「レモン白湯」にはどんな効果があるの?専門家の意見まとめ
昔から愛飲者の多い「レモン水」と「白湯」。ダイエットや美容目的で朝夜に飲んでいる人もいるかと思います。ここでふとした疑問。この2つを組み合わせるとさらに良いのでは……!?
レモン白湯のメリットを、過去記事をもとに探っていきます。
レモン白湯に期待できるメリットとは
レモン水はダイエットや肌の老化予防、体型維持に役立つ
まずはレモン水に期待できる効果から。レモン果汁を水に混ぜた「レモン水」には、ダイエットによい影響がありそうです。
「レモン水の効果|ダイエットに効く?作り方と、血糖値を抑える飲み方」で解説してくれた内科医・工藤孝文先生によると、血糖値の上昇をゆるやかにするメリットや、脂肪燃焼効果が得られる善玉ホルモンを増やす働きも期待できるのだとか。工藤先生の回答を一部抜粋します。
「食前にレモン水を摂取すると血糖値の上昇をゆるやかにしますので、ダイエットに効果的です。皮下脂肪や内臓脂肪を抑えるには、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが大切です。また、レモン果汁には、分泌量が多いと運動時と同様の脂肪燃焼効果が得られる善玉ホルモン『アディポネクチン』を増やす働きがあるため、血糖値抑制とともにダブルの効果が期待できます。」(工藤先生)
また、見た目の老化の予防にもよい効果を及ぼすそう。
「ダイエット面以外にもメリットはあります! レモン水によって、血糖値を抑え、内臓脂肪の蓄積を抑えることで、体型のオジサン・オバサン化を予防できるというメリットがあります。内臓脂肪の蓄積は、病気を引き起こす悪玉ホルモンを出し、動脈硬化を進ませる恐れもあります。動脈硬化が進むと、顔面の毛細血管が幽霊のように姿があっても血が通わない“ゴースト化”が進みます。すると肌荒れ、シミ、シワ、たるみなど顔への悪影響も大きくなります。食前レモン水は、見た目の老化の予防にもメリットがあります。」(工藤先生)
白湯は血流促進、消化機能などさまざまなメリットがある
次は白湯に期待できる効果です。レモン果汁を水に混ぜた「レモン水」には、ダイエットによい影響がありそうです。
「白湯とは。管理栄養士の視点から見てどんな効果がある?」で解説してくれたMuscle Deli(マッスルデリ)管理栄養士・瀧川みなみさんによると、白湯には血流促進による代謝アップや冷え性解消、胃腸が温められることによる消化機能のサポートが期待できるのだとか。消化機能がアップすると、摂取した栄養を分解・吸収させやすくなります。
工藤先生も「レモン水×白湯は、体の冷えが気になる場合におすすめ」としています。
また、レモンが持つクエン酸には、疲労回復も期待できるほか、ビタミンCによる抗酸化作用や皮膚の健康維持に役立つでしょう。
そしてレモンの香りのもとになっているリモネンには、リラックス効果や血行促進効果などが期待されていると瀧川さんは語ります。
結論:レモン白湯はダイエットと血流促進、消化機能アップに役立ちそう
ということは、レモン白湯は「ダイエット効果(血糖値抑制と脂肪燃焼サポート)」と「血流促進(基礎代謝量の増加、冷え性改善など)」、さらに胃腸を温めることによる「消化機能アップ」が期待できそうですね。
レモン白湯はいつ飲むのが効果的?
食前にレモン水を飲むことで血糖値抑制による内臓脂肪と皮下脂肪対策に繋がることから、食前がよさそうです。工藤先生も「レモン水は食事の前、おやつの前に飲むのがおすすめです」と語ります。
瀧川さんも「(いつでもいいが)強いて挙げるなら、起きてすぐのタイミングがよいでしょう。寝ている間は水分補給ができないため、脱水状態になっていることがほとんどです。また、休息モードに入っていた胃腸にやさしい刺激を与え、体温を上げることでカラダを内側から目覚めさせてくれます。」とのことでした。
夜に飲む場合、レモンの酸が歯に影響を及ぼすという噂もありますが、これに関しては飲んだ後に歯磨きやうがいをすれば問題なさそうです。
「酸蝕症のリスクがありますので、気になる人は飲んだ後、口をすすいで洗い流すようにしましょう。」(工藤先生)
ちなみに朝にレモンをとるとシミになるという噂がありますが、「大量に摂取しない限りは、問題なさそうです(※)。」と工藤先生。
(※)参考:西山一朗.“「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします【拡散希望】”. 駒沢女子大学/駒沢女子短期大学 健康栄養学科. https://www.komajo.ac.jp/uni/window/healthy/he_diary_teacher_20002.html
レモン白湯は1日何杯が目安?
食事ごとにコップ1杯飲むとよさそうです。
「1回の食事につき、大さじ1杯位のレモン果汁摂取(レモン水コップ1杯)がおすすめです(※ポッカの研究により)。食事の度に飲むことがおすすめですが、飲みすぎると胃に負担がかかる場合があるので様子を見ながら調整してください。」(工藤先生)
大量に飲んでもむしろ逆効果になるのでご注意を!
「飲み過ぎには注意しましょう。ビタミンCを過剰摂取すると下痢や吐き気、胃けいれんなどを引き起こすおそれがあります。また、体内に過度の鉄が蓄積される疾患(ヘモクロマトーシス)のある方は、ビタミンCの過剰摂取によって症状が悪化し、身体の組織が損傷するおそれがあります。」(工藤先生)
「クエン酸は摂りすぎると胃が荒れる原因になったり、歯の表面のエナメル質が溶けやすくなる可能性もありますので、摂取量には注意してください。」(瀧川さん)
この専門家の意見をまとめました
工藤孝文(くどう たかふみ)先生
内科医。糖尿病内科医・東洋医学医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科で診療を行いつつ、全国で血糖値と肥満の関連についてなど生活習慣病の講演会などを行っている。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得。
<Edit:編集部>