを置くべきかも分かるようになります」(宮崎さん)。

▲数値でも確認。上りは9分、下りは5分で走っていた。
しかしペースが倍になっても、心拍数はブレていない

 園部社長は「トレイルランニングに限らず、フルマラソンにおける緩やかな上り・下りでも活用できそうですね。私は『アマチュアは下りが苦手』という話をよく耳にします。下りだと身体がラクになるのでペースが上がり、心拍数は落ちてしまう。するとレース展開が悪くなる、というわけです」と話していました。

 最後に、宮崎さんは睡眠の質について計測した結果も公表しました。「Polar Vantage V2では自律神経ステータスも確認できるので、自身の感覚のズレを修正できました。私の場合、『睡眠不足』よりも『飲酒』によって睡眠の質が落ちていたんです(笑)」。

▲睡眠を分析するSleep Plus StagesとNightly Recharge。
自律神経も分析して、睡眠の質を総合的に評価する

 もともと晩酌が好きだったという宮崎さん。「次の日は山に行く予定でした。金曜日の夜、仕事が早く終わったので早めにお酒を飲んで寝たんです。アルコールの量は少なかったものの、データを見ても分かる通り、睡眠の質が良くなかった。睡眠ステータス(時間と深さ)は良いのに、そのギャップに驚きました」。この結果を受けて、晩酌はやめたとのこと。「睡眠の質を上げるために、ストレッチや呼吸プログラムも試しました。すると良い結果が出るようになりました」。

▲呼吸数、心拍数、心拍変動をもとに睡眠時の自律神経を分析。
飲酒すると睡眠中の心拍数がなかなか下がらず、結果として身体の回復が遅れていた

 園部社長は「起きて活動しているときは、交感神経が働くので心拍変動は52msくらいで良いわけですが、寝ているときは副交感神経が働かなくちゃいけないので93msくらいが良いんですよね」と解説。宮崎さんは「普段の生活の中で交感神経、副交感神経のスイッチをきっちりと切り替えられた方がパフォーマンスの向上につながり、健康につながります。悪い状態が続くと、慢性的な疲労にもつながってしまいます」と付け加えました。

▲カラー展開について。本体は69,800円、
本体と胸ストラップ型心拍センサー「Polar H10」のセットは75,800円。
Sサイズ用のハーフベルトは1,680円

▲交換ベルトは標準カラーのほかホワイト、レッド、
ローズ・プラムの6色展開で、いずれも4,980円

 最後に宮崎さんは「トレーニング方法を考える時代から回復の仕方を重視する時代に変わりつつありますが、その両方を手首のデバイスのみで測れるというのが魅力的。身体の反応を知ることで、トレーニングも効率的に行えるようになります。多くの方に、楽しみながら取り組んでもらえたらと思います」とまとめました。

<Text:近藤謙太郎>

特集 - SPECIAL -

連載 - SERIES -

ランキング

  • 最新