2023年8月3日

「スイカ=栄養ない」はウソ!低カロリーでダイエットにいい&健康美容にメリットありすぎた (1/2)

夏の暑さを吹き飛ばす、甘くてジューシーな「スイカ」。果物でもあり野菜でもあるスイカは、夏バテや水分補給、熱中症対策にもおすすめの食べ物なのはもちろんのこと、ダイエットや美容、健康に役立つ成分がたくさん含まれています。

今回は、スイカの栄養素と保存方法、効果的な食べ方までまとめてご紹介します。

スイカの栄養素とカロリー

スイカは100g中89.6gが水分で、カロリーと脂質が低いのが特徴です。

 

エネルギー

たんぱく質

脂質

炭水化物

水分

すいか100g(赤肉種/生)

41kcal

0.6g

0.1g

9.5g

89.6g

ビタミン、ミネラルなどの成分も多く含まれています。

  • ナトリウム     1mg
  • カリウム       120mg
  • カルシウム     4mg
  • マグネシウム   11mg
  • リン    8mg
  • 鉄      0.2mg
  • 亜鉛    0.1mg
  • ビタミンC      10 mg
  • ビタミンD      0 µg
  • ビタミンB6     0.1 mg 

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)

スイカは何に効果があるの? 注目の栄養素は「リコピン」

続いて、スイカに含まれるおもな栄養素と食べるメリットをご紹介します。

リコピンの強力な抗酸化作用

とくに注目すべき成分は「リコピン」。スイカにはトマトの1.5倍ものリコピンが含まれています。リコピンには強い抗酸化作用(活性酸素の発生を抑える・取り除くはたらき)があり、シミやシワの予防に効果的な美容成分とされています。

さらに、血糖値を下げたり動脈硬化を予防したりする効果も期待できます。

ビタミンCとの相乗効果で強力な抗酸化作用

また、スイカに含まれるビタミンCとリコピンには、肌の老化を抑える抗酸化作用があります。

関連記事:ビタミンC、ビタミンA…多く含む食べ物は?効果的なとり方、サプリ活用術[管理栄養士監修]

シトルリンによる利尿作用や血流促進むくみ解消

スイカに含まれるシトルリンには利尿作用や血流促進効果があり、むくみを改善する働きが期待されます。

また、シトルリンには筋肉の疲労回復を助ける効果もあります。運動後に筋肉の回復をスムーズに行い、疲労感を軽減する働きがあるのです。​​

その結果、運動のパフォーマンスが向上し、持久力アップにも繋がります。

関連記事:「シトルリン」で筋トレ効果は高まるのか。アルギニンとの関係性、副作用を防ぐサプリの選び方

ビタミンB6でたんぱく質の代謝をサポート

ビタミンB6は摂取したタンパク質の分解を助け、免疫力や神経の働きを高める効果が期待できます。

カリウムで余分な水分の排出

スイカに含まれるカリウムは体内の余分な水分の排出を促進し、血圧を下げる助けにもなります。

「カラダの水分調整や高血圧改善に有効なカリウムは、ナトリウムとともに細胞内液の浸透圧を一定に調節する機能があり、体液バランスをサポートします。スポーツで汗をかくと水分と一緒にナトリウムやマグネシウムなどの電解質も失われます。カリウムが不足すると、筋肉に負担がかかったときに足がつりやすくなったり、痙攣(けいれん)の原因となります。しかし、カリウムを摂取することで筋肉の収縮が助けられ、予防することができます」

関連記事:バナナの栄養と効果|カロリーや糖質は?毎日食べると太る?[管理栄養士監修]

ビタミンC、クエン酸などによる疲労回復サポート

スイカに含まれるクエン酸は乳酸を分解し、疲労回復にも役立ちます。ビタミンCをはじめ、カルシウムや鉄も疲労回復をサポートします。

関連記事:疲れが取れないとき、控えたほうがいい食品とは【疲労回復と食べ物】|マッスルデリ管理栄養士が解説

水分補給にも!

豊富な水分は肌の潤いを保ち、ハリや弾力を与えてくれます。

関連記事:運動時の水分補給に「お茶」はOK? ランニングや筋トレにおすすめの飲み物

スイカはダイエットにいい?

低カロリーで腹持ちも良い

スイカは100gあたり37kcalと、非常にヘルシーな食材です。そのため、スイカはダイエット中の間食にもおすすめです。

また、水分も多く含まれているため、空腹感を満たすことができます。

糖質を分解し、ダイエットをサポート!

スイカには「マンノシダーゼ」も豊富に含まれています。マンノシダーゼは糖質分解酵素であり、ダイエットにも効果的です。

ほかにも、スイカにはビタミンCも豊富に含まれており、100g当たりの含有量は10mgです。​​これは成人の1日に必要なビタミンC摂取量の約10%に相当します。ビタミンCは免疫力を高めつつ、鉄分の吸収を助ける効果があります。

関連記事:鉄分の効能と1日の摂取目安量。おすすめ食材&レシピも紹介

血糖値コントロールに!

