リンゴ酢ダイエット
ウェルネスフード
2025年5月21日

リンゴ酢ダイエットの効果とは。本当に痩せる?やり方と飲むタイミング[医師監修] (2/2)

「リンゴ酢で痩せた」という噂は本当? ダイエット効果はあるのか

リンゴ酢は、ダイエットをする人にとって良い効果があると考えられます。

これはリンゴ酢に含まれる以下の作用によるものです。

  • 酢酸
  • クエン酸
  • カリウム

これらの成分によって、むくみの軽減・便秘解消などに向けて良い変化が得られる可能性が高いとされています。 

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リンゴ酢のダイエット効果を詳しく解説!

リンゴ酢を摂取することで期待できる「ダイエット効果」を解説します。

リンゴ酢の効果1 むくみの軽減

リンゴ酢には、酢酸やカリウムなどが含まれています。

これらの成分は、利尿作用があるため、体内の余分な水分を排出しやすくし、むくみの軽減に役立つと考えられます。

リンゴ酢の効果2 便秘解消

酢酸によって、胃酸を分泌するよう刺激し、腸の運動を活性化できると考えられます。その結果、腸内に滞留する便の移動を助け、便秘解消につながる可能性があります。

便秘は体重増加を招くだけではなく、腸内環境を乱し、代謝の低下・消化や吸収の効率低下などのデメリットも発生します。

リンゴ酢の効果3 血糖値の上昇を緩やかにする

食事と一緒に約15mlのお酢を摂ると、血糖値の上昇が緩やかになったという結果(※1)が発表されています。これは酢酸による作用だと考えられており、血糖値の上昇を緩やかにすることで、脂肪の蓄積を防ぐことに繋がります。

(※1)遠藤美智子・松岡孝 食酢の食後血糖上昇抑制効果

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リンゴ酢の効果4 代謝の促進

酢酸には、代謝を促進する効果があるとされています。代謝が活発であると、摂取したカロリーを効率的に消費してくれるため、ダイエットに有効だと言えます。

リンゴ酢の効果5 脂質異常症*の改善

リンゴ酢を8週間以上摂取した患者グループにおいて、血清総コレステロールと中性脂肪の値がそれぞれ減少していることが明らかになりました(※2)。これにより、脂質異常症が改善され、動脈硬化のリスクを低減できると考えられます。

さらに、リンゴ酢の摂取は、HDL-C(いわゆる善玉コレステロール)濃度を増加させると報告されています。

*脂質異常症:血液中の脂質の値が、基準値から外れた状態

(※2)J-STAGE Vinegar Intake Reduces Body Weight, Body Fat Mass, and Serum Triglyceride Levels in Obese Japanese Subjects (jst.go.jp)

リンゴ酢の効果6 食欲のコントロール

学術誌『Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics』に掲載された研究によると、食事の前にリンゴ酢を飲んだ参加者は、1日に摂るカロリーが275kcal減っていたそう。

現状、リンゴ酢によって食欲が抑えられたという明確な証拠は出ていませんが、食欲を抑える成分があることが推測されています。

リンゴ酢の効果7 胃腸障害の改善

酸性度が高いリンゴ酢は、食べ物の分解を助ける働きがあると言われています。そのため、胃酸が少ない人がリンゴ酢を飲むと、消化が改善すると言われています。

リンゴ酢を飲むだけで、痩せられるというわけではありません。1日3食バランスの良い食事と適度な運動を意識した上で、リンゴ酢を活用しましょう。

リンゴ酢ダイエットのやり方

ここではダイエットを成功に導く「リンゴ酢ダイエットのやり方」を解説します。飲むタイミングや飲む量に迷っている方はしっかりチェックしましょう。

リンゴ酢を飲むタイミング

リンゴ酢をダイエットに活用する場合、食前や食事中に飲むのがおすすめです。

食事中・食後に飲むことで、消化を促し、血糖値の上昇を緩やかにできるでしょう。食事中にリンゴ酢を摂りたい場合は、ドレッシングなどの調味料として活用するのがおすすめです。

現在のところ、酢の中に炭水化物の吸収を妨げる成分が含まれているのではないかと推測されています。

1日どれくらい飲めばいい?

リンゴ酢ダイエットのやり方/痩せる飲み方、1日どれくらい飲めばいい?

リンゴ酢は、1日15ml(大さじ1杯)を目安に飲みましょう。

リンゴ酢の効果を感じるためには、毎日継続して飲むことをおすすめします。

リンゴ酢ダイエットの効果はいつから出る?

