メディシンボールトレーニング上級編│肩・胸・腹筋・下半身を鍛えるメニュー
前回は「筋肉を鍛える器具「メディシンボール」とは。効果と使い方、エクササイズ」にて、メディシンボールを使ったベーシックなエクササイズを紹介しました。今回は「もっといろいろなメニューをやってみたい」「ハードなトレーニングのやり方も知りたい」という人に向けて、中~上級者向けメディシンボールエクササイズを紹介します。
メディシンボールの重さは1~5kgがおすすめ
メディシンボールにも重さがあり、1kg~10kgくらいの重さが一般的です。ただし、どの重量のメディシンボールを使うかは、個人の筋力や行うエクササイズによっても異なります。
トレーニング初心者の場合は1~3kg、トレーニングは行っているがメディシンボールに慣れていないという人は3~5kgを目安に始めるとよいでしょう。経験者にとっては軽いと感じるかもしれませんが、メディシンボールでの動作はダンベルやバーベルで行うエクササイズとは異なり、動作が複雑なものが少なくありません。メディシンボールに慣れてきてから、少しずつに重いボールに変えていってください。
メディシンボールを使ったハードなエクササイズ
ボールプッシュ
1.両手でメディシンボールを持ち、肘を曲げ、胸の前でキープ。
2.肘を伸ばし、腕が床と平行になるようにボールをカラダから離していく。
3.肘を伸ばしきったら、元の姿勢に戻る。
胸や肩を刺激するエクササイズです。動作は単純で簡単ですが、続けて行うとかなりハードなエクササイズになります。肘を伸ばしていくときにボールをつぶすように力を入れると、大胸筋にさらに刺激が入るでしょう。疲れてくると腰が反ったり、腕の角度が変わることが多いので注意してください。
メディシンボールレッグレイズ
1.仰向けで寝る。手は軽く開いて横へ。
2.腰は床につけたまま、両足を伸ばしてメディシンボールを挟み、床から少し浮かせる。
3.床と垂直になるところまで脚を持ち上げる。
4.メディシンボールは床から少し浮かせたまま、元の姿勢に戻る。
メディシンボールを足に挟んでレッグレイズをすることで、腹部の刺激を増やすだけでなく内転筋群にも刺激を与えることができます。負荷が重すぎて腰が反ってしまう場合は、負荷を軽くして行うようにしましょう。
ツイストランジ
1.足を揃えて立つ。肘を伸ばし、両手でメディシンボールを持ち、顔の前でキープ。
2.メディシンボールの位置をずらさないよう、片足を大きく前へ出す。
3.股関節と膝を90度に曲げながら、胴体を捻る。上半身は位置をずらさない。
4.床を蹴って直立姿勢に戻る。
上半身から体幹、下半身までを同時に鍛えることができるエクササイズです。ランジ動作に加えて体幹部の捻り、メディシンボールの重さと、フォームが崩れやすい条件がそろっているため、難易度が高く難しいエクササイズです。動作はできるだけスムーズに行いましょう。ランジ動作と捻り動作が別々にならないよう、一連の流れとして行うように意識してください。
ウッドチョップ
1.両手でメディシンボールを持ち、脚を肩幅に広げて立つ。
2.股関節と膝を曲げながら、メディシンボールを右腰の横に持っていく。
3.腰と膝を伸ばしながら、左側頭上までメディシンボールを持ち上げる。
4.動作を止めず2の姿勢に戻る。
ウッドチョップも上半身から体幹、下半身まで同時に鍛えることができるエクササイズです。股関節や体幹部の捻りが重要で、ボールを持ち上げるというよりも「股関節と膝を伸ばす勢い+体幹を捻ることでボールが持ち上がる」という意識で行うと、下半身や体幹部に効きやすくなります。立った姿勢だけでなく、片膝立ちの姿勢でも行うことが可能です。
メディシンボールを使ったエクササイズは、普段のウエイトトレーニングとはまた違った刺激をカラダに与えることが可能です。ボールを強く挟む、つぶすように力を入れるなどの意識ひとつでも効果が変わります。よりハードに行いたい方は、ボールの持ち方や力の入れ方なども意識して行うとよいでしょう。
[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳/Photo:Getty Images>