スイカに含まれるリコピンには、インスリンの働きをサポートして血糖値を下げる作用があります。

血糖コントロールは太りにくい体づくりに役立ちますし、リコピンの摂取で糖尿病や肥満などの生活習慣病の予防に役立つとされています。

利尿作用でむくみ対策も

スイカに含まれるカリウムは、ダイエットの大敵・むくみを撃退する手助けに。余分な水分を排泄することでむくみ解消をサポートします。

スイカの疲労回復効果は?

先述の通り、スイカには疲労回復を助けるビタミンC、クエン酸をはじめ、カルシウムや鉄なども含まれており、疲労感軽減を強力にサポートしてくれます。

スイカの栄養素は夏バテ予防にもオススメ

スイカは、熱中症対策やスポーツ時の水分補給に最適のフルーツとして推奨されています。水分、ミネラルが豊富で、一般的なスポーツ飲料と比較してみると、カリウムが約4.5倍。

 

スイカ   

一般的なスポーツ飲料

カリウム

120㎎

26㎎

マグネシウム

11㎎

3㎎

カルシウム

4㎎

8㎎

ナトリウム

1㎎

31㎎

100g中の成分比較|参考:文部科学省日本食品標準成分表2015年版(七訂)

また、先述したように疲労回復をサポートする栄養素も含まれているほか、サッパリとした甘さとみずみずしさは夏バテで食欲が落ちたときにも食べやすいでしょう。スイカジュースにしてもよいですね。

関連記事:超巨大な「鳥取すいか」が届いたので、スイカの栄養を調べてみた【熱中症対策や水分補給に】

スイカはいつ食べるのがいい?

食品なのでいつ食べても問題ないですが、水分が多くお腹が満たされるという視点で、ダイエット中の人は間食にいただくのがおすすめです。

また、水分補給目線では喉が渇いたときにもおすすめです。

スイカの食べ過ぎはNG! 考えられるデメリット

スイカは低カロリーで栄養価も豊富ですが、食べ過ぎには注意が必要です。

とくに、スイカは利尿作用が強いので、スイカと一緒にお酒を飲むと脱水症状になる危険性があります。また、スイカを食べ過ぎるとからだが冷える原因になります。

スイカは頻尿になる?

スイカに多く含まれるカリウムは、体内の余分な水分の排出を促す作用があります。そのためトイレの回数は多くなると考えられます。

スイカは一日何個まで?どのくらいの量ならOKなのか

では、どのくらいの量なら食べすぎにならないのか。食べる目安としては、1日に200g程度がいいでしょう。だいたい大きめカット1切れくらいです。

ちなみに厚生労働省の「健康日本21」では、1日に200gの果物を摂取することを推奨しています。

スイカ効果的な食べ方は「一気に食べない」

スイカの効果を最大限に引き出すためには、頻繁に少量ずつ食べることが大切です。一度に大量に食べるよりも、栄養素が効果的に吸収されやすくなります。

ただし、スイカは一度切ってしまうと長期保存するのが難しい食材です。切った面から水分が蒸発してしまうため、時間が経つと風味や食感が落ちてしまいます。

毎日少量ずつ食べる方法としては、以下がおすすめです。

カットスイカを冷蔵庫で長持ちさせる方法

スイカを切った後はラップで包んだり、密閉容器(タッパー、ジップロップ)に入れて冷蔵庫で保存すると、風味や鮮度を保つことができます。

また、スイカの切り口にレモン汁を塗ると酸化を防げ、長持ちできるでしょう。

スイカは冷凍できる! 冷凍保存方法

スイカは冷凍保存することも可能です。

  1. スイカを適当な大きさにカットする。種や皮は取り除いておく。
  2. カットしたスイカを密閉容器やジップロックなどの保存容器に入れる。
  3. スイカを冷凍庫に入れて凍らせる。

解凍する場合は、冷蔵庫でゆっくりと解凍するか、常温に置いて自然解凍させましょう。

​​​​ただし、完全に解凍すると食感が少し柔らかくなります。半解凍にして、デザートやスムージーなどに利用するのがおすすめです。

冷凍スイカのおすすめアレンジレシピ

冷凍したスイカは半解凍の状態でも食べることができます。冷たいシャーベットのようにシャリシャリとした食感がとてもおいしいですよ!

他のフルーツやサイダーと一緒に合わせれば、冷えたフルーツポンチが作れます。また、アイスクリームと組み合わせてミキサーで混ぜると、おいしいスイカジェラートができあがります。

「スイカは栄養がない」はウソ!

きゅうりと同様、スイカも栄養がないと思われやすい野菜のひとつですが、今回ご紹介したように、たくさんの栄養成分が含まれています。トマトやきゅうりなどの夏野菜とともに、デザートとしてとり入れてみてはいかがでしょうか。

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