フィットネス
2024年5月10日

下半身の筋トレなら「スクワット」と「デッドリフト」、どっちがいい? (1/2)

数多くある筋トレの種目のうち、ビッグ3と呼ばれるのが「スクワット」「デッドリフト」「ベンチプレス」です。

このうち、スクワットとデッドリフトは主に下半身、ベンチプレスは主に上半身を鍛えることができます。

スクワットはバーベルを肩に担ぎ、一旦しゃがみ込んで立ち上がります。そしてデッドリフトは、床に置かれたバーベルを膝の上まで持ち上げます。

どちらも股関節と膝関節を屈伸させる複合関節動作で、日常生活で使う機能的動作(しゃがむ、立ち上がる、モノを持ち上げる)であることも共通しています。

中級者レベル以上の人なら、スクワットとデッドリフトの両方を組み込んだ筋トレ計画が必須です。しかし、スクワットに比べてデッドリフトが弱い、あるいはその逆のパターンになる人は少なくありません。

ここで、自分がスクワット寄りかデッドリフト寄りかを判断する方法と、もし弱点があった場合の克服トレーニングをご紹介します。

スクワット、デッドリフト。どちらが得意かチェック

自分がスクワット寄りタイプなのかデッドリフト寄りタイプなのか。

それを判断する前に、まずはそれぞれの1RM(最大挙上重量)を把握することが前提になります。

筋肥大を狙う筋トレに必須の指標「1RM(最大挙上重量)」とは?正しい測定方法を解説

そのうえで、スクワットとデッドリフトの1RMを比較してみてください。

スクワットの1RMがデッドリフトの80~85%以内に収まっている

スクワットの1RMがデッドリフトの80~85%以内に収まっている人は、最適のバランスだと言えますのであまり心配することはありません。

スクワットの1RMがデッドリフトの80%以下

スクワットの1RMがデッドリフトのそれの80%以下なら、スクワットが弱すぎる(デッドリフト寄り)

スクワットの1RMがデッドリフトの85%以上

逆に85%以上ならデッドリフトが弱すぎる(スクワット寄り)

このことをポジティブに捉えて言い換えるならば、デッドリフト寄りならスクワットを向上させる筋力のポテンシャルがあるということ。

その逆もまた然りです。 

スクワットとデッドリフトで得意・不得意が生まれる理由

メインで使用する筋肉の違い

スクワットもデッドリフトも、下半身および体幹の筋肉を総動員する動作です。ただし、メインで使用する筋肉群には多少の差異があります。

スクワットでは臀部と大腿四頭筋、ふくらはぎなどを比較的多く使用しますが、デッドリフトではそれが背中、臀部、ハムストリングスになります。

これはかなり大雑把な分類ですが、これらの筋肉群のどこかに弱点(筋力、柔軟性、可動域など)があれば、それがそのまま動作の不得意に繋がっている可能性があるでしょう。

動作範囲と所要時間の違い

バーベルを上下させる距離は、スクワットの方がデッドリフトより長くなります。つまり、それだけ仕事量が多くなるわけです。

スクワットはしゃがみ込むときに息を吸って、立ち上がるときに息を吐きますが、デッドリフトでは一気に息を吐いて立ち上がります。

そのため、自然とスクワットの方がデッドリフトより1動作にかかる所要時間も長くなるでしょう。

スクワットは動作時間中に体を安定させるため、小さな筋肉群の筋力とバランス感覚が大切です。一方のデッドリフトは、それよりも爆発的なパワーがより大切になります。

体格、性別、年代の違い

前述した2つの理由と密接に関連しますが、背の高い人は一般的にスクワットが不得意です。

女性は男性に比べると瞬発力より持久力に長けている傾向があるので、デッドリフトが不得意になる場合が多いでしょう。

また、男女ともに年齢が上がると瞬発力が衰えていくので(持久力は比較的維持しやすい)、加齢もデッドリフトの不得意を招く要因になります。

理由がどうあれ、スクワットかデッドリフトのどちらかに偏っていると分かったら、その動作をより多く練習することが一番の弱点克服方法です。

しかし、どちらも負荷が非常に高い動作ですので、毎日行うわけにはいかないでしょう。そこで、比較的負荷が軽く、それぞれの動作でよく使う筋肉を効率的に鍛える補強種目をいくつか紹介します。

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