ヘルス&メンタル
2024年10月15日

自律神経を整えるツボ11選!部位別(頭・首・手・足裏)のツボ場所と押し方 (3/3)

自律神経の乱れは、ツボ押しで改善できるのか

東洋医学において、ツボは「経絡」の要所

適切なツボを刺激すると、自律神経の乱れを整える効果が期待できます。ツボは東洋医学に基づく考え方で、主に鍼灸医学の分野で活用されています。

東洋医学でツボは「経絡」の要所です。

経絡とは、体中をめぐる「気」というエネルギーの通り道を指し、気には、人間の生命活動を支える大事な役割があると考えられています。

健康な状態では、気が体内をスムーズに流れています。

しかし、気が減少したり滞ったりすると、体の機能が低下して、さまざまな症状が出ると言われています[*1]。

この気のよどみを改善する方法が、ツボ押しです。ツボは経絡に沿って全身に点在していて、刺激すると、気の流れを整える効果があるとされています。

361個のツボが、国際標準として定められている

気・経絡・ツボは科学的に完全には解明されていませんが、東洋医学では古くから重要な概念として考えられています。

ツボの存在は世界的にも認められていて、2006年にはWHO(世界保健機関)によって361個のツボが国際標準として定められました[*2]。

手軽なセルフケアとして、ツボ押しはおすすめ

ツボ押しは科学的に未解明な部分も多いものの、古くから一定の効果が期待できるとされています。

不調を感じたときに手軽にセルフケアができるため、活用してみてはいかがでしょうか。

ツボを押すときの注意点。間違ったやり方は思わぬ不調を招く可能性も!

ツボ押しは自律神経を整える効果が期待できる一方、間違ったやり方をすると思わぬ不調を招く可能性もあります。

ここではツボを押すときに注意したい点を、4つご紹介します。

適切な場所を押す

ツボ押しは、効果と位置を事前に確認してから行いましょう。神経や血管がたくさん集まって、交差する位置にあるのがツボです。

適切な場所を押さないと効果が出なかったり、痛みが出たりなどかえって逆効果になる場合があります。

ただし、ツボの位置には個人差があるため、微妙なズレや、同じ人でも体調によって数ミリ移動することもあり得ます。

ある程度の見当をつけてツボを押し、自分が心地よいと感じる箇所を探してみましょう。

適度な力加減で押す

ツボ押しの力加減は「少し痛いけど気持ちがいい」と感じるくらいが適切な強さです。

痛いほど効くはずだとグイグイ押してしまいがちですが、力任せに刺激するのはよくありません。

筋肉が緊張してしまい効果が得られないばかりか、炎症を起こすなど体調を崩す原因にもなります。

とくに自律神経が乱れているときは、交感神経が優位になりやすい状態です。強い痛みを感じると、交感神経が刺激されてしまう恐れがあります。

過度な力をかけず、心地よい範囲の力加減で押しましょう。

リラックスした状態で行う

ツボ押しは焦ったり急いだりせず、リラックスして行いましょう。急いで押すと筋肉に力が入ってしまい、ツボに刺激がうまく伝わらない可能性があります。

おすすめのツボ押しタイミングは入浴後です。血液やリンパの流れが促進され、気分もリラックスしているのでツボ押しの効果が高まります。

からだが安定しやすい座った姿勢で、ゆったりと気持ちに余裕を持って行いましょう。

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深呼吸を忘れずに

ツボを押すときは息を止めずに、深呼吸をしながら行いましょう。

息を吐いているときは副交感神経が優位になるので、体の力が抜けて刺激が入りやすくなります。リラックス効果も得られるので、自律神経の乱れを整えるのにも有効です。

ツボを押す前に大きく息を吸い、細く息を吐き出しながらツボを押していきます。力を込めすぎて息を止めてしまうのはよくありません。常に呼吸を意識しつつ、ツボを押していきましょう。

ツボ押しで自律神経を労わろう

私たちが意識せずとも、心臓や呼吸・血圧など生命を維持するために休みなく働いているのが自律神経です。

しかし、精神的なストレスや気温の変化・不規則な生活などの影響で自律神経はバランスを崩してしまいます。

ツボ押しは東洋医学に基づいた、手軽に始められるセルフケアです。「なんだか体調がすぐれない」と感じたときは、ツボ押しで自律神経を労わってみてはいかがでしょうか。

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<参考>
[*1]https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/61/6/61_6_821/_pdf/-char/ja
[*2]https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/57/5/57_5_576/_pdf/-char/ja

監修者プロフィール

白崎順子(しらさきじゅんこ)

漢方養生指導士エステティシャン。自身の病をきっかけに東洋医学に興味を持ちエステと融合させた「美養生エステ」を発案。「エステティシャンが知っておくべき東洋医学」のスクールも開講し全国に500名以上の生徒を持つ。

<Edit:編集部>

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