2023年10月10日

実はNGな睡眠パターン「ふとんに入ったら5分以内に眠れる」「アラーム大音量」… (2/2)

NG6「常夜灯をつけたまま眠る]

まぶたの上からでも光を感じると、睡眠レベルが低下し、深い睡眠をとりづらくなります。

明かりをつけたまま睡眠をとる人は肥満になりやすいとの研究結果もあります。また、豆電球程度の明るさでも睡眠の質に悪影響があり、さらに子供の近視率が上がるというデータが海外での研究結果でも明らかになっています。

眠っている間も目や鼻など危険を知らせる感覚器のセンサーはONの状態。光を制御することも睡眠の質を上げるために大切です。

とはいえ、完全な真っ暗は苦手で、かえって不安で眠れないという方もいますよね。その場合は、フットライトなどの間接照明を利用するのがおすすめです。

NG7「ふとんに入って5分以内に眠ってしまう」

眠るのにかかる時間(睡眠潜時)は「5分以上・25分以下」が正常範囲です。布団やベッドに入って5分以内に眠るのは、疲れがたまって寝落ち、つまり気絶に近い状態にある可能性があります。

通常眠っている状態は副交感神経が優位ですが、これを交感神経優位に変えるには0.3秒程度の時間で済むと言われています。一方、交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態に変わるには通常人間は最低5分はかかります。

5分以内に眠ってしまうということは、交感神経が優位である緊張状態を維持できないほど疲労しているということ。よく眠れているのではなく、過労状態であるという認識を持つ必要があります。

NG8「夜中に目が覚める」

睡眠の質は、眠り始めの90分で決まると言われています。

眠りには「レム睡眠」(身体は眠っているが脳は働いている状態)と「ノンレム睡眠」(身体も脳も眠っている状態)がありますが、寝付いた後、まず訪れるのがノンレム睡眠で、最初の90分は睡眠全体の中でもっとも眠りが深い「ゴールデンタイム」と呼ばれているからです。

ゴールデンタイムの間に一日の記憶を整理したり、ノンレム睡眠時には脳に溜まった老廃物を洗い流しているため、これが不足していると認知症になりやすいという研究結果もここ5~6年で明らかになっています。

一晩でレム睡眠とノンレム睡眠を4~5サイクルほど繰り返し、明け方に近づくにつれて眠りは浅くなっていきます。そのため、最初の90分または3時間でしっかり深く眠ることが、睡眠の質を上げる最大の鍵なのです。

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NG9「エアコンを起床前に切る」

眠り始めのゴールデンタイムにぐっすり眠るために欠かせないのは安心・安全で快適な環境を作ることです。

そのポイントは一言でいえば「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」。つまり、室内環境は涼しく、布団内は温かくするということです。

脳は熱がこもりやすいので、常に冷やす必要があります。鼻は脳の冷却装置であり(鼻がつまるとボーっとするのはこれが理由です)、脳は身体の中で最も発熱する器官のため、鼻から涼しい空気を吸って冷却できる仕組みが備わっています。

脳にとっての快適室温は22~24度ですが、筋肉の少ない日本人の場合、夏場はその温度では身体は寒く感じます。脳にとっての快適温度と身体にとっての快適温度は違うため、脳は冷やしながらも身体は厚めの布団で温めるのが理想です。

夏は、部屋は涼しく、布団の中は温かく保つためにも、エアコンはタイマーを設定するのではなくつけっぱなしにしましょう。

睡眠の質を下げない温度は夏が25~26度、冬が20~22度。ちなみに湿度は通年50~60%です。のどが乾燥するといびきをかきやすくなるので、湿度にも注意!

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NG10「靴下をはいて眠る」

就寝時、眠りが深くなるにつれて深部体温が1度ほど下がります。身体が自然に熱を放出できるよう、寝るときの服装と布団は保湿性と通気性の両方を兼ね備えるものにしましょう。

冷え性の人の中には靴下を履いたまま寝る人もいますが、これは足先からの放熱を妨げます。寝る1~2時間前から靴下を履いて足を温め、血行を良くしておいて、寝る直前に靴下を脱ぐと放熱が促され、深部体温が自然に下がりやすくなります。

どうしても足先の冷たさが気になる人は靴下ではなくレッグウォーマーがおすすめです。足元は温めつつも、足先は覆われないため、放熱の邪魔になりません。

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<Text:編集部>

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