朝ごはんを食べないと熱中症になりやすい、その理由とは。専門家も警鐘する「朝食抜き」のリスクとは
熱中症対策で忘れられがちなのが、カラダに入る水分の約40%は食べ物からだということ。つまり規則正しい食生活をしていれば、脱水症になるリスクは下げられるのです。
熱中症にくわしい、神奈川県済生会横浜市東部病院 患者支援センター長で医学博士の谷口英喜先生が、食事面から見た熱中症予防について語っています。
食事から水分補給を行うことで、吸収がゆっくりとなり、脱水症を防ぐ
たとえばスープ、サラダ、ヨーグルト付きのカレーセットなら、総量815mlもの水分がとれることになります。
しかも食事からとった水分は吸収に時間がかかるため、飲み物と違って体内に長い時間留り、これも脱水症を防ぐポイントになります。
朝食を抜くと、ペットボトル1本分の水分が不足することになる
1日の食事からとれる水分量は約1500mlで、単純計算すると1食あたり500ml。つまり、食事を1食抜くと、ペットボトル1本分の水分が不足することになります。
とくに朝は、寝汗で脱水状態になっているため、朝食を抜くと昼食時まで脱水状態が続くことになってしまいます。
脱水症や熱中症を予防するには1日3食規則正しく食事を摂ることが大切であり、水分を豊富に含む夏野菜や果物を摂ることは、熱中症対策に適しているといえます。
子どもの熱中症に多い原因が「朝ごはん抜き」
臨床栄養の専門医である私は、夏になると病院に救急搬送されてくる多くの熱中症患者さんを診療しています。
そんな中で気付いたのは、お子さんの熱中症に多い原因が、朝食抜きの食生活だということ。1食抜けば500mlのペットボトル1本分の水分がカラダに足りないわけです。
朝食を抜いたまま運動すれば、熱中症のリスクが高まるのみならず、ケガもしやすく、パフォーマンスも上がりません。
逆に毎日規則正しい食生活を送り、こまめな水分補給さえすれば、体内に水分を蓄えることができ、熱中症になりにくいカラダを作ることができます。
これからの季節、店頭に並ぶ、水分、ビタミンC、ミネラルたっぷりの果物や夏野菜を食べ、ぜひカラダを整えてください。
<Edit:編集部>