リンゴ酢ダイエットの効果が出るまでの期間は、個人差があるため一概には言えません。リンゴ酢は薬ではなく、即効性はないので、2週間~3ヶ月程度は続けてみましょう。

食べ物や飲み物が影響して体質が変わるのには、3ヶ月程度かかると言われています。この数字にも個人差がありますが、少なくとも3ヶ月程度は続けると良いでしょう。

リンゴ酢を活用することで、以下などの変化が徐々に出てくるはずです。

  • 便通が良くなる
  • むくみにくくなる
  • 軽やかに過ごせる

どれがいい? ダイエット用リンゴ酢の選び方

ダイエットとしてリンゴ酢を活用する人の多くは、市販のリンゴ酢を活用しています。そもそもリンゴ酢とは、リンゴ果汁を主原料にしたお酢で、さっぱりした風味が特徴です。

市販のリンゴ酢は、純リンゴ酢・一般的なリンゴ酢・調味されたリンゴ酢ドリンクなどの種類がありますが、ダイエット用としては純リンゴ酢・一般的なリンゴ酢がおすすめです。

▼各種リンゴ酢の違い

純リンゴ酢 原材料が、リンゴ果汁のみ
→ダイエットにおすすめ
一般的なリンゴ酢 原材料が、リンゴ果汁とアルコールのみ
→ダイエットにおすすめ
調味されたリンゴ酢ドリンク 飲みやすいように砂糖やはちみつなどが入っている。リンゴ以外の果汁が入っていることもある

しかし、人によっては、純リンゴ酢や一般的なリンゴ酢は酸っぱすぎるため、摂取し続けづらいということもありえます。

リンゴ酢ダイエットは継続することが大切なので、飲みづらい人は調味されたリンゴ酢ドリンクを活用すると良いでしょう。

リンゴ酢を使ったダイエットメニューの作り方

野菜がもっと美味しくなる! リンゴ酢ドレッシング

リンゴ酢を使ったダイエットメニューの作り方(リンゴ酢ドレッシング)

材料

  • りんご酢:大さじ2
  • オリーブオイル:大さじ1
  • 塩:小さじ1/4
  • 砂糖:小さじ1/2
  • 胡椒:少々

作り方

  1. ボウルに、リンゴ酢・塩・砂糖を入れて、軽くざらつきがなくなるまで混ぜる
  2. ①にオリーブオイルを入れて、よくかき混ぜて完成!

リンゴ酢の酸味が強い時は、砂糖を少しずつ加えて味を調えましょう。

 爽やかでゴクゴク飲める! リンゴ酢ソーダ

リンゴ酢を使ったダイエットメニューの作り方(リンゴ酢ソーダ)

材料

  • リンゴ酢:大さじ1
  • 炭酸水:150ml
  • はちみつ:大さじ1
  • 氷:適量

作り方

  1. グラスにリンゴ酢とはちみつを入れて、馴染むまでかき混ぜる
  2. ①に氷と炭酸水を入れて軽くかき混ぜたら完成!

はちみつでリンゴ酢の酸味がまろやかになり、ゴクゴク飲めます。

「リンゴ酢は腎臓に悪い」っていう噂も……デメリットはある?

1日の推奨量程度のリンゴ酢(15~30ml)であれば、腎臓に悪影響を与える心配は低いと考えて良いでしょう。

確かにリンゴ酢に含まれるカリウムの過剰摂取により、腎臓でろ過しきれず、高カリウム血症という状態になる可能性は考えられます。

しかし、リンゴ酢100mlに含まれるカリウムの量は60mg程度。

そして、1日に摂るリンゴ酢の推奨量は15~30mlなので、カリウムの量は9~18mgと少量になり、腎臓に悪い可能性は低いと考えます。

なぜこのような噂が流れたのか

「リンゴ酢に含まれるカリウムが腎臓に悪い」のではなく、「腎臓が悪いとカリウムが血液中に増加してくる」と言うのが正しいです。

どこかで原因と結果が入れ替わってしまったことで、リンゴ酢は腎臓に悪いというイメージがついてしまったのでしょう。

リンゴ酢を摂取するその他のデメリットとは

リンゴ酢を大量に長期間摂取し続けると、歯の表面を覆うエナメル質が損傷し、歯が溶ける可能性があるという報告があります。

しかし、1日大さじ1〜2杯程度を摂取している程度では、問題になることはほとんどないと考えます。

【令和版】りんごダイエットの効果的なやり方!元祖との違いは?

監修者プロフィール

ディオクリニック
理事長/統括医師 藤井崇博先生

ディオクリニック 理事長/統括医師 藤井崇博先生
専門領域は循環器内科。2021年までの約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事。現在も循環器疾患を含め、内科外来での診療を継続している。SNSやその他コラムなどでの、健康に有益な情報の発信にも力を入れている。

▼参考サイト
酢の力:お酢の効果、取り方 - mizkan
酢酸の生理機能性 - 日本栄養・食糧学会誌
カリウムの働きと1日の摂取量 – 健康長寿ネット
脂質異常症 – e-ヘルスネット

▼参考論文
Amir hadi et al. The effect of apple cider vinegar on lipid profiles and glycemic parameters: a systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials.
BMC Complement Med Ther. 2021 Jun 29;21(1):179.

<Text:編集部>

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