卵を食べ過ぎたときの症状とは。1日何個まで食べていい?[薬剤師監修] (1/3)
手軽で栄養価の高い食品として親しまれている「卵」、食べ過ぎても大丈夫なのでしょうか?「ガンになる」「死亡する」などの怖い噂の真相などもまとめて薬剤師さんに聞いてみました。
卵の適切な摂取量や健康への影響についても解説します。健康的な食生活のために、正しい知識を身につけましょう。
卵を食べ過ぎても大丈夫?
健康な人であれば、少々食べ過ぎても問題ないです。
健康な人であれば、1日2〜3個食べてもコレステロール値に悪影響は及ばないと言われており、過度な心配は必要ないと言えます。
ただ、食事の栄養バランスを考慮すると、1日1~2個が良いでしょう。
卵は毎日食べても大丈夫なのか
適量であれば、卵は毎日食べても大丈夫です。
アメリカの研究論文では、「1日最大量1個の卵を摂取することで、男性の脳卒中のリスクを下げる可能性がある」と書かれています。ただし、これはあくまで1日1個とした結果であり、食べ過ぎると、糖尿病や高血圧、乳がんのリスクが増加したという結果があります。
毎日食べるのであれば、1日の摂取量に気をつけると良いでしょう。
1日何個まで? 卵の食べ過ぎの判断基準
先述した通り、食事の栄養バランスを考慮すると1日1~2個が良いでしょう。乳がんのリスクが心配であれば、リスクを上昇させる「週に5個以上」は避けるのも良いと言えます。
卵はほぼ完全栄養食と言われており、調理法による影響もそれほどないため、どのような食べ方であっても上記の数値を目安に適度な摂取が必要と言えるでしょう。
卵を食べ過ぎた時の出る症状まとめ
卵を食べ過ぎた時、以下の症状が出る可能性があります。
- 高カリウム血症
- ビオチン欠乏症
- アレルギー症状
- 消化不良
ひとつずつ解説します。
高カリウム血症
卵の食べ過ぎによる高カリウム血症は、ビタミンDの過剰摂取により起きます。
高カリウム血症は、血液中のカリウム濃度が高い状態を指し、症状があらわれることはあまりありません。ただ、人によっては、筋力低下や胃腸機能の異常などの症状が見られることがあります。
ビオチン欠乏症
生卵白を長期間にわたって過剰摂取すると、ビオチン欠乏症になることがあります。卵白にはアビジンという抗微生物タンパク質が含まれており、ビオチンの吸収を阻害する働きがあります。
主な症状
- 脱毛
- 無気力
- 幻覚
- 精神抑うつ
- 手足のしびれ など
アレルギー症状
卵にはアレルギー性の高いタンパク質が含まれているため、大量に摂取するとアレルギーを引き起こす可能性があります。
とくに、卵白はアレルギー性が強いため気をつけなくてはなりません。重度のアレルギーの場合、アナフィラキシーショックを起こすケースもあるため要注意です。
主な症状
- 湿疹
- 蕁麻疹
- 喉の痛み
- 咳
- 呼吸困難 など
消化不良
卵には脂質が多く含まれているため、卵の食べ過ぎは消化器官に負担を与え、下痢や腹痛といった消化不良症状を起こす可能性があります。
ただし、なかにはサルモネラ菌による食中毒である可能性もあるため、嘔吐や下痢の症状が強い場合は内科を受診することをおすすめします。
主な症状
- 下痢
- 腹痛
- 吐き気
- 悪心 など
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