フィットネス
2023年6月1日

足幅を広げた【スモウデッドリフト】の効果とやり方&コツ│通常のデッドリフトとの違いは? (3/3)

目的別のスモウ・デッドリフト活用法

目的1:デッドリフトのフォーム習得

 筋トレ初心者が通常のデッドリフトを行おうとすると、腰と肩が別々に動いてしまい、腕任せにバーベルを引っ張るような動作になりがちです。

 その点、スモウ・デッドリフトは動作の難易度がやや低いので、初心者がデッドリフトで使う身体の動かし方に慣れるための良い練習方法になります。

 この場合は、ごく軽い重量でセット数も少なくして、フォーム習得に集中しましょう。

目的2:最大筋力の向上

 前述した通り、スモウ・デッドリフトは通常のデッドリフトより重い重量を扱いやすくなるため、最大筋力を向上させたいリフターには向いています。この場合は「高重量・少回数」が原則です。

 3~5回を1セットとして、3~5セットぐらいが適当でしょう。セット間の休憩は十分にとって、毎セット全力を出せるようにしてください。

目的3:筋肥大

 筋肉を大きくしたい場合は、最大挙上重量の67%~85%の重量で、6~12回×3~5セットくらいが効果的だと言われています。

 スモウ・デッドリフトでもこの目安は使えますが、他の筋トレ種目より重い重量を扱うので、手首や肘などの関節に負担がかかりすぎないよう注意が必要です。

バーベル以外で行うスモウ・デッドリフト

 スモウ・デッドリフトは、ダンベルやケトルベルを使って行うこともできます。この場合、デッドリフトのメリットのひとつである「高重量による効果」は少なくなるでしょう。しかしその分、フォーム習得には向いていますし、高回数セットを行うことによる筋持久力の向上を図ることもできます。

[筆者プロフィール] 
角谷剛(かくたに・ごう) 
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

<Text & Photo角谷剛

1 2 3