ウェルネスフード
2023年12月25日

【食材一覧】タンパク質50gはどのくらい?危険な「摂りすぎサイン」 (2/3)

タンパク質の摂りすぎサインは?

タンパク質を摂取しすぎると、消化管への負担増加や腸内環境の変化から、以下などの消化器症状が起こります。

  • 吐き気
  • 嘔気
  • 下痢

稀ですが、重症な場合は高アンモニア血症を起こし、意識障害を引き起こすこともあります。

どのくらい摂取した場合、過剰摂取にあたるのか

現時点で、タンパク質摂取量の上限を設定し得る明確な根拠となる報告はありませんが、いくつかの論文を整理すると、日常的に摂取するタンパク質の上限としては以下の通りです。

下の数値内に収めることを意識すると良いでしょう。

  摂取量 備考
・運動習慣がない人
・負荷の低い運動習慣がある人
〜2.0 g/kg/日
⇒体重50kgなら~100g/日
長期的な摂取のリスクは少ない摂取量だと考えられます。
・負荷の高い運動習慣がある人
・病気により体力を消耗している人
〜3.5g/kg/日
⇒体重50kgなら〜175g/日
左記の量の摂取は許容できますが、目的もなく摂取を継続することは推奨できません。

ただし、脂質の多い肉を大量に食べれば当然カロリーオーバーで脂肪が蓄積する原因になりますし、消化する際に胃腸にかかる負担が大きくなる恐れがあります。

そのため、タンパク質を摂るなら量よりもバランスが偏らないように注意しましょう。

タンパク質を摂りすぎたら、どんなことが起こるのか

タンパク質を摂りすぎた場合、カロリーオーバーにより肥満につながる恐れがあります。

さまざまな食材からバランス良く摂取した場合は肥満につながりにくいですが、前述の通り、脂質の多い肉・魚・穀物類などを大量に食べた場合は、カロリーオーバーとなるでしょう。

タンパク質の摂りすぎは「腎臓に悪い」という噂も…

「タンパク質の過剰摂取は腎臓に負担をかけるため、腎臓病のある患者さんにはタンパク質摂取量を控える指導」が長く行われてきました。

しかし、近年、筋肉量が低下した高齢者には、筋肉量の維持のためにタンパク質をしっかり摂取することが重要であると認識されるようになってきています。

2022年に発表された日本人高齢者を対象とした研究では、「日本人の高齢者では、タンパク質の摂取量と腎機能の低下速度との間に有意な関連はない」とする研究結果が発表されました。

そのため、一概に「タンパク質=腎臓に悪い」とは言い切れません。

タンパク質、摂りすぎるとどうなる?過剰摂取のライン[医師解説]

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