きのこが「体にいい」と言われる理由。「栄養がない」なんてウソ! (2/2)
きのこは1日どれくらい食べればいい?食べすぎるとどうなる?
きのこ類の1日の摂取量の目安は50g〜100gといわれています。
なるべく複数種類のきのこを食べると、さまざまな栄養素を摂ることができるのでおすすめです。食感や味にも変化をつけられるので、料理の味もおいしくなります。
ただし、きのこ類をあまりにも食べ過ぎると、場合によっては下痢や腹痛につながることもあります。きのこに含まれている水溶性食物繊維には、便を柔らかくする作用があるため、これらを多く含むなめこやえのきだけは、とくに食べすぎないよう注意しましょう。
きのこに含まれている不溶性食物繊維は便のカサを増やしますが、便のカサが大きくなりすぎると腸内で詰まりやすくなり、便秘になることもあります。
さらに、食物繊維はあまりにも多く食べすぎると消化不良や胸やけを起こす可能性があります。あまり体調がよくない場合は、多く食べ過ぎるのは避けた方がいいでしょう。
きのこの栄養をたっぷり摂取できるおすすめ調理方法
ここからは、きのこの栄養を効率よく摂るための食べ方や調理方法などをレクチャー。
まず、きのこ類を調理するときに大切なことは、なるべく洗わないということです。きのこを洗ってしまうと、水っぽくなり、香りや風味も薄くなります。
汚れが気になる場合は、キッチンペーパーなどを湿らせて拭き取りましょう。
スープにすると水溶性ビタミンもとれる
煮る場合はスープなどにして、煮汁も一緒に食べられるようにしましょう。煮汁にはビタミンB群など水溶性ビタミンがたくさん含まれています。スープやお味噌汁などの汁物にすると、ビタミン類も余すことなく摂取できるのでおすすめです。
また、網焼きをはじめ、焼く調理法もきのこ類にはぴったりです。旨味や香りを丸ごと味わうことができます。切り口や、かさの裏側を上にして、水分が表面に出て濡れたようになるまで焼きます。
炒める場合には、強火でさっと炒めましょう。弱火で炒めると水っぽくなってしまいます。
きのこは冷凍できる?冷凍するメリットと冷凍時の注意点
きのこ類を使いきれそうにない場合は、冷凍保存もおすすめです。
きのこ類は、冷凍することで旨みが強くなる可能性もあります。冷凍してから加熱すると、細胞膜が壊れやすくなり、酵素の働きでよりおいしさを感じられます。
冷凍すると1か月前後は保管できるので、とても便利です。
きのこを冷凍する場合は、洗わずに食べやすい大きさに切ってから冷凍しましょう。石突がある場合はとりのぞき、ほぐせるタイプのきのこはほぐしてから冷凍します。
また、なるべく短い時間で冷凍することもおいしさを保つコツです。ジッパーつきの袋に入れ、平らにして金属製のトレーに乗せると短時間で冷凍できます。
きのこにはさまざまな種類があり、それぞれに味や栄養に特徴があります。
スーパーで手軽に手に入るので、ぜひ、お好みのきのこをみつけてみてください。栄養価を考えて選ぶのも楽しいので、食べたことのないきのこにもチャレンジしてみてくださいね。
関連記事:高タンパク質食材「卵」のヒミツ。どんな栄養がある?ダイエットや筋トレに“ゆで卵”はどう?[栄養士監修]
この記事を書いた人
山形ゆかり
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師。薬膳アドバイザー。フードコーディネーター。病院薬剤師として糖尿病患者の服薬指導中に食養生に着目。牛角・吉野家、薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発を行う。現在は、「健康は食事から」をモットーに、漢方のプロとAIが適した漢方薬をお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」や山形ゆかりの薬膳チャンネルでも情報発信をしている。
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/@medicalhealth--7900
<Edit:MELOS編集部>